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2021年11月15日 19:25 更新

「大変な主婦の味方になりたい」『オバサンジャー』作者・グラハム子さんインタビュー【漫画試し読みあり】

子産め婆にモラハラ夫……そんな主婦の敵を浄化してくれる強〜い味方がいたら!? SNSでバズり、マイナビ子育てでも試し読み連載中の『美淑女戦隊 オバサンジャー 困った姑・夫を浄化する!?』(グラハム子・作/KADOKAWA)。『オバサンジャー』誕生秘話や作品への思いについて 作者のグラハム子さんにインタビューしました。

グラハム子さん

漫画家。1980年代生まれ。武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業。卒業後は公立中学校で美術教師として働き、結婚を機に退職。夫と2人の子どもと暮らしながら、SNSで育児絵日記を投稿を続けている。

Twitter @gura_hamuco
Instagram gura_hamuco

作者・グラハム子さんに聞く、「オバサンジャー」誕生秘話

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――「オバサンジャー」を描こうと思ったきっかけを教えてください。

この話を思い付いたのは、当時幼稚園児だった我が子と、戦隊ヒーローのアニメを見ていたときです。戦隊ヒーローって、一般市民がとつぜん敵に襲われて、それをサッと救ってくれますよね。そんなヒーローが私の身近な現実にもいたらなぁ……と考えたのがきっかけです。

例えば、子どもたちがまだ赤ちゃんだった頃、散歩に行くと結構な頻度で年配の方が話しかけてくれました。それは良いのですが、その中でも高確率で聞かれていたのは「母乳?ミルク?」でした。正直に「混合です」と答えると、「母乳のほうがいいのに……」と言われたり、中にはちょっとお説教的なことをされたこともあります。


――それは困ってしまいますね……。

でも、たまたま散歩中に会ってちょっと話しただけの方に言い返すのも大人げないので、そういうときはいつも聞き流していました。大人になると、このように日常でモヤッとすることがあっても、大抵の場合は穏便に済ませてしまいまよね。
現実世界で言い返すことはなかなか難しいですが、漫画の世界であれば思いっきりやり返せます。そんなスカッとして、笑えて、でもベースは現実的な作品にしようと思いました。

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――オバサンジャーの3人は同じ主婦でもそれぞれバックグラウンドや年代が違う個性豊かな面々ですが、キャラクターづくりで意識したことやこだわった点はありますか?

同じ主婦でもそれぞれの立場や状況によっても意見は変わってくると思います。なるべく多くの視点を作りたいと考えて、3人のキャラクターをつくりました。
主人公のグリーンは、晩婚で共働きをしているアニメが好きな兼業主婦で、子どもはいません。
ピンクは若い頃に結婚していて、小さな子どもがいて、元ヤン気質。パープルは、二人の子どもはすでに巣立って夫と二人暮らし、ずっと専業主婦でした。
3人とも立場や状況は違いますが、「オバサンジャー」は大変な思いをしている主婦の味方になりたいと思って作ったお話なので、みんな主婦という点は共通しています。



――孫を催促する「子産め婆」や、他人の子どもにかわいそうと連発する「かわいそう爺婆」など、主婦なら「あるある!」と共感するお話が多いのも本作品の特徴ですね。その中でも、グラハム子さんが思い入れのあるお話はありますか?

どれもSNSのフォロワーさんの悩みから生まれた話ですし、一生懸命書いたので、どのお話も思い入れはありますが、どれかひとつ選ぶとしたらアレルギーの回(本書第2話「アレルギーは治る婆、現る」)です。
アレルギーの回はSNSに投稿したところ、多くの方から反響をいただきました。たくさんのメディアで取り上げてもらい、それを見た読者の方からまたコメントをいただいたことで、「オバサンジャー」を何作も描き続けることができたのかなと思っています。
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――たしかに、アレルギーの回がきっかけで「オバサンジャー」を知った読者も多いと思います。この回が多くの反響を呼んだことについて、どう感じられましたか?

実際にアレルギーのあるお子さんがいて、こういう思いをしたことのある方がたくさんいるんだなと思いました。子どもにアレルギーがあると伝えても「今の人は神経質に育てすぎ」と言われてしまったり、中には「ちょっとくらい大丈夫」「耐性がつけば治る」と、勝手に孫に食べさせてしまう人がいるというのは悲しいし、危ないことだと感じます。ここまでくると、本当に「敵」とも言えてしまいますよね。

昔は今ほどアレルギーが認知されていなかったと思うので、昔の価値観のまま過ごしている方だと、なかなか理解しづらいのかもしれません。

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――最後に、困った姑・夫と戦っている方に向けてメッセージをお願いします。

戦隊ヒーロー・ヒロインって、主人公は若者のことがほとんどです。そりゃ若者のほうが絵面も良いし、エネルギーもあるし、当然だと思います。

でも、私は自分が30代になって子どもを産んで、「今のほうが若いときよりもずっと精神的には強くなった」と感じています。
若い頃のような体力はないけれど、年齢と経験を重ねたからこそ得たものもたくさんあります。『人はいつからだって輝ける』そんな想いをこのオバサンジャーに込めました。

実は私が漫画家になりたい!と思ったのは30歳を過ぎてからです。それまでは別の仕事をしていました。
歳を重ねて、自分が本当に好きなこと、やってみたいことが分かってきた気がします。今までは自分で選択したとはいえ、やっぱりどこか世間や他人を気にしていたり、自分の心に反することをやっていた気がします。でも、歳を重ねたことで良い意味でいろいろと吹っ切れ、図太くなり、本当の意味で「自分が良いと思うことをしたい」と思えるようになりました。

それは単に職業や趣味の話ではなくて、例えば「悪口は言いたくない」とか「睡眠時間を確保したい」とか「整頓できた部屋に住みたい」「なるべく笑顔で過ごしたい」とか、一つ一つをとってみれば些細なことです。その中の一つに、「心の折り合いがつく生き方をしたい」というものがあります。
オバサンジャーに出てくるような、なかなか価値観が合わない人とは、自分の心の折り合いがつく方法で付き合っていけばいいと、私は思っています。

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『美淑女戦隊 オバサンジャー』の試し読み連載中!

マイナビ子育てでは、グラハム子・作『美淑女戦隊 オバサンジャー』(KADOKAWA)の第1話、第2話を試し読み連載中!

第1回はこちら
【漫画】#1 帰宅早々、姑からの小言攻撃! そんなピンチに救世主現る『美淑女戦隊 オバサンジャー』

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日々の生活の中で、姑や夫の言動にモヤモヤさせられていませんか?

姑や夫に悩まされている主婦やママの強い味方が「美淑女戦隊 オバサンジャー」!

子育て中の漫画家・グラハム子さんによる、
主婦やママなら共感間違いなしの社会派(?)ハートフル・コメディーです。

「子産め婆」や「食物アレルギーは気のせい婆」と化した姑や、
「お袋に悪気はない」と言い切る夫にイライラが募るばかり。

オバ・パープル、オバ・ピンク、オバ・グリーンのオバサンジャー3人衆が、
主婦やママに代わって困った姑や夫をスカッと浄化してくれます!

(マイナビ子育て編集部)

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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