【医師監修】1歳2ヶ月の特徴は? 身長体重の目安と“1人歩き”ができるかについて
1歳2ヶ月は活発に動き回るようになる時期ですね。1人歩きがまだできない赤ちゃんのことが気になっているパパやママもいることと思います。今回は1歳2ヶ月の特徴やこの時期ならではのお悩みとその解決策についてお話します。
1歳2ヶ月ってこんな時期
1歳2ヶ月の身長・体重
毎月少しずつ背が伸び、体重が増えていく時期。このころの男の子と女の子の体重・身長の目安は次の通りです。
体重
・男の子 8.02~11.51kg
・女の子 7.46~10.90kg
身長
・男の子 72.1~81.7cm
・女の子 70.2~79.9cm
※ともに3~97パーセンタイル値[*1]
言葉が増えていく時期
1歳2ヶ月になると、だんだんと言葉が増えていきます。
このころには79.1%の子は、単語を言えるようになっているという報告があります[*1]。
さらに、意味なく単語を口にするだけでなく、意味のある単語を1語言える子も増えていきます。また、まだ少ないですが、パパ・ママ以外の言葉を3語話せるようになる子も見られるようになってきます[*2]。
とはいえ、まだスムーズに会話はできません。がんばって言葉を口にする様子を応援してあげてくださいね。
「指さし」の意味もだんだん変わってくる
生後10~11ヶ月のころは、横に人がいてもいなくても興味のあるものを指さすことがよくあります。成長とともに、この指さしの意味も変わってきます。
1歳2ヶ月ごろになると、自分のほしいものを取ってほしくて、要求を伝えるために指をさすようになります。また、自分が気になったものをママやパパに伝えて、一緒に見てほしくて指さすこともあります。
指さしを通して赤ちゃんの成長を感じながら、気持ちを汲み取ってあげてくださいね。
来月、1歳3ヶ月については以下の記事を参考にしてください。
歩き始めが気になったら
はいはいやつかまり立ちはできる時期
1歳2ヶ月になると、ほとんどの子がはいはいやつかまり立ちをするようになります。はいはいができる子は全体の98.9%、つかまり立ちができる子は99.5%を占めるようになります。さらに、81.1%の子がひとり歩きもできるようになると報告されています[*1]。
中には上手に後ずさりして歩く子もいることでしょう。
まだ歩けない赤ちゃんも、自分で1歩踏み出してみたり、両手を上げて数歩歩く姿を見せてくれるようになってきます。動き回れるようになったため、つかまり立ちや伝い歩き、はいはいを使って階段の上り下りもできるようになってきます。
転びやすいので心配はありますが、日に日に活発になっていく姿が楽しみな時期ともいえます。
ひとり歩きがまだでも大丈夫
1歳2ヶ月の赤ちゃんがいるママやパパの中には、まだひとり歩きができないと心配している人もいることと思います。
でも、さきほどと同じ報告では、1歳3~4ヶ月になってもひとり歩きできる子は全体の92.6%だったとしています[*1]。1歳2ヶ月ごろは、まだひとり歩きができない子もいるのです。
ほぼ全員がひとり歩きをできるようになるのは、1歳4~5ケ月ころと報告されています。赤ちゃんの発達はとても個人差が大きいもの。今はまだひとり歩きができなくても、焦らず見守ってあげましょう。
遊びで歩く力を促そう
ひとり歩きを促してあげたいと思ったら、楽しい遊びがおすすめです。
つかまっても倒れない、大きめでしっかりとした段ボールを用意して、つかまり立ちや押し歩きをさせてあげましょう。押し車などのおもちゃを利用するのもいいですね。
早く歩けるようになってほしいと思っていても、無理じいすると赤ちゃんはやりたがらなくなってしまいます。楽しみながら自然に力をつけていけるように、親子で笑顔になれる遊びとしてやっていけるといいですね。
1歳2ヶ月ならではの悩み
1歳2ヶ月になると、この時期ならではのお悩みも生まれてきます。代表的なものを解決策とともに紹介します。
いたずら大好き!
