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2021年01月24日 13:00 更新

【知育】ダイアロジック・リーディングとは?『ハーバードで学んだ最高の読み聞かせ』Vol.2

ハーバード大学をはじめ、アメリカの大学で長年研究されてきた「ダイアロジック・リーディング」。その手法について紹介した書籍、『思考力 読解力 伝える力が伸びる ハーバードで学んだ最高の読み聞かせ』(かんき出版)より、子どもの能力を伸ばす絵本読み聞かせメソッドを抜粋してご紹介します。

子どもの思考とことばを伸ばす、“新しい読み聞かせ”とは?

Lazy dummy
アメリカでは、1970年代から、絵本を読み聞かせる場面で、親子がどのようなやりとりをしているかの研究が進められています。
ただ読む、聞くというだけでなく、それ以外のことばをやりとりすることがさまざまな効果を持つことが検証されてきたのです。

その流れのなかで、ニューヨーク州立大学のグローバー・ホワイトハースト博士らの研究チームが開発し、提唱した読み聞かせの方法が、本書のテーマである「ダイア ロジック・リーディング(Dialogic Reading)です。

私はこのダイアロジック・リーディングに出合ってから、自らの研究でも使ってきました。帰国後は国内での普及活動もしてきました。
2016年に、日本テレビの『世界一受けたい授業』という番組に出演させていただいたことで認知度が少し高まりましたが、まだまだ日本では「ダイアロジック」ということばが市民権を得るまでは普及していません。

私がダイアロジック・リーディングに魅了された理由は、この手法が子どもの「言語能力」や「考える力」「伝える力」「読解力」などを効率的に伸ばせるだけではなく、本書の冒頭で上げた従来的な読み聞かせのメリット(5大理由)をさらに高めることができるからです。
すなわち……
このように、ダイアロジック・リーディングは、子どものさまざまな能力を伸ばすために、大きな効果を発揮します。
しかも、そのために必要なのは絵本だけ。高い教材も必要ありませんし、能力開発の教室に通う必要もありません。
やり方さえ覚えてしまえば、いつでもどこでも、今日からでも試すことができます。
事実、ホワイトハースト博士らの研究では、ダイアロジック・リーディングで読み聞かせをしてもらった子どもたちは、一般的な読み聞かせをしてもらった子どもよりも、言語発達テストで明らかに優位な結果が出ています。
この研究は、ニューヨーク、テネシー、メキシコなど多様な地域、そして、家庭、幼稚園、保育園などさまざまな環境、そして、貧困家庭から裕福な家庭まで、いろいろな家庭環境の子どもたちに協力してもらいましたが、すべての環境下で同じ結果が出ています。

次の章からは、ダイアロジック・リーディングとはどのようなメソッドなのか、そしてどのように実践すればいいのかを詳しく説明していきましょう。

次回の内容は……?

「ダイアロジック・リーディングの基本は4種類のやり取り」についてお届けします!

書籍『思考力・読解力・伝える力が伸びる ハーバードで学んだ最高の読み聞かせ』について

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(2021/01/06 時点)

いつもしている絵本の読み聞かせに、「親子でやり取りをすること」をプラスするだけで、子どもの能力が飛躍的に伸びる「ダイアロジック・リーディング」について解説した本。子ども自身が情報を読み解き、自分で考え、その考えを相手に論理立てて主張する力を育てます。効果を最大化する工夫やコツのほかに、「この絵本では、こういう問いかけをするといい」といった具体例も紹介されているので、忙しいパパ・ママでもすぐに実践できるのがポイントです。

(文:加藤 映子『思考力・読解力・伝える力が伸びる ハーバードで学んだ最高の読み聞かせ』(かんき出版)より一部抜粋/加筆修正マイナビ子育て編集部)

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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