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2022年12月13日 13:57 更新

いちじくは食べ方に注意が必要? 食べ過ぎリスクや1日の適量を解説【管理栄養士監修】

いちじくはそのままではもちろん、スイーツに使われたり、ワインに合うおつまみになったり、色々な食べ方ができます。イチジクジャムやドライフルーツもおいしいですね。特に旬の時期には食べる機会が増えるでしょう。そこで気になるのが食べ過ぎても大丈夫かということですよね。いちじくの食べ過ぎのリスクや適量についてお伝えします。

いちじくにはどんな栄養がある?

生いちじく カット

いちじくは夏と秋に旬を迎える果物です。プチプチとした食感がおいしいですが、栄養面にはどのような特徴があるのでしょうか。

水溶性食物繊維ペクチン|整腸作用など

いちじくには食物繊維が豊富に含まれています。ペクチンなどの水溶性食物繊維が0.7g、不溶性食物繊維が1.2gと、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維のバランスが良いことが特徴です[*1]。食物繊維はさまざまな食品に含まれますが、水溶性食物繊維より不溶性食物繊維の割合が高いものが多く、水溶性食物繊維の方が摂りにくいと言えます。いちじくは両方を適度に含んでいる点がメリットです。

食物繊維には整腸作用があるため便秘の改善に効果があるほか、特に水溶性食物繊維にはコレステロールを低下させる作用も期待されています[*2]。

カリウム|高血圧やむくみの予防

ふくらはぎ むくみ

生のいちじくには100gあたり170mg、乾燥したいちじくには100gあたり840mgのカリウムが含まれています[*1]。その他の身近な果物と比べるといちじくのカリウム量は多めです。

<主な果物のカリウムの量>(100gあたり)
バナナ…360mg
いちじく…170mg
いちご…170mg
みかん…150mg
梨…140mg
スイカ……120mg
りんご(皮なし)…120mg

カリウムは体内のナトリウム(塩分)を排泄する働きがあります。塩分の摂り過ぎによる高血圧や、そこからつながる動脈硬化というリスクを考えると、日頃から積極的に摂りたい栄養素です。また、塩分を摂り過ぎるとむくみも生じやすいため、カリウムを日頃から摂ることがむくみの予防にもよいといえるでしょう。

フィシン|たんぱく質の消化を助ける酵素

いちじくにはフィシンという成分が含まれますが、フィシンはたんぱく質分解酵素の1つであるため、肉や魚などの消化を助ける働きがあります。

肉料理にいちじくのソースなどが使用されていることがありますが、これはいちじくの消化を助ける働きをうまく取り入れていると言えるでしょう。また、いちじくの果汁を肉にもみこんでおくと、フィシンの作用で肉を柔らかくすることもできますね。

いちじくを食べ過ぎるとどうなる?

いちじく たくさん

こうしたいちじくの効果を期待したり、いちじくが大好きなためにたくさん食べたくなる人もいるかもしれません。では、いちじくを食べ過ぎてしまうと、どんな心配があるのでしょうか?

便秘や下痢を起こしやすくなる

食物繊維は適量を水分と共に摂取することで便秘解消効果を発揮しますが、摂り過ぎてしまうと、かえって便秘や下痢、腹痛の原因になることがあります。なかでも、いちじくに含まれるペクチンなどの水溶性食物繊維は、水に溶けてゼリー状になる性質があり便を柔らかくしますが、たくさん摂り過ぎると下痢を誘発してしまうかもしれません。

カロリーの摂り過ぎ

ドライいちじく

生のいちじくと乾燥いちじくでは同じ重さでもかなりカロリーが異なります。生のいちじくは100gあたり57kcal、糖質11g(※)とそれほど多くありませんが、乾燥いちじくは水分が抜ける分、100gあたり272kcal、糖質は62.7gと、カロリーや糖質量も濃縮されています[*1]。そのため、乾燥いちじくを食べ過ぎると太ってしまう可能性があります。乾燥いちじくはカサも減っていて食べやすく、手軽につまめることもあり、カロリーや糖質の過剰摂取になりやすいです。食べ過ぎには注意したいですね。

※ここでの「糖質」の値は日本食品標準成分表2020年版(八訂)における「単糖当量」の値を指す

アレルギー症状が出ることも

いちじくを食べた後にくちびるの腫れや口の中やのどにイガイガ感を覚えることがある場合は、アレルギー症状の場合があります。口腔アレルギーは花粉症症状がある人によくみられます。食べ過ぎたからといって必ず症状が出るわけではありませんが、気になる症状がみられた場合は医療機関を受診するようにしましょう。

何個ぐらい食べてよい? いちじくの1日の目安量

いちじく ヨーグルト

食べ過ぎのリスクを心配せずにいちじくを食べるためには、1日どのくらいを目安にするのがちょうどよいのでしょうか?

適量の目安|1日3個まで

健康な食生活のための食事の組み合わせを示した「食事バランスガイド」では、1日の果物の摂取目安量を2つ(SV※)としています[*3]。1つ(SV)あたりが100g程度なので、2つ(SV)=200gだと生いちじくで2、3個ほどが1日の目安となります。いちじくだけでなく他の果物も食べるなら、いちじくは1、2個にするなど、場合によって量を調整しましょう。

乾燥いちじくの場合は2~3個(20g程度)が目安です。水分が抜けて軽くなっているので、生の果物と同様に100gを基準にするカロリーが高くなってしまいます。注意しましょう。

※SVとはサービング(食事の提供量の単位)の略

その他の果物についてはこちらをチェック!

いちじくの保存方法・賞味期限は?

最後にいちじくの保存方法をお伝えします。果物の種類によって常温か冷蔵か、迷う人も多いかと思います。いちじくに適した保存方法はどのようなものでしょうか。

冷蔵庫の野菜室で保存

いちじくは実が柔らかく傷みやすい果物です。購入後は冷蔵庫の野菜室などに保存し、なるべく早く食べるようにしましょう。冷凍保存もできます。冷凍保存の場合は1ヶ月程度が目安です。

ジャムなどに加工して保存してもOK

いちじくのジャムづくり

生のいちじくは痛みやすいためなるべく早く食べるほうがいいのですが、食べ切れないという場合は、ジャムやコンポートに加工してから保存するのも1つです。粗熱をとったら冷蔵保存します。生のいちじくよりは日持ちがしますが、作り方や保存方法によって保存可能な期間は異なるので、やはり数日内に食べ切るようにしましょう。それが難しそうなら冷凍保存がおすすめです。

Lazy dummy

煮沸した容器を使ってしっかり瓶詰の処理(脱気)を行ったジャムは長期保存が可能ですが、慣れていない場合には早めに食べ切るのが安心です。

まとめ

旬の時期にはケーキなどのスイーツとしても楽しめるいちじく。旬の果物には特に栄養も豊富なので上手に取り入れたいですね。ただし、食べ過ぎには注意しましょう。また、乾燥いちじくは季節を問わず楽しめますが、水分が少ないためカロリーが高くなります。食べる量を調整して楽しみましょう。

(文:宗政祥子 先生/監修:川口由美子 先生)

※画像はイメージです

「カロリー」という表記について
本来は「エネルギー」と呼びますが、本記事では一般的になじみのある「カロリー」と表記しています。

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、管理栄養士の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

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