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2023年09月16日 07:00 更新

【異次元の少子化対策】あなたの期待度は? 現役子育て世代の本音

政府が掲げる「異次元の少子化対策」。直接的な経済支援である児童手当の拡充などが盛り込まれていますが、実際に子育てをしている人たちはどう受け止めているのでしょうか? 今回は現役子育て世代のみなさんに、「異次元の少子化対策」への期待度をうかがいました。

政府が掲げる「異次元の少子化対策」に期待していますか?

政府が掲げる「異次元の少子化対策」では児童手当の拡充を中心とした経済的支援の強化がひとつの柱となっていますが、あなたは期待していますか?

「異次元の少子化対策」について「期待している」「やや期待している」と答えた人をあわせると、約26%。一方、「期待していない」「あまり期待していない」と答えた人はあわせて約51%で、大きな開きがあります。どちらともいえない人を含めると、政策への期待度は低いと言わざるを得ません。

気になるのはやはり財源です。児童手当の拡充に必要な財源は増税? と考えると、結果的に家計への負担が増えるかも……という不安をもつ人は多いのかもしれません。

それぞれの回答者のコメントをご紹介します。

期待している

●子どもはもっとほしいけど経済的な事を考えると思いとどまってしまうから。(女性/33歳/医療・福祉/専門職)

●一番子どもにお金がかかるので、少しでも収入源があれば助かる。(女性/34歳/専業主婦)

●児童手当増額は良いが高校生の扶養控除も気になります。(女性/34歳/医療・福祉/専門職)

「期待している」という人は、少しでも経済的な負担が軽減されれば……という思いがあるようです。

日々のおむつ代、保育園などの通園にかかる費用、習い事などの教育費、学校では授業料以外の諸経費、将来のための貯金など、子育てにはお金がかかります。児童手当の拡充はありがたいですね。

政府は「こども未来戦略方針」で、児童手当の所得制限の撤廃や高校生までの支給延長を表明しています。ただし、その一方で扶養控除を廃止する案もあがっているのが気になるところです。

やや期待している

●実現するかどうかわからないが内容はよい。(女性/31歳/専業主婦)

●これからの未来ある子どもたちにお金を使って欲しい。(女性/28歳/法律/事務系専門職)

●子育て世帯の費用負担が減るような対策があれば、もう少しゆとりを持って子育てができると感じるから。(女性/26歳/運輸・倉庫軽作業)

「やや期待している」という人は、実現する可能性に不安はあるものの、子どものためにお金を使おう! という政府の姿勢は評価しているようです。子どもたちの未来のために税金を使ってほしいですね。

なんともいえない

●ばらまきタイプの政策ばかりだから。せっかくなら、産んだら500万! とか、高校大学も授業料無料! とかにしてほしいです。(女性/32歳/不動産/営業職)

●手当等が拡充されても、税金の控除を含めた費用の部分が大きければあまり意味がないから。(男性/31歳/情報・IT /事務系専門職)

●政府は案を出すが先延ばしをするから。(男性/30歳/機械・精密機器 /技術職)

「なんともいえない」という人は、これまでの政府の姿勢に対する疑念がぬぐい切れない様子です。「異次元の」というわりには、既成の政策と代わり映えしない内容に感じられるのかもしれません。

少子化対策は、働き方改革なども含めて社会全体で取り組むべき問題です。ほかの政策とあわせて、評価する視点も必要になるでしょう。

あまり期待していない

●高校生まで貰えるのはありがたいが、第3子以降貰える金額が高くても産もうと思う人がそこまでいるとは思わないから。私自身この児童手当があるから3人目も産もうとは思わない。(女性/31歳/専業主婦)

●児童手当を貰えるのはありがたいが多少増えたくらいでなにか変わるとは思えないから。(女性/31歳/専業主婦)

●物価が高すぎてそんなんじゃ足りない。(女性/29歳/運輸・倉庫/事務系専門職)

「あまり期待していない」理由として、手当の増額が物価の上昇に追いついていないという意見が見られました。支出の増加で家計が苦しいなかでは、焼け石に水……という気持ちになってしまうのでしょう。

期待していない

●「子どもを育てたい」「幸せにしたい」というのは自分自身の願いで、政府の政策がどうであれ自分自身でなるべくちゃんと備えたいと思っているので、いい政策が出たらラッキーくらいの気持ちであまり期待しないようにしています。(女性/29歳/ホテル・旅行・アミューズメント/販売職・サービス系)

●子育ては子どものころだけお金がかかるわけではなく大学卒業までとても長い期間かかってくるので、貧困家庭だけでなく全ての子どもに平等に児童手当など支給してほしい。異次元と言っているが昔はあった扶養控除も無いし逆の意味で異次元すぎる。(女性/31歳/専業主婦)

●政権が掲げている少子化対策が、実際子育てをしている我々の感覚と合っていないと感じる発言が多いから。いまの日本の経済や、社会の仕組みの中では、多少児童手当を増額されたところで「じゃあ子どもをもっと産もう」とは思えない人が多いと思う。(女性/34歳/医療・福祉/専門職)

「期待していない」という人のなかには、そもそも政府に期待していないという意見もありました。政府が発信している「異次元の少子化対策」の内容は、実際の子育て世代の考え方とはギャップがあるように感じられます。当事者などの意見をもっと取り入れた政策立案を期待する声は大きいのではないでしょうか。

まとめ

政府による「異次元の少子化対策」は、いまのところ子育て世代にあまり評価されていないようです。3兆円を超える財源はどこから捻出するのか、本当に追加負担は生じないのか、疑念や不安をもつ人が多いのでしょう。

子どもにはできるだけのことをしてあげたい、幸福になってほしい、と考えるからこそ、お金も時間もかかる子育て。政府には議論を尽くしていくことをぜひお願いしたいところです。

マイナビ子育て調べ
調査日時:2023年7月11日
調査人数:123人(22歳~40代までのパパ・ママ)

(マイナビ子育て編集部)

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