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2021年06月26日 20:22 更新

離乳食のフレンチトースト〜献立、あげる時期、注意点、保存方法も伝授!【管理栄養士監修】

甘くてしっとりしたフレンチトースト、皆さんも一度は食べたことがあるのではないでしょうか。子育て中のお母さんたちにも栄養バランスがよいので、おすすめです。たくさん作って離乳食にも使えたらとっても便利ですよね。どうしたら赤ちゃんも一緒に食べられるか、ちょっとアレンジも効かせたレシピと一緒にご紹介します。

離乳食のフレンチトーストはいつから大丈夫?

フレンチトーストは、日本では朝ごはんに食べる家庭が多いかもしれませんね。一般的なレシピで調理したフレンチトーストを赤ちゃんにあげる場合は、まずは時期をよく見極めることが大切です。

1歳以降、卵焼きを食べられてからを目安に

卵焼きを食べる赤ちゃん

フレンチトーストは卵と牛乳を撹拌した卵液にパンをくぐらせ、バターを熱したフライパンでこんがりと焼いて作ります。

パンの材料である小麦や牛乳、そしてフレンチトーストに使う鶏卵はいずれも3大アレルゲンともいわれ食物アレルギーを引き起こしやすい食品に該当するため、注意が必要です。

卵は、加熱の時間と温度に伴ってアレルギーの強さが変わります。フレンチトーストは、パンに浸した卵液の中の方までしっかり加熱できるかがわからないため、かたゆで卵だけではなく、卵焼きなどのレシピを約1個分ほどが食べられるようになってからあげてみましょう。卵焼きよりも加熱が弱い可能性がありますので、最初はたくさんあげすぎないほうがいいでしょう。

心配な場合は、卵黄だけでも

卵はおおまかに卵黄と卵白に分けられますが、そのうち卵白のアレルゲンに反応することが多いといわれています。

もし、卵焼きなどは食べられてもフレンチトーストは心配だなと思ったら、最初は生の状態で卵黄のみを卵液として使ってもいいでしょう。この状態で取り出した卵黄には多少の卵白は含んでいますが、卵白の量を減らすことはできます。

離乳食フレンチトーストの注意点

フレンチトースト

前述のとおり、フレンチトーストはアレルギーが一番気になるポイントになると思いますが、それ以外にも赤ちゃんの体の発育状態、食べやすさ、トッピングのなどで注意する点がいくつかあります。

離乳食の進み具合に応じて少しずつ食べさせる

離乳食の基本の考え方として、“母乳やミルクから食物摂取へ少しずつ移行する過程”であり、食べることに慣れていくことが最も大切です。そのため、フレンチトーストを食べられるようになることが目標ではないので、赤ちゃんが受け入れなかった場合に焦る必要はありません。少しずつ「気に入って食べてくれているかな?」と、楽しみ程度に構えていきましょう。

また、一番心配されるのは食物アレルギーの発症ですので、最初だけでも医療機関の受診が可能な時間にあげられるといいでしょう。

卵&牛乳のアレルギーに注意

親子で作るフレンチトースト

さきほどご説明のとおり、フレンチトーストは中のほうの卵がしっかり加熱されないことも予想されますので、卵アレルギーには注意が必要です。
鶏卵は、生や半熟状態ではアレルギーを引き起こす力が強いため、初めて与える場合には電子レンジの短時間加熱は不向きでしょう。電子レンジ活用の目安は鶏卵1個を食べてもアレルギーの発症がみられないことが確認されてから、時期でいうと1歳以降と覚えておくと良いですね。

また、卵だけではなく牛乳アレルギーにも注意が必要です。牛乳そのものだけでなく牛乳から作られる製品も当てはまることを忘れないようにしましょう。身近な食品でいうとヨーグルト、チーズ、バター、生クリームなどがあります。牛乳・乳製品は、加熱や発酵処理をしてもアレルギーを起こす力はほとんど変わらないのでアレルギーが心配される場合には、豆乳などに置き換えて作ってみましょう。

離乳食の時期に応じてかたさや材料を変える

食パンの耳
離乳食のフレンチトーストでは、かたい食パンの耳は使わない

食パンは耳の部分がかたく、赤ちゃんはとても飲み込みづらいので、離乳食では必ず耳を切り落とすようにしましょう。

離乳中期(7〜8ヶ月ごろ)から離乳後期(9〜11ヶ月ごろ)にかけては1枚を6等分の長方形にしたものが食べやすいでしょう。離乳完了期には手づかみ食べが始まるころなので、赤ちゃんが持ちやすいようスティック状にすると良いですね。

なお、バターロールは耳を切り落とす手間が省けるのでとても使いやすいですが、食パンに比べて油脂の含有量が多いので、バターロールを使うのは食パンである程度慣れてからの方が安心です。

はちみつを使う場合は1歳を過ぎてから!

