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2022年10月20日 22:05 更新

読書の秋。子どもが眠った後にゆっくり読みたい子育てエッセイ4冊 #推し本教えてください!

出版社などで働く本のプロがテーマに沿ったおすすめの本を紹介! 季節やイベントを楽しめる本、子どもと読みたい本、育児に悩むママ・パパの心を軽くする本などなど、「今、読みたい本」が見つかるかも?

ゆったり読書タイム。おすすめ子育てエッセイ4選

過ごしやすい季節になってきた10月。日没もだんだんと早くなり、夜の時間も長くなってきました。

秋と言えば、読書。いつもは仕事に育児に家事にと大忙しのパパママも、ほっと一息できる読書タイムはいかが? 今回は秋の夜長のお供にぴったりの子育てエッセイを4冊、選んでもらいました。

パパは脳研究者 子どもを育てる脳科学(池谷裕二・著/クレヨンハウス)

推し本教えてください!,おすすめ本,エッセイ

本書は、脳研究者・池谷裕二さんの育児エッセイ、かつ、子どもの脳の育ちを学べる解説書です。もともとは雑誌(育児雑誌[月刊クーヨン]クレヨンハウス刊)の連載であり、ひとりめの娘さんが0歳1ヶ月から4歳まで成長するようすをリアルタイムでつづったものでした。

本書が一般的な育児エッセイと異なるのは、著者である池谷さんが「父として」と「脳研究者として」の視点を同時に持ち合わせていること。連載時からの解説に加え、記憶のはじまりやIQの正体、遺伝する能力などを「大人の脳育ちコラム」として収録しており、ハウツーではない学びを得られる一冊になっています。一方で、池谷さんの語り口は、軽やかでユーモラス。娘さんのちょっとした仕草や自立心の芽生えなどに一喜一憂する姿は、クスッと笑えて、子育てをポジティブに考えられます。

この本をおすすめしてくれたのは…

Lazy dummy

クレヨンハウス 編集部
滝西友美さん


脳研究者として有名な池谷裕二さんの本と聞くと「わが子が賢くなる方法が詰まっている」と思われるかもしれません。そうした側面もありますが、本書はハウツー本ではなく、あくまで池谷さんが「パパであり脳研究者」として体験してきたことを綴ったエッセイ。娘さんとの「思った通り」にいかない日常は、子育てに完璧はないのだと、安心させてくれるはず。

パパは脳研究者 子どもを育てる脳科学
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ただ、一緒に生きている(坂本美雨 ・著/光文社)

推し本教えてください!,おすすめ本,エッセイ

子育てについて書く事は、自分を見つめる事でした。東京新聞で2016年から連載されている子育てエッセイが、大幅な書き下ろしを加えて待望の書籍化。

ひとり娘・なまこちゃん(愛称)が0歳の頃からはじまり、小学校入学までを見守った6年間。うっかり者の美雨としっかり者のなまこちゃん。楽しいエピソードはもちろん、時には落ち込んだり悩んだりすることも……。

娘と向き合うなかで初めて気づいた自分自身のことや、家族をはじめとした周りの人たちへの想いをまっすぐに綴った、日々の記録です。

特殊な環境で育った著者が初めてじっくりと自らの両親や子供時代について語った「生い立ち」をはじめ「妊娠・出産」「猫と子ども」「旅について」「卒園・おしまいに」と書き下ろしもボリュームたっぷり。物理学者・佐治晴夫先生との対談も収録。子どもと一緒に読みたいおすすめの本や、育児中の忙しい心を救った音楽などもご紹介しています。

この本をおすすめしてくれたのは…

Lazy dummy

光文社 ノンフィクション編集部 編集者
北川編子さん


子育て日記と銘打ちつつ、育児を通して自分の心深くにある想いと向き合った真摯なエッセイ。お子さんがいる方はもちろん、愛について考えたことがあるすべての方に呼んでいただきたいです。かく言う私も子育て真っ最中。美雨さんの想いや状況に自分を重ね合わせ、何度も心を揺さぶられました。原稿が届くたびにスタッフみんながジーンと涙した渾身の書き下ろしも必見。1冊を通して成長するなまこちゃんの姿がまぶしく頼もしい!

