放置するだけでベルベットの光沢を蘇らせる裏技! お手入れ方法
ベルベットはなめらかな手触りで光沢が美しいのが特徴ですが、お手入れが難しくツヤがなくなってしまうこともあります。そこで今回は、ベルベットの光沢を復活させる裏技をご紹介します。自宅でできる簡単な方法なので、ぜひ参考にしてください。
ベルベットってどんな素材?
ベルベットの特徴
ベルベットとは毛足の長い柔らかな織物のことで、絹やレーヨンなどで作られています。美しい光沢があるのが特徴的で、なめらかな手触りをしているためドレスやコート、ワンピースなど、フォーマルなシーンで着用する衣類に用いられます。
ベルベットとよく似た織物に「別珍」や「ベロア」がありますが、素材や特徴が異なります。別珍はベルベットよりも毛足が短く、光沢感はやや落ち着いています。水に強いですが、綿やポリエステルでできているため手触りは硬めです。
ベロアは布表面に細かい毛が生えた布生地のことです。布表面の毛足をカットしてベルベッドのように毛羽を表面に出したものや、ベロア仕上げを施した紡毛織物を指します。見た目はベルベットと似ていますが、明確な定義はないため見た目や手触りだけでベロアと呼ぶケースもあります。
ベルベットは取扱いが難しい?
ベルベットは水や圧力に弱く、他の布生地や織物に比べて取扱いが難しいと言われています。少量でも水に濡れるとパイルが倒れて、手触りのよさや光沢感が損なわれます。雨に濡れると毛足の倒れやシミができる恐れがあるので、すぐに乾いた布で拭き取る必要があり、普段使いには向きません。
また、体重や汗、体温などに影響を受けて風合いが変わることもあり、長時間座っているとズボンやスカートのお尻部分の毛足がすぐ傷んでしまうこともあります。
繰り返しの摩擦によってパイルが剥がれることもあり、ズボンの膝裏やスカートの腰付近、上着の裾などは傷みやすいです。
構造上シミ抜きをすることもできないので、ベルベット素材の衣類は毎日着用するものではなく、パーティなどのフォーマルシーンで着用するものと考えておいたほうがいいでしょう。
ただし、長期間たたんだまま放置すると衣類の圧力によって毛が倒れることもあります。できるだけハンガーに吊るした状態での保管が望ましいです。
ベルベットの光沢を蘇らせる手入れの裏技
ベルベットは圧力によって、毛足が倒れることで光沢感がなくなってしまいます。クリーニングに出さなくても毛足を立てるケアをしてあげれば、強い光沢が蘇ります。
バスルームに干しておく
シワがついて光沢がなくなってしまったベルベットは、バスルームに一晩干しましょう。お風呂の湯気でシワが伸び、毛足が自然に立ち上がります。水滴がついてしまうと生地が傷んでしまうので、ハンガーにかけて落ちないよう工夫してください。
バスルームに干した翌日は風通しのいい場所で乾かし、ブラッシングします。面倒でも着用した都度バスルームに干すとシワが簡単に伸び、美しい光沢感を長く維持できます。
スチームアイロンをあてる
ベルベットの毛足がすっかり寝てしまった、変な癖がついてしまったというときは、スチームアイロンをあててください。アイロンでプレスしてしまうと熱と圧力の影響を受けて生地が傷んでしまいますが、スチームアイロンの蒸気だけであれば毛足が立ち上がってふんわりとした手触りが蘇ります。
蒸気をあてるときは、生地から1cmほど離してください。ハンガーに吊ったままあてると、作業しやすいです。スチームをあてた後はハンガーに吊ったまま5~10分ほど放置し、丁寧にブラッシングしましょう。
カジュアルなベルベットは家庭で洗濯できる?
ベルベットは水に弱いので基本的に家庭で洗濯することはできませんが、カジュアルなシーンで着用するクラッシュタイプであればお手入れできます。
クラッシュタイプについて
ベルベットのクラッシュタイプとは、生地表面の毛足を倒して模様をつけたものです。通常のベルベットをクラッシュ加工すると独特の模様がつき、カジュアルでクールな雰囲気になります。そのため、フォーマルシーンではなく普段使い用のアイテムに多いです。
通常のベルベット生地が好きな方は、洗濯してしまうと風合いが変わってしまうため家庭での洗濯は避けてください。
ベルベットの洗濯方法
ベルベットを家庭で洗うときは、つけ置き洗いが最適です。洗面器に水と中性洗剤を入れて混ぜ、軽くたたんだ状態のベルベットの衣類を浸します。あまり時間を置かずに軽くつけ置き洗いをしたら、洗濯機に入れて2、3分脱水してください。最後はハンガーにかけて自然乾燥させます。生地の傷みを防ぐため、乾燥機は使用しないでください。
まとめ
ベルベットはバスルームの湯気やスチームアイロンの蒸気をあてると、シワが伸びて毛足が立ち上がり、光沢が蘇ります。毛足がつぶれてしまったり、シワが目立つベルベットには、ぜひ今回ご紹介した裏技を試してみてください。