助産師解説｜母乳パッドの代用に使えるものと注意点＜体験談＞

先輩ママに、母乳パッドを何か別のもので代用したことがあるかどうか聞きました。

母乳パッド以外のもので母乳のもれを防いだことがある人は、今回のアンケートでは回答者の2割ほどという結果でした。

最近は、さまざまな製品が市販されているので、購入して使用する人が増えているのかもしれませんね。

※マイナビ子育て調べ 　調査期間：2021年12月6日～2021年12月14日　調査人数：88人（21歳～40歳以上の女性）
※ここで紹介した方法と結果は、個人の体験によるものです。記載の方法を推奨したり、結果を保証するものではありません。

母乳パッドの代用品を使ったことがある人に、どうして使おうと思ったのか、その理由も聞きました。

母乳パッドの代わりに使えそうなものと、使う場合の注意点を解説します。

「生理用ナプキン」を、母乳パッドの代わりとして使ってみた人も結構いるようです。実は、使い捨てタイプの母乳パッドと生理用ナプキンは、ともに不織布でポリマーなどの吸水素材を包んでいるつくりで、構造や材質がかなり似ています。

ただ、形はだいぶ異なるので、生理用ナプキンで乳首の周囲をうまくカバーするのはちょっと大変かもしれません。

もし生理用ナプキンで代用するなら、清潔に保管されたものを使うようにしましょう。

乳房とブラジャーの間にちょうど良い大きさの「タオルやハンカチ、ガーゼなど」を挟み、母乳パッドの代わりに使うこともできます。

ただ、厚手のものにすると、しみこんだ母乳を使用後に落とすのがちょっと大変かもしれません。

母乳は、赤ちゃんの成長を支えるために、「炭水化物（糖）」「脂質」「たんぱく質」などの栄養を豊富に含んでいます。これらの成分がタオルにしみこみ洗濯で落としきれないと、雑菌が繁殖するもとになってしまいます。

とくに洗濯で落としきれなかった「たんぱく質」は、雑菌を増やし、嫌な臭いが出たり、カビが生えたりする原因にもなります。

たんぱく質の汚れは時間が経つと落ちにくくなります。また、熱湯をかけるとたんぱく質が変性してかえって汚れが落ちにくくなるので、母乳で汚れたタオルは「ぬるま湯ですぐ洗う」のがベスト。

また、重曹などアルカリ性の洗剤を併せて使うと、たんぱく質汚れは落ちやすくなります。

母乳パッドでも代用品でも、母乳のもれを防ぐときには注意したいことがあります。

母乳は栄養豊富。そのうえ乳房や乳首は人肌で温かいので、母乳パッドにしても代用品にしても雑菌が増えやすいものです。できるだけこまめに交換するようにしましょう。

市販の使い捨てタイプの母乳パッドは、3～4時間ごとの授乳時を目安に交換したほうが良いと言われています。

母乳パッドや代用品を使っていて、もし、以下のような症状があったら「乳腺炎」の可能性があるので、医療機関を受診してください。

上記のような症状まではないけれど、乳首に痛みなどがある場合、自分でできる対処法には

などがあります。

でも、実は授乳中に起こる痛みなどの乳首トラブルは、「赤ちゃんのおっぱいの飲み方」や「抱っこの仕方」が不適切なことが原因のことも多いのです。

この場合、いくら乳首のケアをしていても授乳方法が変わらない限り、またこうしたトラブルを起こす可能性があります。

ですから、乳腺炎の心配はなさそうでも、乳首や乳房に心配な点があるなら、一度、助産院などの母乳の専門家に相談したほうが早く解決するかもしれません。

母乳育児を始めるときに気になる、「母乳パッドは別のものを代わりに使えるのか」を解説しました。母乳が服や下着にもれ出るのを防ぐことができれば良いので、別のもので代用することも可能ですが、母乳パッドでもその代用品でも、おっぱいに当てるなら「清潔なものをこまめに交換する」のが大切です。

もし、授乳中に乳首や乳房の異変が気になったら、ひとりで解決するよりも助産師などの専門家に相談したほうが早く解決することもあります。自分に合った方法で母乳のもれを防ぎながら、わからないことは専門家に相談して、快適な授乳ライフを楽しんでくださいね！

（文：坂田陽子先生／構成：マイナビ子育て編集部）

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※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます