仕事 仕事
2022年03月25日 07:01 更新

結婚・出産後の就職活動は「難しい」92.6% その決定的な要因は?

調査機関「しゅふJOB総研」は「結婚・出産と就活」をテーマに主婦層を中心とする就労志向の女性にアンケート調査を行いました。その結果、結婚・出産後の就職活動は「難しい」と92.6%の人が感じ、その理由を「家庭と両立できる仕事が少ない」とした人は78.1%にのぼりました。

ビースタイル ホールディングス(東京都新宿区 代表取締役:三原邦彦)が運営、仕事と家庭の両立を希望する主婦・主夫層の実情や本音を探る調査機関「しゅふJOB総研」は「結婚・出産と就活」をテーマに、主婦層を中心とする就労志向の女性にアンケート調査を行いました。

「結婚・出産後の就職活動についてどのような印象をもっているか」を質問したところ、「やや難しい」と「とても難しい」を合わせ、難しさを感じている回答が92.6%にものぼりました。

女性活躍推進など、(政府を中心として)様々な施策を打たれてきていますが、結婚・出産後の就活の難しさは厳然と存在しているようで、年代が低くなるほど「とても難しい」と回答する比率が増加していて、60代以上はサンプルサイズが小さいものの、30代以下と比較するとその差は30ポイントに及びます。

また、結婚・出産後の就職活動が難しい理由として78.1%の人が挙げたのは「家庭と両立できる仕事が少ない」です。2位は「求人に応募しても選考に通りにくい」で、こちらも半数を超えています。

結婚・出産後の就活が難しい理由として、主婦層は家事育児と仕事との両立で忙しいと想定されていますが、「就職活動する時間がつくれない」は24.0%と時間がとれないことが原因ではないことがわかります。

一方、「就職活動の仕方が分からない」と回答した人は5.8%であることから、家庭と両立できる条件の仕事の少なさが、就活を難しくしている決定的な要因であることがわかります。

以下、フリーコメントを紹介します。

<結婚・出産後の就職活動について「とても簡単」「やや簡単」と回答した人 >

・過去の経験から、それほど苦労した記憶はありません(50代:フリー/自営業)

・自分の家族に1番良い方法で勤務すればよいと思う。今は面接も全てオンラインでできるし在宅勤務の仕事も多いので結婚出産後の就職活動も以前よりは簡単だと思う(40代:正社員)

・資格(宅地建物取引士、AFP)を独身時代に取得をしておいてよかったと思う(50代:パート/アルバイト)

・休職復職が普通になりつつあると感じています(60代:契約社員)

・多様な働き方や職種を、求職者側も認識して柔軟に検討する必要があると思う(40代:派遣社員)

・いまは結婚、出産しても就活は普通のことになってきたのでブランクがあっても問題ないと思う(40代:正社員)

・就職を考えたことが数回ありますが、その度毎回、条件に合う就職先を紹介いただきました。日商簿記1級や税理士試験科目合格等、資格を持っていることが理由かもしれません(40代:契約社員)

・働く意欲があればいいと思う(40代:パート/アルバイト)

・出産後の方は、やはり赤ちゃん優先になり、仕事に支障が無ければ良いですが、ある程度大きかったら支障は無いかと(50代:今は働いていない)

・サポートを受けられる実家などの近くに住んでいる場合、それを伝えると選考に響く事は無かったと思います(40代:派遣社員)

<結婚・出産後の就職活動について「とても難しい」「やや難しい」と回答した人 >

・短時間勤務の仕事がない。仕事を休んでいる期間が長いと就職も難しく、勘を取り戻すのに時間がかかる。実家が離れていると預け先に困る(40代:パート/アルバイト)

・子供がいると不利になるのは仕方がないことだが、悔しい(50代:パート/アルバイト)

・ブランクが7年で就職活動したのですが、7年でパソコン周りの変化もありましたし、仕事に慣れるまでが大変でした。子供が小学生になってから働き始めましたが、夏休みなどの長期休暇の子供の預け先も大変でした(40代:派遣社員)

