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2022年02月28日 10:53 更新

ひな祭りはいつ・どう祝う? 女の子の節句の由来・意味と祝い方

3月3日は、女の子の成長を祝う桃の節句「ひな祭り」です。ひな人形を飾り、ちらし寿司や白酒などでお祝いをします。人形飾りや食べ物のひとつひとつに大切な意味や由来のある、ひな祭りの行事についてくわしくご紹介します。意味を知って、子どもにも話してあげたいですね。

ひな祭りはなんのお祝い?

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ひな祭りは、女の子の健やかな成長を祝い、今後の健康を願う日本の伝統的な行事です。「桃の節句」とも呼ばれ、毎年3月3日にお祝いをします。2022年も2023年も、3月3日ですよ。

厄払いの節句が桃の節句に

日本には、五節句と呼ばれる季節の節句が5つあります。季節の変わり目である、1月、3月、5月、7月、9月の奇数月にそれぞれ行事があります。

ひな祭りは、3月3日の上巳(じょうし)の節句にあたります。上巳とは、中国の陰陽五行説にもとづいた暦のうえで、3月の最初の巳(み)の日という意味です。

もともと中国では、上巳の節句に厄払いの行事をおこなっていました。水辺に集まって宴会を開き、日常の穢れ(けがれ)を祓う(はらう)禊(みそぎ)をおこなっていたのです。

日本にも、病気や災厄を紙で作った人形(ひとがた)にうつして川に流し、病魔を祓う風習がありました。また、こうした風習とは別に、幼い女の子がお人形で遊ぶ「ひいな遊び」という遊びも存在していました。時代が進むにつれ、人形はだんだんと豪華なものになっていきます。

江戸時代に入ると幕府が五節句を定め、それぞれの節句にお祝いの行事をおこなうようになりました。これが契機となって、3月3日に豪華なひな人形を飾り、厄を祓い、女の子の成長を祝う桃の節句の風習が定着していったのです。

ひな祭りにすること①ひな人形を飾る

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ひな祭りには、女の子の健康を願ってひな人形を飾ります。

ひな人形の種類

ひな人形は、もとは公家の文化であった「ひいな遊び」の人形が元といわれています。武家社会に嫁ぐ公家の女性が、嫁入り道具として、ひな人形を美しくしつらえることが慣例になりました。

江戸時代には、宮中の雅な文化にあこがれた庶民が、宮中を模したひな人形を飾るようになっていきます。

ひな人形の基本は、男女一対の「内裏雛(だいりびな)」です。童謡の歌詞に「お内裏様とおひなさま」という一節があるため勘違いしてしまいますが、ふたつの人形をまとめて「内裏雛」と呼びます。

「内裏雛」は別名「親王」とも呼ばれ、男女一対のひな人形のみの飾りを「親王飾り」といいます。

そのほか、階段状の台に従者の人形を飾るものを「段飾り」といい、人形の数によってひな壇が増えていきます。三段飾り、七段飾りなどがあります。

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飾られる人形は次の4種類で、総勢13人です。

三人官女(さんにんかんにょ・かんじょ)…身の回りのお世話をする女性。それぞれ「銚子」「三方」「長柄銚子」を持つ

五人囃子(ごにんばやし)…元服前の少年たちによる楽隊。謡、笛、太鼓を担当。

随人(ずいじん)…右大臣と左大臣。親王を守る老若の武官。

仕丁(しちょう)…宮中の雑用係。3名。


人形の作りとしては、人形に衣装を着せかける「衣裳着(いしょうぎ)人形」と、人形本体に溝を掘って布をあてていく「木目込(きめこみ)人形」があります。

ほかに、地方によっては「吊るし雛」を飾る地域もあります。現代では、住まいにあわせたコンパクトなものや、タペストリーのように壁に飾る平面的なひな人形も人気です。

ひな人形を飾る時期としまう時期

ひな人形を飾る時期もしまう時期も、絶対の決まりはありません。ただ、せっかくの人形を短期間しか飾らないのはもったいないですね。飾る時期は、2月初旬の立春のころを目安にしましょう。

