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2023年05月29日 16:09 更新

子どもに合う校舎はどう選ぶ? 進学塾の校舎選び│ 中学受験塾のトリセツ#10

進学塾に通うことを決めたものの、通塾する校舎はどうしよう……。同じ塾でも、校舎が違えば学習環境はさまざまです。「自宅に近いから」だけでなく、それぞれの雰囲気や志望校への合格実績もしっかりチェック!大手塾講師として活躍し、受験生の母でもある天海ハルカさんが、塾の校舎選びのポイントをお話します。

自宅からの距離

進学塾なら、校舎までの距離は近いほうが良いでしょう。

もちろん家から遠いことにもメリットはあります。

たとえば同じ学校の友達や知り合いがいないことで、学校とは違う環境となり、気持ちにメリハリがつきます。

しかし、進学塾の授業開始時間は17時前後。

高学年だと小学校からの帰宅が16時をすぎることもあり、準備をして軽く食事をとったらもうぎりぎりの時間です。

さらに6年生になると、平常授業のほかに志望校別特訓などの講習が増え、週4回ほど通塾するケースが多いでしょうか。

それに加えて、テストを受けるために休日に塾へ行くこともあります。

塾への行き来が多いことを考えると、通塾時間は短いほうが親も子どもも楽ですね。

校舎の立地と送迎のしやすさ

電車で通塾する場合は、校舎の最寄り駅の環境を確認しておくことも重要です。

昼間はのんびりした駅でも、夜のお店が多ければ塾終わりの時間には治安が悪くなることも。

逆に、駅自体は大きくても、駅から校舎までの道は暗くて人通りも少ない……ということもあります。

車で送迎する場合は、周辺に停められる場所があるかどうかもひとつのポイントですね。

駅前の校舎だと、校舎まわりの道が狭かったり一方通行だったりして送迎しづらいことも考えられます。

電車で行くのか車で行くのか、通塾方法に合わせてアクセスしやすい校舎を選びたいですね。

校舎の規模

小規模校舎にするか大規模校舎にするかは、子どもの性格や塾に求めるもので決めます。

学年で1~3クラス程度の小規模塾は、一人一人の生徒を手厚く見てもらえる傾向があります。

先生や受付スタッフが、生徒の顔と名前を一致させておしゃべりできるのも小規模校舎ならでは。

進学塾でもアットホームな雰囲気に寄るので、自分のペースで勉強を進めたい子に向いています。

一方で大規模校舎は、子どもが塾についていくスタイルになります。

塾のスピードに合わせて進めることや、まわりに競争相手が多いことは、大規模進学塾ならではの良い刺激です。

勉強のモチベーションへとつながるので、雰囲気で気持ちが変わるタイプや競争を楽しめる子に向いています。

合格実績

校舎ごとの合格実績が分かるなら、それも校舎選びの参考になります。

とはいえ、難関校に合格している生徒が多い校舎のほうが良いとも限りません。

たとえば難関校まで距離がある校舎では、そもそもその学校を受験する生徒自体が少ないでしょう。

輝かしい合格実績は、校舎の立地によるところも大きいといえます。

合格実績を見るときに大切なのは、難関校ではなく、子どもの志望校への合格者がどのくらいいるかです。

合格者数が多いほうが塾には受験データが溜まります。

過去に合格者が多いほど、成績推移と合否の関係がデータとして分かるのも大きいですね。

「5年生のこの時期、こういう成績だった子は合格している」「このぐらいの成績だった子はダメだった」といった生のデータが多いほうが、実際に自分の子どもが受験するときに役立ちます。

6年生になると志望校別にクラス編成される場合もあるため、志望校のあたりをつけているなら、その学校の合格者が多い校舎を選ぶほうが心強いでしょう。

塾長や講師陣は異動がある

塾の雰囲気や先生たちの噂を聞いて決めるのもひとつの手ですが、校舎がいくつもある塾では異動があることも考えておくといいですね。

大手塾の校舎では、講師陣が毎年少しずつ替わります。

塾長も数年に一度かわるため、「お兄ちゃんのときと妹のときとでは塾の雰囲気がまったく違った」ということもめずらしくありません。

実際に、塾長が替わった年は保護者の方から「上の子のときは○○だったのですが」という質問がくることもあり、良くも悪くも塾長によって塾のシステムや雰囲気が変わることを実感しました。

口コミなどを選択材料のひとつにするのも良いですが、塾長や講師陣が替わることも念頭においておきましょう。

時間割が違うところもあるので注意

同じ塾でも、校舎によって時間割が変わることがあります。

同じ学年の授業が、校舎Aでは火・木、校舎Bでは水・金になっているなどです。

また、教室数や生徒数の関係で、年度ごとに時間割が異なるケースも。

ほかの習い事や家族の予定などと合わせて、都合の良い曜日に通える校舎を選ぶのもアリですね。

他に、小規模校舎では講習や特別授業を行わず、別の大きな校舎で受けなければならないということもあります。

同じ塾でも校舎によって細かい違いがあるため、まずは最新の情報を塾のホームページなどで確認しましょう。

6年生を意識して決めよう

校舎を選ぶときは、その校舎に入試まで通うことをイメージしてみましょう。

もちろん低学年で6年生をイメージするのは難しいと思いますが、学年が上がるにつれて通塾日数や時間など通塾環境が大きく変わることを意識すると、選ぶポイントが分かりやすくなるかもしれません。

通い始めてから、校舎を変えたり転塾したりといった方法もありますが、基本的には受験まで同じ校舎に通う子がほとんどです。

ホームページなどでしっかりと情報収集するほか、塾が始まる時間や終わる時間に校舎まわりを歩いてみると通塾の様子がつかめますよ。

とはいえ、通い始めてみないと分からないことも多いもの。

どうしても決められないときは、子どものフィーリングに任せてみるのもいいですね。

お子さんに合った校舎が見つかりますように!

中学受験ナビの連載『中学受験塾のトリセツ』の記事を、マイナビ子育て編集部が再編集のうえで掲載しています。元の記事はコチラ

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