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2022年04月05日 16:43 更新

ママ友カーストの本当にあった怖い話! どう決まる? 対処法は?

「ママ友カースト」とはママ友たちのグループの中で、階級制度のように強固な上下関係ができてしまっていることをいいます。いびつな人間関係だと思いつつ、子どもにも影響を及ぼすかもしれないと思うと、周囲に習うしかないと耐えているママも多い様子。教育研究家の平川裕貴さんが、ママ友カーストの実例やパターン、対処法を解説します。

ママ友カーストとは?

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ママ友カーストだなんてドラマの話だと思っていたら、夫の収入や仕事などでママ友間に歴然と存在する格差に愕然……こんなとき、どう振る舞えばいいのでしょう?

ママ友カーストとは、ママ友グループのなかで生まれた上下の階級のこと。幼稚園や小学校など、母親が大勢集まるような環境でグループができ、何かをきっかけに上下関係ができてしまうということです。

もともと、カーストというのは、ヒンズー教で決められている身分制度のことで、ピラミッド型に階級が決められています。

ママ友カーストは何が問題なの?

グループができること自体は、別に珍しいことではありません。恐らく皆さんの学生時代にも、気の合った子たちとグループができたという経験はあるでしょう。

ただ、グループ内でいつもボス的に振る舞う子や、いつも使い走りさせられる子が出てきたりということがあれば、問題です。

ママ友グループでも同じことです。グループ内で上下関係が固定すると、グループ内での人間関係のバランスが崩れ、不満が出てきたり、ひどい場合はママ友いじめのような状態になって、気の合う楽しい集まりではなくなってしまうのです。

単なる仲のよい人たちの集まりではなく、上下関係のマウンティングがされるようになってしまったら、ママ友カースト状態と言えるでしょう。ここでは、マウンティングとは、グループ内に上下関係があることを前提に、「自分の方が上だ」とアピールする行為のことです。

ママ友カーストは何で決まる?

ママ友カーストの上下は、多くの場合、本人の実力や魅力ではなくて、夫によって決まることが多いです。

夫の学歴、職業、地位、年収で決まるママ友カースト

医者、弁護士、経営者、官僚、大企業の管理職などの夫は、学歴も高く年収も多いと判断され、ママもカーストの上位とされることが多いです。

社宅などでは、会社での夫の立場がはっきり見えてしまうので、夫の立場でママの序列も決まってしまうことがあります。競争意識の高い幼稚園や学校のママ友の間では、ボスママに夫の職業や年収を聞かれ、その時点でマウンティングがはじまるという話も聞きます。

住んでいる地域や家で決まるママ友カースト

たとえば東京であれば港区、目黒区、渋谷区など、住環境のよい地域は地価も高くなるので、一戸建てやマンションの値段も必然的に高くなります。さらにそういう世帯を狙った店が出店してきますから、物価も高くなります。

それゆえ、ある程度の年収がないと住めません。年収が高い人には高学歴の人、競争意識が高い人も多く、ママ友カーストが生まれがちです。

また、持ち家か賃貸かでもマウンティングされたりします。

乗っている車で決まるママ友カースト

車はすぐ目につくものですし、ある程度、価格帯がわかります。また、持っているだけで税金もかかりますし、ガソリン代や車検代など維持費もバカになりません。経済的にある程度の余裕がないと持てません。

ベントレー、ポルシェ、ベンツなど、価格も維持費も高い外車や、複数台持っているというようなことから、ママ友カーストのマウンティングがはじまることがあります。

ファッションで決まるママ友カースト

これも目につくものですから、ママ友カーストの判断材料にされやすいです。服や靴やバッグなどブランドものを持っているかどうか、それらを着こなせているかなどで、セレブかどうかが判断されます。

スタイルがよくて、お化粧やファッションが華やかな人が、ボスママになることが多いようです。ある意味、憧れの存在というわけでしょう。

子どもの幼稚園や学校やお稽古ごと

夫によって決まることの多いママ友カーストですが、なかには、子どもが通う幼稚園や学校によってマウンティングされることもあるようです。

有名幼稚園、小学校に通わせていることや、費用のかかるお稽古ごとに通わせていることが、ママ友カーストの判断材料になることもあります。

ママ友カースト 実際にあった怖い話

では実際、どのようなママ友カーストがあるのでしょうか?

