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2023年10月25日 06:28 更新

【中学受験の学校選び】学校の傾向と特徴を見定める7つのポイント|しあわせな中学受験にするために知っておきたいこと

学校を選ぶときに保護者の皆さんが気になるのは、やはり偏差値と大学合格実績でしょうか。たしかに、これらは学校を数字で表すわかりやすい指標です。しかし、それよりも注目してほしいのが、学校の理念とそれに基づいた教育内容や校風の面。教育ジャーナリスト・中曽根陽子さんが、偏差値だけではない「学校選び」のポイントをお教えします。

偏差値だけではない「学校選び」のポイント

学校選びではどこを見ればいいのでしょうか?

まず気をつけたいのは、過去の常識で判断しないことです。
偏差値も長い目で比較してみると、ずいぶん上がっている学校もあれば、反対に下がっている学校もあります。
また、かつて女子校だった学校が共学になり、教育内容もガラッと変わっているなど、親世代とはまるっきり内容が変わっている可能性が高いのです。

特に初めて学校選びをする方は、先入観を捨てて、ゼロベースで学校をみてみましょう。

通学可能な範囲の学校から、比較できる学校をリストアップする

まずは、通学可能な範囲のなかで、お子さんの今の偏差値の上下10くらいの幅でいくつか気になる学校をリストアップしてみましょう。

そのなかに、意識的に大学付属校・進学校・伝統校・新しい学校(リニューアルした学校も含む)、共学と別学というように対比できる学校を入れると、違いがよくわかります。

そして、実際学校に足を運ぶ前に、学校のホームページをチェックします。
教育理念や学校長の挨拶に目を通し、具体的にどんな教育を行っているのかをみておきます。
ここまでが予行演習です。

リストアップするときは、あまり目先のことにとらわれすぎないようにするのがポイントです。

なぜなら、子ども達が大人になったときに、社会は私たちの予測を超えて変わっているかもしれず、そのときに、どんな能力が必要とされているか、我々にはわからないからです。
目先のことだけにとらわれていると、本当の価値を見過ごすことにもなりかねません。

だからこそ、スキルだけでなく、どんな事態にも対できる力を身につけて置くことが重要だと私は思います。
人を育てるうえで変わらない本質を見失わず、時代の変化を敏感に捉えて進化している学校を選んでほしいのです。
その本質を示している部分が、教育理念や学校長の挨拶なのです。

学校選びの7つのポイントを活用して、学校を比較してみる

学校ごとに力を入れているところもさまざまなので、漠然とみていると何を基準に選べばいいのかわからなくなってきますね。

そこで今回は、私が考える学校選びの7つのポイントを紹介します。

“1歩先いく” 中学校選び 7つのポイント

(1)校風を見る
 →面倒みの良さか、自主性尊重か

(2)カリキュラムを見極める
 →受験科目重視型か、リベラルアーツ型か

(3)探究型の学習に取り組んでいるか

(4)体系的なキャリア教育を行なっているか

(5)課外活動(部活や行事、体験学習)を重視しているか

(6)グローバル化に対応しているか

(7)特徴ある教育を行なっているか

これらのチェックは主観で構いません。学校説明会など実際に足を運び、それぞれのポイントをチェックしてみましょう。

(1)と(2)は、学校の傾向を判断するためのポイント
です。

たとえば、受験科目に重点を置き、中学生から学習習慣を身につけさせて、大学合格のための力をきちんと身につけさせてくれる学校(下記グラフのA校)もあれば、自主性を尊重して受験科目に特化せず、どの教科も幅広く学ぶことで自立心のある生徒を育てようという学校(下記グラフのB校)もあります。

2軸で考えると、横軸が1の校風、縦軸が2のカリキュラムです。
志望校がどのような方向を向いて教育を行なっているのかを大枠で捉えることができます。

実際にいくつかの学校をみていくと、もしかしたら一定の傾向が現れるかもしれません。

その場合、親の好みを反映していることが多いので、もし偏りがあるならば、あえて対照的な学校を見に行ってみるといいでしょう。新たな気づきがあるかもしれません。

(3)~(6)は各学校の特徴を知るためのポイントです。

いずれも、これから社会が向かう方向を見据えたときに、欠かせない取り組みです。
それぞれの項目に当てはまる取り組みがあるかという視点で、教育内容を分類してみてください。

(7)は、その学校 “ならでは” の特徴を知るためのポイントです。

私学にはそれぞれの理念があり、それを実現するために、独自のプログラムを持っています。
宗教のある・なしなど、学校の成り立ちによっても違いがあります。

たとえば、茶道や礼法を必修にして伝統文化に触れる機会をつくっているとか、柔道や剣道など武道を必修にして心身を鍛えているとか、私学ならではの特徴的な取り組みがあるかをチェックします。

家庭の考え方や子どものタイプに合うかをよく見極める

このアセスメント(評価)を利用することで、その学校が何に力を入れているのか、教育への考え方が見えてくると思います。
また、同じ指標でチェックしていくことで、学校ごとの違いをより捉えやすくなります。

志望校がそれぞれの項目でどのような対応をしているか、あるいはしていないのか。皆さんの目で確かめてグラフに落とし込んでみてください。
そして、どの環境がよりお子さんの力を引き出すことができそうか、お子さんのタイプや家庭の考え方によって総合的に判断をしてください。

納得する学校選びをするためには、ある程度時間が必要です。
できるだけ時間に余裕のある4、5年生の間に学校選びを開始しておくと、6年生になって慌てずにすみます。

中学受験ナビの連載『しあわせな中学受験にするために知っておきたいこと』の記事を、マイナビ子育て編集部が再編集のうえで掲載しています。元の記事はコチラ

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