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2022年03月21日 07:00 更新

【必読!】子供の新型コロナワクチン接種の流れを、小児科医がわかりやすく教えます

小児科医の森戸やすみ先生に、子供の新型コロナワクチンの接種について、申し込み方法から、接種前後の注意事項まで、ポイントを絞って、わかりやすく教えてもらいました。さっと読んで、心構えをしておきましょう。

接種券が届いたら?

(photoAC)
新型コロナワクチンの接種券が送られてきたら、同封されている各自治体の書類にしたがって、申し込みをしてください。大体の場合、集団接種(保健センターや役所など)を希望する場合はコールセンターか予約サイト、個別接種希望の場合は指定医療機関に直接申し込むことになるでしょう。

5〜11歳が接種する新型コロナワクチンは、日本ではファイザー社製の小児用新型コロナワクチンのみ。通常の新型コロナワクチン(12歳以上)は1回の総量が0.3mlで有効成分は30μgですが、小児用は総量が0.2mlで有効成分が10μgでも治験で効果があったため少なく設定されています。より安全性を重視しているんですね。

ちなみに1回目を接種した後、2回目の接種前に誕生日が来て12歳になった場合、2回目も小児用ワクチンを接種することになります。12歳の誕生日「前日」からは、大人と同じ12歳以上のワクチンの接種です。

1回目と2回目の接種の間隔は、12歳以上と同じく3週間。もっとも早くて1回目の接種の19日後から接種可能で、なるべく3週間を超えないほうがいいとされています。集団接種は必ず、個別接種でも1回目と2回目を同時予約することが多いですし、もしも体調を崩したらということも考慮して2回目までのスケジュールを考えてから予約しましょう。

接種当日の持ち物や注意点

子供の新型コロナワクチンの接種時の持ち物は、以下の通りです。

①接種券(自治体が送付)
②予診票(自治体が送付)
③お子さんの本人確認書類(健康保険証、マイナンバーカードなど)
④母子手帳(できればお持ちください)


予診票には、必ず保護者の署名が必要になるので忘れないようにしましょう。母子手帳は必須ではありませんが、新型コロナワクチンの接種日の前後2週間は他のワクチンを受けられないので、多くの医療機関で持ってきてほしいと言われるでしょう。

他のワクチンと同様に、新型コロナワクチンも、体温が37.5℃以上だったり、体調が悪かったりする場合は接種できません。風邪などで熱がある、気管支喘息の発作がある、胃腸炎でつらい場合などは日時を変更してください。

もちろん、新型コロナウイルスに感染しているときはワクチンを接種できません。感染者は自宅療養期間が終わって症状がなければ、濃厚接触者は自宅待機期間が終わっても症状が出ないままであれば、新型コロナワクチンを接種できます。厚生労働省は新型コロナウイルスに感染してから3ヶ月間はかかる可能性は低いと言っていますが、実際は再びかかることがありますし、ワクチンの供給期間は限られています。ですから私は、迷うようなら自宅療養・自宅待機期間が終わったら新型コロナワクチンを接種したほうがいいと考えます。

当日の服装は、腕の上のほうに接種するため、肩まで出しやすいものを選びましょう。そして子供だけで接種することはできませんから、必ず保護者が付き添ってください。

これまでに注射によって迷走神経反射を起こし、気分が悪くなったり倒れたりしたことがある場合、接種前に医師に伝えてください。ベッドなどに横になって接種することもできます。迷走神経反射は思春期に多く、5〜11歳では少ないだろうと思います。また、たとえ迷走神経反射が起きても、緊張やストレスで起こる一過性のものなので心配ありません。

接種後に気をつけたいこと

接種後は、大人と同じように15〜30分待機して、重度のアレルギー症状であるアナフィキラシーが起こらないかどうかを確認してから、帰宅します。接種部位は揉んだりこすったりしないで、清潔に保ちましょう。当日の入浴も運動も問題ありませんが、あまり激しすぎる運動は避けてください。

子供は副反応が少ない傾向にありますが、接種部位の痛み、発熱、倦怠感などの症状が出るかもしれません。多くは数日以内に自然になくなりますので、さほど心配することはありませんが、お子さんがつらそうであれば、小児用の解熱鎮痛剤(アセトアミノフェン)を使ってもいいでしょう。

また1週間以内に、胸の痛みや動悸、息切れ、むくみなどがある場合は、心筋炎かもしれないので、小児科を受診してください。ただ、心筋炎になる確率は非常に低く(※)、自然治癒することが多いので、これもあまり心配しなくても大丈夫です。気になることがある場合は、医療機関で相談してみてくださいね。

多くの場合、2回目のワクチン接種後、2週間が経つ頃には抗体ができてきます。これで少し安心ですね。ただし、ワクチンの効果は100%ではないので、引き続きマスクや手洗い、三密回避などの対策を行いましょう。

(編集協力:大西まお)

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