妊娠中の糖質制限ダイエットはOK？尿糖や体重が気になるときはどうすべき？ ｜産婦人科専門医解説

■今回の解決ドクター：杉山 隆 先生（愛媛大学医学部附属病院院長／産婦人科医）

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Q 医師からは特に何も指摘されておらず、経過も順調なのですが、妊娠中に体重をあまり増やしたくありません。妊婦でも糖質制限ダイエットをしてもいいでしょうか？
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妊娠中の食事で大切なのは、妊娠前の体型に合わせた体重増加をすることです。

体型に合わせてエネルギー摂取をすることで、おなかの赤ちゃんの成長と発育を促せます。とはいえ、妊娠糖尿病などで糖質制限をしている方もいるかもしれません。

糖質制限を行うと血糖コントロールがしやすくなりますが、過度に行うとおなかの赤ちゃんの健康に影響を与える可能性もあります。妊娠中の極端な糖質制限は避けるようにしましょう。

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Q 妊婦健診で尿糖プラスが出てしまいました。どんな心配があるのでしょうか？
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妊娠中の合併症の中でも、頻度が高いのが妊娠糖尿病です。妊娠糖尿病はママと赤ちゃんの健康に影響があるので、的確に診断することが大切です。妊婦健診で尿糖が強陽性になったり、陽性が続く場合は、血液検査できちんと調べる必要があります。

もともと妊娠中は、妊娠による生理的変化により尿に糖分が出やすくなります。妊娠で血液循環量が増えると、腎臓への血流量も増加します。すると、腎臓内の糸球体でブドウ糖のろ過量が増えますが、尿細管でのブドウ糖の再吸収が減るため、妊婦さんは尿に糖分が排出されやすくなります。

妊娠していない場合、ブドウ糖はほとんど再吸収されるため、尿に糖が排出されることはありません。しかしながら、妊娠すると、血糖値が正常でも尿に糖分が出やすくなります。特に、食後1〜2時間は血糖値が高めになるので、検査で尿糖陽性となることもあります。

妊娠中に尿糖が陽性になっても、ほとんどの場合問題ありません。医師によっては念のために血液検査を行うこともあるでしょう。血液検査で妊娠糖尿病と診断されれば、治療の必要があります。

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Q 元々やせ型で、妊娠中も太りたくないと思ってしまいます。どんなことにきをつければいいのでしょうか？
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妊娠中は体重を増やさないことばかりに気をつけている傾向がありますが、「やせ」にもリスクがあります。

もともとやせていたり、妊娠中に体重増加が少なすぎた妊婦さんは、切迫早産や早産、赤ちゃんが小さく生まれる可能性などが高くなります。また、小さく生まれた赤ちゃんは、将来、糖尿病や肥満など生活習慣病の発症リスクが高くなることが知られています。

やせ願望のある女性は、妊娠中に摂取エネルギー量を増やすのに抵抗がある方もいらっしゃいます。このような場合、まずはタンパク質をしっかり摂取するように心がけましょう。良質たんぱく質は、卵、牛や豚の赤身、鶏モモ肉、アジ、サバ、大豆製品、乳製品などから摂取できます。

妊娠糖尿病や肥満の妊婦さんは、食後血糖値が高い場合、適度な糖質制限により血糖コントロールに役立ちます。一方で、妊娠中はおなかの赤ちゃんへ影響がないように、極端な糖質制限を避けましょう。また、妊娠中は良質たんぱく質の摂取に努めましょう。薄味を心がけると、減塩にも役立ちますよ。

（文：杉山 隆 先生、協力：株式会社メディコレ、構成：マイナビ子育て編集部）

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