自力で動き回れるようになると、好奇心がおもむくままに色々なものをいじるようになります。目と手を使って小さなものも持てるので、触ってほしくないものをいじりたがることもあります。
子育ての悩みについての調査で、1歳から2歳にかけて急増する悩みは「子どもが親の言うことを聞かない」だったと報告しているものがあります。1歳のうちは14.6%でしたが、2歳になると31.9%のママが「言うことを聞かない」を悩みとしてあげるようになったのです[*3]。
個人差はありますが、このころからは「言うことを聞かない」と困らされるシーンは増えていくと考えておいた方がよさそうです。
その中でも、怪我をしそうなことや危険なことをしようとしたら、やめさせなくてはいけませんね。そんな時には強い感情をこめて、本気で叱りましょう。大きな声が出てしまったとしても、それだけ重要なことだということを伝えるほうが大切です。まだ言葉が理解できない1歳2ヶ月ごろでも、こうした親のふるまいから強い感情を感じ取ることはできます。
ただ、いつもその調子でしかってばかりいると、本当にやめてもらいたいことが伝わりにくくなってしまいます。ほめたり、笑いあったり、かわいがったり、日々、たくさんのかかわり方をする中で、危ないことをしようとしたら、ダメなものはダメとメリハリを持って接すると良いでしょう。
なお、もちろん、怒りに任せて子どもを叩くなど、暴力を振るってはいけません。子育てのイライラやストレスの発散と叱ることを混同せずに、子供がなぜそのように振舞ったのか気持ちをできるだけくみ取ってあげること、環境で改善できる点はないかなど、一歩引いて冷静に考えられると良いですね。
離乳食のことで悩んだら
1歳2ケ月ごろによく見られるお悩みの1つが、食の悩みです。食が細い、偏食、過食などがよくあげられます。
好き嫌い
この時期に好き嫌いをしていても、他のものから栄養が摂れていれば、栄養学的には問題がありません。だからすぐに解決しようとして無理やり食べさせなくても大丈夫です。気長に取り組んでいきましょう。
同じ食材でも焼いたりゆでたりと、調理方法を変えたり、味付けを変えると食べられるようになることがあります。
また、「1口だけ食べてみよう」と励ましたり、少し口にできたら「食べられたね!」とほめてあげましょう。赤ちゃんが達成感を感じて 、前向きに食べる意欲を見せるようになっていきます。
なお、1歳2ヶ月ごろは第一乳臼歯がまだ生えていなかったり、しっかりと噛み合っていないことがあります。食材によっては食べにくくて嫌がることが珍しくない ので、できるだけ食べやすくなるよう調理を工夫してあげましょう。
遊び食べ
食事をする場所のすぐそばにおもちゃや絵本など、気になるものがあると、気が散ってしまいます。食事の前には遊び道具などが目に入らないように、片づけておきたいですね。
なお、食事を楽しくできるようにと声をかけることでかえって気が散って、食事に集中できなくなることもあります。
3歳未満の子どもは、食べることそのものに集中して食事を摂るものです。黙っていても、「これは好きだ」「思っていた食感と違う」など、食事を楽しんでいることも珍しくありません。
子どもが気持ちを伝えようとしてしゃべったり身振りをしたら、応えたり声かけをしてあげるのがおすすめです。
丸飲み
食べるものを噛もうとしないで、どんどん丸飲みしてしまう赤ちゃんもいることでしょう。
赤ちゃんの中には、噛みにくいと感じると飲んでしまう子もいます。
よく丸飲みしてしまう赤ちゃんには、軟飯のような口の中でまとまりやすいものを出してあげましょう。噛みやすいものを食べ続けることで、噛むことに慣れていくことができます。
なかなか寝ない
1歳~1歳6ヶ月くらいからは、午前中のお昼寝がなくなっていって午後のお昼寝だけになっていきます。
よく朝寝をしていた赤ちゃんも、だいたい1歳3ヶ月ころから朝寝が必要ではなくなってきます。赤ちゃんの寝つきが悪かったり、短時間しか昼寝をしない時には、朝寝をなくしてみるのがおすすめです。
なお、この時期に夜泣きをくり返す時は、生活リズムの乱れや寝かしつけの習慣による影響のことがあります。泣き止ませるための夜間授乳はやめて、生活リズムを整えることで改善する場合もあるので、試してみると良いでしょう。
また、はいはいや伝い歩きをしたり歩かせるなど、昼間にしっかりと体を動かす遊びをすることも、夜まとまって眠ることに役立ちます。天気のいい日には公園などでたっぷり遊ばせてあげたいですね。
まとめ
元気に動き回り、言葉が出るようになってくる1歳2ヶ月。歩き始めが遅いと心配かもしれませんが、この時期にひとり歩きができない子もいます。赤ちゃんが気持ちを表すようになると、いうことを聞かなくなったり好き嫌いをしたり、なかなか寝なかったりと、育児が思う通りに行かないことがありますが、そのお悩みも赤ちゃんが元気に育ってきている証拠です。困った時にはパパとママで協力し、育児支援センターなど地域のサービスも上手に利用しながらあまり家庭だけに閉じこもらず、赤ちゃんの成長を見守っていきましょう。
(文:大崎典子/監修:梁尚弘先生)
※画像はイメージです
[*1]厚生労働省 平成22年乳幼児身体発育調査
[*2]W.K.Frankenburg, 日本小児保健協会編: DenverⅡ:デンバー発達判定法, 日本小児医事出版社, 2005.
[*3]全国私立保育園連盟:乳幼児の育児と生活に関する実態調査, 2008.
※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました
※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます