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2023年12月03日 07:07 更新

感無量…夫はいつから父になる!?「パパ帰った?」|皆様、本日も家事育児お疲れ様です。#3

5人の男の子を育てながら毎日家事育児に大奮闘する竹田こもちこんぶさんのお家は、毎日がネタの宝庫。“子育ての大変さ”にフォーカスされがちな今、“子育ての魅力”を伝えたい!と、日常に転がる子育ての魅力と面白エピソードを詰め込んだ書籍、『皆様、本日も家事育児お疲れ様です。』(KADOKAWA)からお届けします。

パパ帰った?

▲夫と長男・次男・三男・四男との家族写真(写真:竹田こもちこんぶさん提供)
▲パパと長男・次男・三男・四男との家族写真(写真:竹田こもちこんぶさん提供)

 母親は妊娠・出産という自分の内側から子どもが出てくる経緯があるため、理屈なく親子の関係を結べる気がする。片や自分の身体の外側から誕生した我が子と親子の関係を結ぶ父親には、それなりの時間とコミュニケーションが必要らしい。

 それぞれの身体的な役割が違うため産後の間もない時期は差があるだろうが、親子にとって大事なことは産んだあとのコミュニケーションだと思うから気にすることはない。しかし多くの父親は我が子のあからさまな母親>>>父親という態度に、切なくなった経験があるのではないだろうか。

 とりわけ我が家は外で働く会社勤めの父と、専業主婦で家にいる母という生活が主軸になっており、母と過ごす時間の方が圧倒的に多いせいだろう、よりその傾向が強いようだ。パパのことは間違いなく大好きだし、遊んでもらっている時はママの時よりも子どもたちは楽しそうで笑い声も大きい。

 ところが、寝る前にパパと布団の上でゲラゲラ笑いながら取っ組みあって大興奮で遊んでいたはずの子どもたちが、どういうわけか、さぁ寝ましょうという時間になると、急に全員パパの側からサーっと引いていき、こぞってママの横にピッタリとくっついて寝たがる。しかし、ママの隣のスペースは限定2人のため、兄弟の多い我が家は「ママの隣がいい!」と毎回誰が隣で寝るかでしばらくもめる。

 そしてふと見ると、さっきまでの人気は跡形もなく消え去り、遠く向こうの方で一人寂しくポツネンと布団に横たわる旦那がいるではないか。「パパの隣空いてるよ」と言えば「やだ! ママがいい」と間髪をいれずに口をそろえる子どもたち。

 ママの隣争奪戦を終えた後、戦いに敗れた者だけが渋々移動するというなんとも切ない敗者席と化しているパパの隣。

 そのほかにも歯の仕上げ磨きや、風呂に入る時、着替えなど、子どもたちの身の回りの世話をする時に、しばしばママがいいと言ってパパを困らせる瞬間がある。

 パパとは遊びの関係で心から気を許しているわけではないということなのか。こちらは仕事を分担したいのに子どもが「ママがいい」と言って引かないと、「チッ面倒くせぇ」ってなもんだが、「ママがいい」と逃げ回りながら騒ぐ子どもを相手に世話をする旦那は、逆にどんな気持ちなんだろうかとも思う。

 毎朝7時25分に家を出て会社に向かう旦那を、玄関で「いってらっしゃい」と送り出すのが日課の我が家。子どもたちがそれぞれ2歳くらいまでは玄関まで走っていき「いってらっしゃい」と元気よく送り出していたが、成長と共にパパよりテレビや遊びに夢中になり見送らなくなった。

 そんな中、当時2歳だった三男だけが唯一パパとの別れを惜しみ毎日玄関まで追いかけて健気に送り出していたのだが、ある日、三男が寝過ごしパパが出勤してから目覚めたことがあった。パパがいないことに気がついた三男はこう言ったのである。

「あれ? パパもう帰った?」

 か、帰った……?

 まさに衝撃的な発言。三男はパパの家は別の場所にあって、うちには毎日遊びにきてるだけであって、朝方決まった時間に帰っていくとでも思っていたのだろうか。どうやら彼にとってはパパは家族ではなく、比較的よく遊びにくるおじさんというまさかの他人カテゴリーだったようだ。それほど幼児にとって会社員の父親の昼間の行動が想像しにくいということなのだろう。まぁそんな三男も成長と共に理解していくのだが、やはり母より父の方が身内と認められるにはいくらか時間がかかるらしい。

 そんな我が家も2人、3人、4人と子どもが増えるにつれて、いくらママがいいと言ったところで手が足りないわけで、パパの出番がどんどん増えていく。私も少しずつ外での用事ができ始め、1日家をあける日があるのだが、そうすると旦那が4人の子をまとめて面倒を見るようになる。数年前と比べれば明らかに旦那の子育てのスキルは上がってきているし、間違いなくパパと子どもたちの絆も深まってきている。

 いつだったか、夜中に私の横でせわしなくガサゴソ音がしていたのでふと目を開けると、旦那が一生懸命三男の服を着替えさせていた。まだ寝る時だけはオムツにしている三男だったが、その日はうっかりパンツのまま寝かせてしまったことに気づいた私。でも、起き上がるのがしんどいので、こっそり寝たふりをしていた。

 どうやら大量に漏らしたらしく、旦那は黙々と濡れた布団をベランダに干し、自分の布団を三男の下に敷いてやり、代わりに自分はダイレクトに畳の上でゴロンと寝た。

 その一連の手際の良さや迷いのない対処の仕方は、子どもと過ごす時間が少ないとしても彼が子育てをしているなによりの証拠だったし、「いつの間にかお父さんになっていたんだなぁ」ということを物語っていた。

 今日も今日とてパパは子どもたちの「ママがいいー!」を真正面から食らいながらも、手をかけて子どもの世話をし、地味に子育てと奮闘している。

 そして、父になる。

Lazy dummy

後間もない頃「パタニティブルーって知ってる?」って旦那に聞かれたことがある。「そんな言葉あんの?」って笑っちゃったけど、パパにはパパにしかわからない孤独があるのよね。いつか日々の子育てと向き合うあなたの気持ちを文章に起こしてくれよ。きっと私には見えていない世界があるはず。

(著:竹田こもちこんぶ『皆様、本日も家事育児お疲れ様です。』(‎ KADOKAWA)より再編集/マイナビ子育て編集部)

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書籍『皆様、本日も家事育児お疲れ様です。』について

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(『 皆様、本日も家事育児お疲れ様です。』本文より)

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4児のママ(現在は5児のママ)として毎日家事育児に大奮闘する竹田こもちこんぶさんのお家は、ネタの宝庫! 
「道草をしまくる三男」
「抱っこ紐をしていないのに揺れてしまう抱っこ紐シンドローム」
「コロナ禍に乳幼児のいる家族全員が濃厚接触者になったら…」

など、子育て世代から共感しかない子育てあるあるが満載です。

また、ネタ動画の中でたびたび登場する自宅の全貌、間取りなどをフルカラーで本邦初公開! 賑やかすぎる竹田家の様子を撮りおろし写真をたっぷり見れちゃいます。

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