ひな人形をしまう時期も、3月の中旬ごろを目安にしておくとよいでしょう。天気のよい晴れた日にすると、ひな人形のコンディションを保てます。ただ、地域によっては、「ひな人形をしまうのが遅れると婚期が遅れる」と、3月3日が終わるとすぐに片付けるべきとすることもあるようです。

ひな人形の上手な保管の仕方

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ひな人形の保管場所は、直射日光があたらない風通しのよい場所を選びましょう。湿気は大敵です。押し入れの天袋に保管するご家庭も多いと思いますが、湿気取りの容器を置くなどして湿気対策をお忘れなく。

しまう際は、できれば布製の手袋をはめて、人形の顔や衣装には直接さわらないようにしましょう。ほこりは羽はたきなどでサッとはらいます。

防虫剤は、人形用のものを用意してください。衣服用の防虫剤は、人形の衣装の金糸銀糸に反応してしまう場合があります。

収納は人形がもともと入っていた箱がベストです。人形の顔には、覆いをしておきましょう。

ひな祭りにすること②お祝いの料理を食べる

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ひな祭りには、お祝いの料理を用意しましょう。一般的なメニューをご紹介します。

ちらし寿司

ひな祭りのお祝い料理のメインはちらし寿司です。茹でたエビや錦糸卵、絹さやなどをのせて、華やかな春らしい色あいに仕上げれば、目にもうれしいごちそうになります。

ひな祭りにちらし寿司を食べるようになった理由には所説あります。もともとは、フナなどの魚を発酵させた「なれ寿司」を食べていたものが、後年になり、具を混ぜこんだ「バラ寿司」に変化し、より豪華なちらし寿司になったという説が一般的なようです。

現代では、丸い型を利用して押し寿司のように仕上げるケーキ型のちらし寿司も人気があります。

先を見通せるように「れんこん」、まめに暮らせるように「豆」などの縁起のよい食材を使ってみましょう。

はまぐりのお吸い物

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はまぐりは、春が旬の2枚貝です。平安時代は「貝合わせ」という遊びに使われていました。対になる貝殻だけがぴったりと合い、ほかの組み合わせではズレてしまうことから、仲睦まじい夫婦の象徴とされています。

はまぐりと昆布の出汁のみで上品に仕上げます。茹でた菜の花を添えても春らしい彩りです。

白酒

白酒は、みりんにもち米と米糀(こめこうじ)をあわせて発酵させたものです。中国の上巳の節句が日本に伝わったとき、中国で厄除けの力があるとされていた桃の花をお酒に浮かべて飲む習慣ができました。桃の花の美しさを引き立てるためには、白いお酒がよいということで、白酒が用意されるようになったのです。

白酒はれっきとしたお酒なので、子どもは飲めません。子どもたちには、アルコールを含まない甘酒を用意してあげましょう。ただ、味には好き嫌いがありますから、無理に飲ませる必要はありません。

ひし餅

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ひし餅は、植物の菱(ひし)に由来します。菱は繁殖力が旺盛で、繁栄の象徴です。赤は魔除け、白は子孫繁栄、緑は厄除けを意味しています。それぞれ、桃の花、冬の白い雪、芽吹く新芽をイメージさせる、春らしい配色のお餅ですね。

ひし餅は家庭でも作れます。上新粉と白玉粉を合わせ、食用色素を練りこんで四角い型に重ねて蒸し器で蒸したあと、菱型に切って完成です。

ひなあられ

ひなあられは、ひし餅を砕いて揚げ、食べやすいようにしたものです。お砂糖をまぶして甘くしたあられは、おひな様にもお供えします。西日本では、しょっぱい味付けのものもあるようです。

まとめ

ひな祭りは、女の子の成長を祝う日本の行事です。ひな人形を飾ってお祝いの食事をして、家族やお友達と楽しい時間を過ごしましょう。子どもに着物を着せてあげたり、家族写真を撮ったりするのもよい記念になりますよ。

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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