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2023年06月25日 08:00 更新

物価上昇も新たな不安材料に?老後が心配な世帯が約8割に上る、年金では厳しい場合も約4割

食品や生活用品の値上げが続き、今の生活もなかなか余裕がないなか、果たして老後はどうなるのか、不安をもつ家庭も多いのではないでしょうか。家計の金融行動を定期的に調査している金融広報中央委員会が発表したデータを見ても、人々の老後への不安が浮き彫りになっています。

家計の金融行動に関する世論調査

金融広報中央委員会は、金融に関する知識や判断力を身につけることの大切さを広報するため、世論調査を実施しています。「家計の金融行動に関する世論調査2022年」(二人以上世帯調査)を見ると、老後の生活を心配する人が多いことがわかりました。

老後への不安はある?年金は?

物価高や低賃金など、今の家計を考えると老後が不安だという人は少なくないかもしれません。実際、金融広報中央委員会が行った調査でも、そうした世相を反映するような結果が出ています。

約8割が老後の生活を心配している

老後の生活への心配

※調査の方法の変更から 2019年~2021年のデータは不連続であることに注意

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査2022年(二人以上世帯調査)」より

老後の生活への心配があるか、という設問の結果を見ると、「非常に心配である」と回答した人が39.5%、「多少心配である」が39.0%、「それほど心配していない」が21.5%となっています。

「非常に心配である」と「多少心配である」を合わせると、約8割の人が老後を心配していることがわかります。

老後心配している理由のトップは資産がないから

老後の生活を心配している理由(複数回答)

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査2022年(二人以上世帯調査)」より

老後の生活を心配している理由を聞いたところ、「十分な金融資産がないから」を68.0%の人が選び、最も多い理由となりました。次いで「年金や保険が十分ではないから」が52.1%、「生活の見通しが立たないほど物価が上昇することがあり得ると考えられるから」が36.2%となっています。

全体的には前年と変わらない結果ですが、ひとつ違いが表われているのは物価上昇への心配です。食品や生活用品の値上げを目の当たりにし、物価上昇による支出の増加を不安視する人が増えたことが想像されます。

過半数は年金で生活費をまかなえるが…

年金に対する考え方

※調査の方法の変更から 2019年~2021年のデータは不連続であることに注意

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査2022年(二人以上世帯調査)」より

老後の資金源の大きな1つは年金でしょう。しかし、少子高齢化の影響で支給額が引き下げられるなど、年金への不安を感じてしまう状況でもあります。

年金について、53.4%と半数以上の人は「ゆとりはないが、日常生活費程度はまかなえる」と回答した一方、「日常生活費程度もまかなうのが難しい」人も38.6%います。

年金だけでは日常生活も難しいという世帯が決して少なくないといえます。ある程度のゆとりを持つためには、やはり年金以外に何らかの金融資産を準備しておくことが必要だとうかがわれます。

まとめ

老後の生活に関して、二人以上の世帯の約8割が不安を感じていることがわかる結果でした。また、心配している理由としては、資産や年金が十分でないこと、物価高騰の影響が上位に。特に物価の上昇は世界経済の影響もあるため、いつ起こるかも一般の人にはわかりにくいものです。暮らしに対する先行きの見えない不安を示すアンケート結果となりました。

(マイナビ子育て編集部)

※画像はイメージです

調査概要

■家計の金融行動に関する世論調査2022年(二人以上世帯調査)/金融広報中央委員会
調査地域:全国
調査対象:世帯主が20歳以上80歳未満で世帯員が2名以上である世帯
調査時期:2022年6月24日~7月6日
有効回答数:5,000サンプル(男性4,364名/女性636名)

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