これまでに聞いた実際の話をいくつかご紹介しましょう。

セレブママのママ友カーストで最下層の召し使い扱いに耐えきれず……

容子さん(仮名、32歳)の娘が通った幼稚園は、都内でもセレブママが多いことで有名でした。

地方出身だった容子さんには、東京への憧れがありました。そのため、娘の幼稚園で目立っていたママグループの人に誘われたときは、嬉しくてすぐに参加しました。でも、もともと性格的に穏やかでおとなしい容子さんは、そのグループに参加したことをすぐに後悔することに……。

容子さんがグループで一番年下だったこともあって、ランチ会をすると言っては、会場の手配をさせられ、ボスママとそのご機嫌を取る取り巻きママにこき使われました。

いつも地味で目立たない服装だった容子さんは、ブランドもので着飾ったママ友たちに、まるで召使いのように扱われたのです。言葉使いこそ「〜してくださる?」と丁寧でしたが、明らかに見下されているのを感じていました。

ある日、思いきって、そのグループの集まりへの参加を断ったら、翌日からそのグループの人たちから露骨に無視されることに!

陰で悪口を言われていることにも気づき、結局、娘を転園させる決断をするまで追いこまれてしまいました。

タワマン内のママ友カーストで共働きは格下扱い……

貴美子さん(仮名、38歳)は、都内で夫とともに公務員としてフルタイムで働きながら、小学生の子ども二人を育てていました。二人で貯めたお金で念願のタワーマンションを購入。上層階は無理でしたが、中層階の上の方で、交通の便もよくなり、優雅なマンションライフを楽しめると夢を膨らませていました。

けれど、そのタワーマンションの最上階にはIT長者の家族が住んでいて、高級外車を2台も所有し、小学生の女の子までブランド物の服や持ち物で着飾っていました。

子どもの小学校が同じだったことから、自然と付き合いが始まりましたが、1階からエレべーターで一緒になると、必ずすぐに奥に行き、「52階お願いします」と貴美子さんにボタンを押させました。

また、共働きの貴美子さんに、「奥様もお仕事しなくてはいけないなんて、たいへんですね」と、それとなく「自分は裕福だから専業主婦でいられるのよ」と自慢しているようでした。

これがタワマンカーストなのだと実感しました。 

海外赴任先でのママ友カースト、英語がきっかけで大逆転!

智子さん(仮名、45歳)は若い頃、夫の海外赴任について、家族でカナダに行きました。当時は景気もよくて、日本の支社を創るということで、何人もの社員が赴任したのです。

英語が得意で留学経験もある智子さんは、海外で何か新しいことを学びたいと、張りきっていました。でも、現実はそう甘くはありませんでした。

初めての海外生活という人も多く、子どもを通わせる学校についてなど、奥さん同志で集まって情報交換ということが多々ありましたが、会社の上司の奥さんには、みんなが気を遣っていました。夫の序列が、そのままママ友たちの序列になっていったのです。

まだ若かった智子さんの夫は、役職のない平社員でしたから、智子さんもママ友カーストの最下層に位置付けされてしまいました。

智子さんは英語ができることから、トップにいるボスママから何かにつけて呼び出され、当然のように通訳を頼まれたり、書類の作成を頼まれたりして、自分の時間がほとんど取れないような状態が続きました。

けれど、そうこうするうちに、立場が逆転し始めます。

智子さんが学校行事などで通訳をすることが多くなると、学校の先生から、智子さんが中心になって決めてくれと依頼されることが多くなったのです。先生からの伝達は智子さんに伝えられ、智子さんからみんなに伝えるということになって、みんなが智子さんを頼りにするようになりました。いつの間にか智子さんがボス的存在になったのです。

智子さんは、自分がされたような、相手を見下す横柄な態度は決して取るまいと決意しました。

智子さんは、新しいことを学ぶことはできなかったけれど、自分のより年上の人たちからも頼りにされ、そういう人たちをまとめなければならないという経験ができたことは、大きな収穫だったと、今では思っています。

ママ友カーストのボスママにもタイプがある?

ママ友カーストに悩まされている人もたくさんいるようですが、一口にボスママと言っても、姉御タイプや女王様タイプなどいろいろな人がいます。

こんなボスママなら歓迎、なんていうグループもあるかもしれません。リーダーシップのあるボスママがいることは、必ずしもグループにとってデメリットばかりとは限らないからです。

慕われるボスママとは?

・気さくで面倒見がよい
・人脈が豊富で、必要に応じて適切な人を紹介してくれる
・情報量が多くて、いつも新しくて有意義な情報を伝えてくれる
・社会経験も豊富で、困ったときは相談に乗ってくれる
・謙虚で自分の地位や立場をひけらかさない
・話術が巧みで話が面白いが人の悪口は言わない
・グループ内の違う意見もうまくまとめてくれる

こんなボスはなかなかいないでしょうが、一つ当てはまるだけでも、いいボスかもしれませんね。

関わりたくないボスママとは?

・自分の実力ではなく、夫の経済力や地位を自慢する
・自分の都合だけで何でも決める
・誰に対しても上下関係を気にする
・いつも偉そうに人に指図する
・人のあら捜しをしては誹謗中傷する
・その場にいない人の悪口を言う

こういうボスは、一つでも当てはまれば、できるだけ早く離れる方がいいでしょう。

ママ友カーストに巻きこまれないために

では、ママ友カーストに、巻きこまれないためにはどうしたらいいでしょうか?

