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2024年03月23日 06:16 更新

登山ガイドママに聞く【親子登山】準備編! 何歳から山登りできる? 安藤さんインタビュー#2

少しずつ暖かな日が増えてきて清々しい気持ちになる季節、親子で登山に挑戦してみたいという人さんもいるでしょう。でも、子連れで山登りはハードルが高い気も……。ましてや、自分も登山未経験であれば、なおのこと不安も多いですよね。

日本山岳ガイド協会認定登山ガイドで2人の男子の母でもある安藤真由子さんにアウトドアの楽しみ方や親子登山についてお聞きする本シリーズ(全3回)。

前回の「親子でアウトドアスタート」に続き、第2回となる今回は「親子で登山、どう準備するか」についてお聞きします。

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お話をしてくださった方
安藤 真由子さん
(低酸素シニアトレーナー、日本山岳ガイド協会認定登山ガイド)

子どもと山登り、どんな準備が必要?

―― 初めてのアウトドアとして、山登りに行ってみるご家庭も多いと思います。
山登りをするなら、どんな準備が必要ですか?


安藤真由子さん(以下、安藤) 公園なら自由に手を放して遊ばせていいんですけど、山では野放しじゃいけないところもあるので、公園よりも少しハードルが高くなる気がしますよね。

なので、これから登山にチャレンジするならば、まずはいつもより少し長い距離を歩いてみるといいでしょう。例えば、幼稚園や保育園から歩いて帰るとか、休日に映画見に行きたいって言われたら映画館まで歩くとか。

そして歩いている最中、少し危ない場所では手をつないだり、「なぜ危ないか」を伝えたりします。そうしていくうちに、普段手をつなぎたがらない子どもも「こういうときは手をつなぐんだ」とわかったり、危険箇所を理解できたりします。

初めての山登りの前にたくさん歩こう! 普段の暮らしで転ぶのも大切

※画像はイメージです

―― 危険を避ける方法を知ることも大事ですね!

安藤 そうですね。ただ、普段の生活で転んでいたら転び方がすごく上手になるし、受け身を取れれば大きなケガにつながりにくくなる。

確かに、小さなころは身体に対して頭が重いから、高い山ではヘルメットをつけさせるべきでしょう。ですが、普段の生活では、泥道を走っていてすべって転ぶ、地面の出っ張りに足を取られて尻餅をつくなど、細かな失敗を重ねて体の動かし方を覚えていきます。なので、日常生活で子どもを全てのリスクから離そうとしなくていいと私は思います。

―― 良かれと思って、子どもの環境を整えすぎるのも考えものなんですね……。

経験がないため、危ない場所に足を踏み出してしまう高校生も

※画像はイメージです

安藤 ガイドとしてアウトドア未経験の高校生と学校登山に行くと、「ここに足を置いたら石が崩れる」とかがわからなくて、危ない場所に足を踏み込んでしまうことがあります。そういう子はそれまで舗装道路しか歩いたことがなかったりします。

また、高校生は体力があるから危ないところを避けなくてもそのままガツガツ進めてしまう。そのせいで、体にとても負担がかかる歩き方になることもよくあります。

小さいうちに普段から砂利道とか土手とか、舗装されていないところを歩き、山に連れていって「どこに足を置けばいいか」「どう足を進めると負担がないか」を経験しておけば、「どこが危ないのか」「どこに足を置けばいいか」という感覚が育ちます。だから山に行くのは小さなころから始めるのがいいと思いますよ。

子どもの登山、何歳でデビューできる?

―― 初めての登山、抱っこはせずに子ども自身で歩いてもらうとしたら、何歳くらいからがおすすめでしょうか?

初めての登山は5~6歳以上から。子どものモチベーションをあげて行こう

自身は、長男が10カ月のときに夫と3人で登ったのが親子登山のスタートという安藤さん。その後も各地の山を子どもとともに楽しんでいる。(画像:安藤真由子さん提供)

安藤 おすすめは、年長さんくらいからですね。このころから歩きがしっかりしてきます。

4歳くらいで登山をする子もいますが、このころは体力差が大きいんです。5~6歳になれば、ほとんどの子は歩きがしっかりしてきます。

あとは小学生になるとかなり大人の言ったことが伝わるようになって、注意もわかってもらいやすいですね。小学校高学年になると、大人が真剣になって「危ない」と伝えたら、わかると思います。

―― 行く前に親が子どもにしておいた方がいいことはありますか?

安藤 子どものモチベーションを上げるといいかなって思います。キャンプと同じで、山の写真を見て気持ちを盛り上げた方が子どもも乗り気になります。

あと、子どもの安全や子どもの快適ばかりが気になるけれど、保護者の方も元気じゃないと山から連れて帰れません。

安藤さん
安藤真由子さん

安藤 山では子ども以上に大人が荷物を持つことにもなるので、親は体力をつけておきましょう。子どもの安全を守るためにも、親もしっかり足を鍛えておいてほしい。

家の周りをウォーキングしたり、買い物に行く時は歩いて行ったり。親が子どもよりも先にバテないように体力づくりをしておきたいですね。

(解説:安藤 真由子、取材・文:大崎典子)

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