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とことんあそんで でっかく育て ~柴田愛子流「りんごの木」の保育 春夏秋冬~(柴田愛子・著/世界文化社)

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「りんごの木」での保育エピソードを通して、あそび込むことで生まれる好奇心や探究心、問題を自分たちで解決していく姿などが、愛子先生の温かい眼差しで語られています。 ちょっと保育や子育てにつかれたら、くすっと笑えて、ぐっと心に響く、柴田愛子先生のエッセイで元気を充電しませんか? そして、""やらねばならぬこと""を少しだけ放棄して、子どもたちとあそんでみれば、きっと子ども本来の姿や育ちが見えてくるはずです。

著者の柴田愛子先生は「りんごの木」代表を務めるかたわら、保育者や保護者向けの講演や執筆、セミナーを通じて、子どもの育ちのドラマを発信しています。            

この本をおすすめしてくれたのは…

Lazy dummy

世界文化ワンダークリエイト こども事業部
ワンダー絵本編集
石川由紀子さん


子育て中のパパママや新人保育者にとって、子どもの心は理解不能なことばかり。
子どもの「イヤイヤ」にイライラ、理不尽な言動に振り回されて途方に暮れ、そのうち思考停止に陥ります。自分も昔は子どもだったことなんて、すっかり忘れているのです。そんなとき、愛子先生の”子どもの側に立ってみる”視点は、子育てのターニングポイントになりました。                                 そうです、子どもの理不尽な言動にはちゃんと子どもの”わけ”があるのです。                                 ぜひ、この本を手にとってみてください。子どものありのままの気持ちを受け止めることができたとき、子ども本来の姿が見えてきて、子育てや保育がちょっと楽しくなるはずです。                     

とことんあそんで でっかく育て ~柴田愛子流「りんごの木」の保育 春夏秋冬~
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一緒に生きる 親子の風景(東 直子・著、塩川いづみ・画/福音館書店)

推し本教えてください!,おすすめ本,エッセイ

「現代社会の中で子どもを育てるのは、つくづくたいへんなことだと思います。体力も精神力も経済力も求められる上に、常に繊細さが求められます」
「このエッセイでは、ともすると過剰に心配してしまうことになりがちな子育て中の人の気持ちが少しでも楽になってほしいという願いを込めて書きました」。(本書「あとがき」より)

歌人・作家の東直子が、月刊誌「母の友」で6年間にわたり綴った人気連載「母の風景」が待望の単行本化。

子育てのたいへんさとおもしろさを体験した著者が、かつての自分に語りかけるように“今の悩み”と向かい合う。「女性」や「母」、ジェンダーをめぐる考え方が変わりつつある現代、子育てはもっと自由であっていい。

先人たちの詩や短歌とともに綴られる歌人の言葉から、文学としての“親子の風景”が見えてくる。塩川いづみの絵を2色カラーでふんだんに収録。巻末には作家・山崎ナオコーラとの子育てをめぐる対談も。

この本をおすすめしてくれたのは…

Lazy dummy

福音館書店 「母の友」編集部 編集者
呉珠玲さん


本書で東さんは一貫して「もっと自由に子育てをしていいんだ」と伝えてくれています。いわゆる子育てのハウツー本ではなく、子育てをしている自分自身をまずは大切にできるように、そんなメッセージがつまった一冊です。

一緒に生きる 親子の風景
¥ 1,760 (2022/10/20時点)

秋の夜長は、忙しい時間を忘れて読書はいかが?

なかなか思い通りにはいかない子育て。「悩んでいるのは自分だけ?」「ほかのパパやママはもっとうまくやっているのでは」と不安は悩みはつきものです。今回は、ほっと一息つきつつも、子育てのヒントになるエッセイをご紹介しました。
あなたのお気に入りの一冊が見つかりますように。

(寄稿協力:クレヨンハウス、光文社、世界文化社、福音館書店/掲載協力:大日本印刷/マイナビ子育て編集部)

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