ウール製品の縮みを元に戻す裏技と正しい洗濯方法
ニットなどのウール製品は洗濯方法が難しいため、失敗して縮ませてしまったという経験がある方も多いはず。そこで今回は、縮みが生じてしまったウール製品を元に戻す裏技を特集。正しい洗濯方法とあわせてご紹介します。
縮んでしまったウール製品を元に戻す裏技
ヘアリンスやトリートメントで洗う方法
ウール製品の縮みを元に戻す手軽な方法としておすすめなのが、ヘアリンスやトリートメントを使って洗濯する方法です。一般的なヘアリンスやトリートメントには、キューティクルを守る成分が配合されています。
ウール製品の繊維をコーティングし、縮みの原因となる絡まりをほどき、元通りにしてくれるというわけです。とくにおすすめなのが、ジメチコンやアモジメチコンなどを配合したヘアリンスやトリートメント。
洗濯の手順は以下の通りです。
1. 洗濯したいウール製品が浸かる程度の洗面器などを用意し、ぬるま湯(30度ぐらい)をはって、いつも髪に使用しているぐらいの量のトリートメントを入れてよくかき混ぜます。
2. ウール製品を浸します。
3. 2時間ほどおいたらすすぎをせずそのまま脱水してください。
4. 手で形を整えてから陰干し。型崩れを防ぐため、ハンガーにかけずに平干しするのがおすすめです。
5. 半乾きになったら、スチームアイロンで蒸気をあてながら、元の寸法になるまでやさしく生地を引っ張って伸ばしてください。
段ボールで作った型に合わせる方法
段ボールで型を作って、縮みを解消する方法もあります。
1. セーターの形にあわせて、本来の寸法よりもほんの少し(数センチ程度)大きく段ボールを切り出します。元の大きさがわからない場合は、他の洋服にあわせるとよいでしょう。水を含んだウール製品をかぶせるので、丈夫な厚手の段ボールをご用意ください。
2. ウール製品が浸かるぐらいの洗面器や桶を用意し、ぬるま湯(30度ぐらい)とトリートメント(髪に使用するぐらいの量)を入れてよくかき混ぜます。
3. そのまま2時間ほど浸けおきし、すすぎをせずに洗濯ネットに入れて脱水にかけてください(1分程度)。
4. 脱水を終えたウール製品を、先ほどの段ボールの型にかぶせて平干しします。軽く引っ張られる状態になるので、裾をクリップなどで留めておきましょう。
5. 水分が半分ぐらい乾燥したら、クリップを外してください。クリップの跡がついているはずですので、スチームアイロンで蒸気をあてて消してください。
ウール製品の縮みを防止する裏技
常温の水で洗濯する
ウール製品の縮みを防ぐには、常温の水を使用するのがよいでしょう。20度から30度が適温とされ、それ以上低くても高くても縮みやすくなるといわれています。
ウールの繊維は人の髪と同じようにうろこ状になっているのが特徴。お湯や冷たい水を含ませてしまうと、表面の組織が逆立ち、絡みあいやすくなってしまうためです。
そのため、普段のお洗濯に浴槽のお湯を使っているという方は、ウール製品を洗う場合に限っては水道水を使うようにするとよいでしょう。残り湯を使うと、皮脂汚れなどがウールの繊維に入り込み、雑菌が繁殖する原因になるともいわれています。
なお、ウール製品を洗濯する場合はおしゃれ着洗い用の中性洗剤を使用します。
脱水はタオルに挟んで
ウール製品を脱水する際は、できればバスタオルなど大きめのタオルで挟んで水分を吸わせるのが理想的。毛玉や型崩れの原因になるので、かたく絞るのは避けたいところです。
洗濯機を使用する際は必ず洗濯ネットを使用し、時間は30秒ほど、長くても1分までとしてください。
日陰で平干しする
干し方も縮みに大きく影響します。ウール製品は日陰に干すのがルールです。日照時間が短い季節などは、屋外に干したくなってしまいがちですが、ウール製品に直射日光をあてるのは厳禁。水分が蒸発する際に、繊維が色落ちしたり変色したりする可能性があるからです。必ず日陰もしくは室内に干すようにしてください。
すでに取り上げた通り、ウール製品は平干しするのが鉄則です。机などに広げて乾かしてもOKですが、そんなスペースがないという方は、平干し用の物干し網が販売されていますので試してみてはいかがでしょうか。普段は畳んで収納しておける省スペースタイプや、一度にたくさん干せるような大容量タイプまでいろいろあります。
まとめ
洗濯を失敗して縮んでしまったウール製品も、ちょっとした一手間で元通りにすることができます。打つ手なしとあきらめて捨ててしまう前に、ぜひ一度お試しください。縮みを防ぐ洗濯方法も取り入れてみてくださいね。