子どもの幼稚園や学校、お稽古ごとの付き合いなら、ママである自分がそこにいる理由は、子どもに学ばせることですね。ママ友を見つけることや、ママ友グループに入ることが目的ではありません。

ですからママの役目は、子どもがそこで楽しく有意義に過ごして、できるだけ多くのことが学べるように、環境を整えてあげることです。

この前提を確認した上で、ママ友との付き合いが、自分や子どもにとってプラスになるかどうかを考えてみましょう。

見きわめるためには、ある程度の時間はかかるかもしれません。その間、ママ友カーストのゴタゴタに巻きこまれないために、気をつけるべきポイントを挙げておきます。次に挙げるポイントに注意しながら、周囲をじっくり観察していきましょう。

自分から挨拶する

同じ幼稚園や学校などの保護者には、しっかり挨拶してください。

気づけば、自分から挨拶しましょう。自分が苦手と思う人にも、分け隔てなく挨拶してください。

挨拶は人付き合いの基本ですし、突っ込まれる隙を作らないことが大切です。

趣旨や目的のはっきりしない集まりには参加しない

自分が参加しなければならない、はっきりした目的がある場合以外のお誘いは、最初のうちは断る方が無難です。

グループでのランチに誘われて参加したら、ボスママがいてプライベートなことを根ほり葉ほり聞かれた、ランチ代がビックリするような値段だった、一度参加したら次のお誘いも断れなくなった、などのトラブルもよく聞きます。

派閥に注意

大人数の園や学校では、派閥ができている可能性もあります。うっかり片方の集まりに参加したら、別のグループの悪口を散々聞かされた。ひどい場合は、ただ「そう?」と相槌を打っていただけなのに、自分が言ったかのように言いふらされ、相手のグループから攻撃されたということもあるようです。

お誘いがあっても、しばらくは距離をおいて様子をみることをおすすめします。

最初から夫の職業や年収を聞いてくる人とは距離を置く

ママ友カーストでのマウンティングの多くが、ママ自身の実力ではなく、夫の職業などに依存していることが多いです。ですから、それほど親しくないうちから、夫の職業や年収などの突っ込んだ質問をしてくる人は、マウンティングをしたがる人かもしれません。

そういう人とは距離を置いた方が無難です。

距離感をもって接する

子どもの幼稚園や学校でのママ友は、接触が多くなりますから、どうしてもそこでのママ友付き合いに気をとられ、執着してしまいがちです。

でも、園にしても学校にしても、一生続く付き合いではありませんから、固執しないで、ある程度の距離感をもって接することをおすすめします。

プライベートなことや相談ごとなどは、本当に親しくなって相手を信頼できるようになってからにしましょう。

付き合いの幅を広げておく

子どもの園や学校以外に、お稽古ごとなどでも、ママ友付き合いがあるでしょう。また、ママ自身の趣味などを通じて、友人ができることもあると思います。

園や学校でのママ友グループだけでなく、他のつながりも大切にしておくことです。
視野を広く持ってください。人とのつながりがたくさんあれば、どこかで嫌なことがあっても、追い込まれずに済みます。

まとめ

人が集まって何かをしようとすると、それが男性であろうと女性であろうと、大人であろうと子どもであろうと、必ずリーダーシップを取る人が現れます。まとめ役というは必ず必要になるからです。

私的なグループの場合はたいてい、それぞれの性格や気質によって自然に決まっていきます。単純に言えば、活発な人とおとなしい人では、役割がちがってくるでしょう。

これは優劣や上下ではなく、単なる役割のちがいです。

このことがはっきりわかっている人たちの集まりであれば、たとえ激論が交わされたとしても、それらは前向きで有意義なものになるはずです。そこに参加することで、自らも成長できるような集まりになります。

もし、会社などではない私的なグループの中でマウンティングされるようなことがあれば、ましてや、特定の誰かとその取り巻きだけが偉そうにし、誰かだけがいつも損な役割をさせられるとしたら、それは健全なグループとは言えません。

ですから、そんなグループに参加するメリットも必要もないのです。

ヒンズー教のカーストは生まれながらに決まっている階級でしたが、日本では、お金を持っているかどうかで、上下の関係が決まってしまいがちな社会になったような気がします。お金がすべてという価値観が幅をきかせているのです。

もし、私たちが「お金を稼いだ者が勝ち」「お金を持っている人が偉い」というような価値観を捨てれば、上下や優劣をつけるママ友カーストなんていうものはなくなるでしょう。

持てる能力や特性がちがうから役割もちがうというだけの、対等な楽しいつながりになっていくのではないでしょうか。

私はそういう世の中になってほしいと心から願いますが、皆さんはどうですか?

(文:平川裕貴/漫画:ぺぷり)

※画像はイメージです

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