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2023年07月06日 11:19 更新

新入社員のハラスメント理解度を調査、該当する行為を正しく選べた人は「パワハラ」で65%、「セクハラ」では37%

ダイヤモンド・コンサルティングオフィスは、2023年4月に入社した会社員280名(男性130名:女性150名)を対象に、23卒新入社員のハラスメントに関する意識調査を実施しました。

「ハラスメント」の理解度を調査

2022年4月より、すべての事業主を対象にパワハラ防止措置が義務化されています。今回、ダイヤモンド・コンサルティングオフィスでは、23年度の新入社員が「ハラスメント」についてどう捉えているのかを調査しています。

新入社員の9割以上が「パワハラ」「セクハラ」を認知していると回答

新入社員のハラスメント理解度を調査
新入社員のハラスメント理解度を調査

まず、「ハラスメント」という言葉を聞いた経験(n=280)について質問したところ、「ある」が91.2%と高い割合に。内容までよく理解しているハラスメントの項目として、「セクハラ」「パワハラ」が9割以上を占める結果となりました。

新入社員のハラスメント理解度を調査

また、「ハラスメント」という言葉を聞いたことがある人の約7割が「職場でのハラスメント防止策が、法律上、企業に実施する義務があること」も知っており、ハラスメントに関して、多くの人への認知が進んでいる実態が明らかになりました。

パワハラに当てはまると思うシチュエーションは?

認知が高かった「パワハラ」と「セクハラ」について、具体的なシチュエーションを提示し、ハラスメントと感じるかどうかを聞きました。

新入社員のハラスメント理解度を調査

職場で「パワハラ」だと感じるシチュエーション(n=280)として、「ミスしたときに、『こんなこともできないなら、小学生からやり直せ!』と怒鳴られた」が65.0%、「仕事ができないことを理由に、今月末で自主退職をしろと指示された」が61.1%と2トップに。

実際にハラスメントに該当するのか、ハラスメント対策専門家としての見解も交えて伝えると、前者は、繰り返せばパワハラに該当しますが、後者においては、これだけの内容では直ちにパワハラに該当するとは言えません。

以降の項目はどれもパワハラには当てはまらず、正しいパワハラの理解がされているとは言えない結果となりました。

<正しい「パワハラ」アンサー|弁護士監修>

・ミスしたときに、「こんなこともできないなら、小学生からやり直せ!」と怒鳴られた
→繰り返せばパワハラに該当する

・仕事ができないことを理由に、今月末で自主退職をしろと指示された
→これだけではパワハラには該当しない

・同僚の前で(みんなの見ている前で)上司から、遅刻したことを叱られた
→これだけではパワハラには該当しない

・経験のない難しい仕事をするように指示された
→パワハラには該当しない

・リモートワークの予定だったのに、前日になって出社するように命じられた
→パワハラには該当しない

・毎日忙しいのに、上司から新しいプロジェクトにも参加するように命令された
→これだけではパワハラには該当しない

・自分が苦手に感じる仕事を命じられた
→パワハラには該当しない

・自宅からリモート会議に参加した際、顔を映すように(カメラオンにするように)指示された
→パワハラには該当しない

セクハラに当てはまると思うシチュエーションは?

新入社員のハラスメント理解度を調査

一方、「セクハラ」だと感じるシチュエーション(n=280)については、「体をじろじろと見られた」が58.2%、「上司から2人きりで食事に誘われた」が39.3%という結果が出ました。

しかし、どちらもこれだけでは「セクハラ」には該当しません。結果として、Q2で9割以上が理解していると回答した2つのハラスメントに対しても、誤った理解をしていることが判明しました。

<正しい「セクハラ」アンサー|弁護士監修>

・体をじろじろと見られた
→これだけではセクハラには該当しない

・上司から2人きりで食事に誘われた
→これだけではセクハラには該当しない

・飲み会の席で交際経験を質問された
→セクハラに該当する

・肩に「ポン」と手を置かれた
→これだけではセクハラには該当しない

・懇親会で、上司の恋愛体験談を聞かされた
→卑猥な内容であればセクハラに該当する

・髪を切った翌日、「髪切ったんだね」と先輩から言われた
→セクハラには該当しない

・「その服よく似合うね」と嫌いな先輩から言われた
→セクハラには該当しない

また、仮に自分がハラスメント被害に遭った場合のとるべき対応について(n=280)も5割超が、「あまり知らない」と回答しています。

新入社員のハラスメント理解度を調査

約半数が勤務先で「ハラスメント」に関する研修を受けた経験や予定がない

新入社員のハラスメント理解度を調査

これらを裏付けるように、お勤め先での「ハラスメント」に関する研修について(n=280)は、約5割が「ない」と回答しています。

ハラスメントに対し、“理解しているつもり”の人が9割を超えている一方で、正しくハラスメントのシチュエーションを回答できた人は「パワハラ」で65.0%、「セクハラ」で37.1%に留まっています。

このことから、ハラスメント研修が十分でない状態のままでは、上司は業務上正しい指導がしにくく、会社全体の成長にも影響することが懸念されます。

調査概要

調査概要:23卒新入社員のハラスメントに関する意識調査
調査方法:IDEATECHが提供するリサーチPR「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
調査期間:2023年5月25日〜同年6月9日
有効回答:2023年4月に入社した会社員280名(男性130名:女性150名)
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。

ダイヤモンド・コンサルティングオフィス
https://diamond-c.co.jp/message.html

(マイナビ子育て編集部)

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