・結婚によっては変化なかったが、出産後は大きく異なった。夫が家事に全く関与しないため、育児と家事になれるまで心身ともに大きく負担がかかった。また手のかかる子供で簡単に人に預けることが出来にくかったため、仕事を再開しようと思えるまで10年以上必要だった。そしてそのブランクによって求人に応募してもなかなか採用に至らない(50代:今は働いていない)

・結婚後は、子供は2年は作るな、と面接で言われた。子供が生まれてからの転職は、話の流れで子供がいる、と話したらすぐに面接を切り上げられた(30代:正社員)

・預け先の確保が難しい。仕事が決まらないと保育園などの預け先が認可されない。一度仕事をやめてしまうと入園に必要な点数が明らかに足りない(30代:今は働いていない)

・女性が結婚、出産前に培ったキャリアを認めて積極的に採用してくれる職場が非常に少ない。こんな社会に未来はないと思う(60代:今は働いていない)

・夫の転勤で自分の意志と関係なく仕事を辞めなくてはいけなくなり、転勤の度に就職活動をするのが辛い(50代:派遣社員)

・子どもがいる、子どもの年齢や人数を聞いたあとの態度が不採用に変わるのがわかりその場で帰りたくなる事が何度もあった。子育てママ在住など書かれていても結局は小さい子どもがいるだけで思い込みや偏見込みになるのかと心が折れる(30代:パート/アルバイト)

・なぜ、女性ばかりが我慢や面倒な思いをしなければいけないのでしょうか。学童に預けるにも役所にいく、提出にまた行く、書類の更新は年度毎に必要、証明書をもらう、長期休み時はお弁当をつくる、学校の短縮授業や休校など、常にシフトや時間差を心配しての就活。とてもしんどい(40代:今は働いていない)

<結婚・出産後の就職活動について「結婚・出産前と同じ」と回答した人 >

・私の時代はあまり分け隔てなく応募採用に至ったが、多分働いている人の何割かが主婦や子持ちだったからだと思う(50代:フリー/自営業)

・実力があれば結婚出産関係なく仕事ができるんだろうなと思う。結婚出産を理由に仕事が決まらない人の中には結婚出産してなくても仕事をさせてもらえない人もいるんだろうな(50代:パート/アルバイト)

・家事との両立を考えて、フルタイムではなく、扶養範囲内の仕事を探すようになった(40代:今は働いていない)

・多分 今は夫婦で働かないとやっていけないと思います(60代:今は働いていない)

・特に問題なかった(50代:派遣社員)

・どちらも現在の会社でそのまま働けるので就職活動はしていません。育休については、1年でした(40代:正社員)

・スキルがあれば問題なかった(50代:派遣社員)

・現職を辞めないこと。私は主人が転勤したため、仕事を続けられなかったのですが、続けている人とは雲泥の差の生涯年収です(50代:パート/アルバイト)

・既婚ではあるが子供がいないので子供がいる状態はわからないが、結婚と同時に海外赴任となった夫に仕事を辞めて付いて行き、2年のブランクができたが、帰国後に就職活動を行った際に、特に難しさは感じなかった(40代:正社員)

・結婚しても退職せずに仕事を続けたので、「結婚・出産前と同じ」にしました。 ただ、仕事を続けた結果出産の機会を逃したかもしれません(50代:その他の働き方)

しゅふJOB総研 研究顧問 川上敬太郎氏は、アンケートの結果をふまえ、「結婚や出産を経ると女性は家庭と仕事との両立に悩まされるが、家庭と仕事の両立は夫婦共通の悩みであるはず。しかし現状では、家庭と仕事の両立という悩みが女性に偏っているようだ」と分析しています。

また、状況を完全する鍵は「職場では家庭と両立できる仕事を増やすこと、家庭では家庭と仕事を両立する悩みを夫婦で分かち合うこと」だとしています。

【調査概要】
調査手法:インターネットリサーチ(無記名式)
有効回答者数:557名 ※女性のみ
調査実施日:1月12日(水)~1月19日(水)まで
調査対象者:ビースタイル スマートキャリア登録者/求人サイト『しゅふJOB』登録者
※「しゅふJOB総合研究所調べ」

(マイナビ子育て編集部)

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

PICK UP -PR-

関連記事 RELATED ARTICLE

新着記事 LATEST ARTICLE

PICK UP -PR-