フレンチトーストのトッピングにはちみつを使う方は多いですよね。しかし、乳児ボツリヌス症候群の危険性があるため、1歳未満の赤ちゃんにははちみつをあげてはいけません

はちみつに含まれるボツリヌス菌の芽胞は熱に強いので、通常の加熱や調理では対策できません。また1歳をすぎても体調にもよるので、1歳半ごろまでは具合が悪い時などはあげないほうが安心です。

簡単でおいしい離乳食フレンチトーストの献立(完了期〜)

フレンチトーストの作り方

基本のフレンチトーストの作り方を覚えてしまえば、あとはとっても簡単! アレルギー対応のものや栄養バランス重視のものなど、アレンジを効かせやすいのも魅力的ですね。

簡単! シンプルフレンチトースト

アレルギー発症歴がなく、他のメニューで全卵1個を使える状態であることが卵を使ったフレンチトーストを赤ちゃんに与えられる1つの目安です。前述のとおり、電子レンジは加熱が不十分であるため、最初はフライパンなどの調理器具を使って加熱をするのがおすすめです。

材料(作りやすい分量)

・A(卵 1個、牛乳 100ml)
・食パン(耳なし) 60g
・バター 5g

作り方

① Aを混ぜ合わせて卵液を作り、食パンを漬け込む
② フライパンにバターを溶かし、①の片面をこんがりきつね色になるまでしっかり焼く
③ ひっくり返して反対側も同様に焼いて、できあがり

アレンジ① 卵なしの豆乳フレンチトースト

豆乳

牛乳アレルギーがある場合は上記基本の材料の牛乳を無調整豆乳に置き換えて調理することが可能です。卵アレルギーもある場合は卵ものぞいてシンプルな材料とし、バナナ、りんご、いちごなどのフルーツで甘味と彩りをプラスしてみるのもいいかもしれませんね。

アレンジ② きな粉&バナナのフレンチトースト

きな粉

トッピングのアレンジ次第でいつものレシピに一工夫が簡単にできるのもフレンチトーストの魅力ですよね! きな粉は卵液に加えても、できあがったフレンチトーストにふりかけてもOKなので、赤ちゃんの食べやすさに応じて使ってみましょう。

離乳完了期に近づいてくると食べられる量が増えてくるので、バナナのトッピングをプラスするだけでボリュームも栄養バランスもぐっとアップしますね。

アレンジ③ かわりフレンチトースト 

野菜ジュース

ちょっと変わったフレンチトーストにチャレンジするなら、牛乳を野菜ジュースやトマトジュースに置き換えてみてはどうでしょうか。簡単にイタリアンな雰囲気に早変わりしますよ。
ジュースは食塩や砂糖が加えられているものは離乳食に不向きなので、食塩・砂糖不使用のものを選び、味付けの調整はお家でするようにしましょう。

離乳食フレンチトーストの保存方法

フライパンでフレンチトーストを焼くパパ

保存方法の基本の考え方は食パンと同じです。冷凍や解凍調理もラクラクなのでたくさんストックして忙しい時の便利メニューとして活用していきましょう。

冷凍保存は加熱してから!

フレンチトーストは、まとめてたくさん作っておきましょう。できあがったフレンチトーストを1つずつラップで包んで保存袋に入れ、空気をできるだけ抜いて冷凍すれば1ヶ月保存可能です。

解凍の方法

フレンチトーストを解凍する時は、凍ったままトースターで焼くことによって水分が保たれておいしく焼きあがります。自然解凍すると解凍しているときに水分が逃げてしまいます。

まとめ

フレンチトーストを食べる赤ちゃん

お母さんたちにとって大変な子育ての一息に、甘いフレンチトーストが大活躍しそうですね。赤ちゃん用レシピに食材を足せば、お母さんも手軽に栄養をとることができます。また、赤ちゃんには食べやすくなるような工夫をしてあげましょう。アレンジしやすいメニューなので、基本レシピを参考にしてオリジナルのフレンチトーストを作ってみてくださいね。

(文:関水芳江 先生、監修:川口由美子 先生)

※画像はイメージです

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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