「悪口を言わない人」の共通点と言わない本当の理由
「悪口を言わない人こそ、本当は腹黒いから信用できない」「悪口を言わないなんてつまらない」と思っていませんか? 心理カウンセラーの高見綾さんは、悪口を言わない人の特徴は自立しているところにあると語ります。では、それはなぜなのでしょうか?
悪口を言わない人っていますよね。そういう人たちに対して、「つまらない」「信用できない」という印象を持つ人もいるようですが、本当に“印象のまま”の人たちなのでしょうか?
そこで今回は、悪口を言わない人の特徴や心理について詳しく解説します。
また、悪口を言わずに過ごすコツもお伝えしますので、ぜひ参考にしてみてください。
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悪口を言わない人は腹黒い?
悪口を言わない人に対して、「本当は腹黒いんじゃないの?」「信用できない」という印象を持つ人もいるでしょう。ですが、悪口を言わない人は本当にそんな人たちなのでしょうか?
結論から言うと、私は悪口を言わない人は裏があるのではなく、自立している人であると思います。
私たちがどんな時に悪口を言いたくなるのか考えてみてほしいのですが、心が満たされていて気分が良い時、私たちはあえて「誰かの悪口を言おう」と思いますか? きっと、思わないですよね。
つまり、悪口を言いたくなる時は、心の余裕がなかったり、劣等感や罪悪感があったり、「他人に機嫌を取ってもらおう」と依存的な心理があったりするのです。
一方で、たとえ不満があっても、自分が変わることで状況を変えていこうと考える自立的な思考を持つ人は、あまり他人の悪口を言うことはありません。
また、職場の飲み会などで誰かの悪口が言われて、その場が盛り上がったりすることもあるかもしれません。しかし、悪口を言うことで一時的に一体感を味わうことができたとしても、いずれ悪口の対象は変化していきます。
「こんなに悪口を言った自分は、周りからも同じように悪口を言われるだろう」という投影が起こり、結局は自分が周りを信用できなくなって「悪口を言わないなんておかしい」というような考え方になってしまうのです。
以上の理由から考えても、悪口を言わない人は「裏があり信用できない人」という見方は当てはまらないと考えています。
悪口よりも、誠実な態度で信頼関係を築いていく方が、関係性が壊れにくいといえるのではないでしょうか。
悪口を言わない人の特徴
では、悪口を言わない人には何か共通する特徴があるのでしょうか? 確認していきましょう。
(1)努力家
悪口を言わない人は、「頑張ることは当たり前」という感覚を持った努力家の人が多いです。
困ったことがあったら、誰かに文句を言うよりも「自分が動くことで何とかしよう」と考える傾向が強いのが特徴です。
(2)うわさ話に無関心
うわさ話は、話す人の主観が混じっていたり尾ひれが付いていたりすることがあります。
悪口を言わない人は、自分が見聞きしたものを信用する傾向があるためうわさ話に無関心で、話半分に聞いて流すことが多いです。
(3)前向きな話題を好む
悪口を言ったり聞いたりすると、もやもやとした暗い気持ちになると思っているので、基本的には明るく前向きな話題を好みます。
そのため、過去の話よりも未来の話をしたがる傾向があります。
(4)芯がしっかりしていておおらか
悪口を言わない人は、自分の芯がしっかりしているので、周りに流されることはあまりないでしょう。
他人とは適度な距離を保って接しているので、気になることがあっても、おおらかに構えて流せてしまうことが多いです。
(5)客観的な視点がある
一時の感情に振り回されるようなことはあまりなく、物事を客観的に見ようとします。
誰かに不平不満があっても、相手の事情を考慮したり、自分に至らない点があった可能性も考えてみたりして、総合的に物事を捉えるのです。
(6)悪口を言うことのデメリットを知っている
悪口を言うことで、自分の気分が下がりますし、人づてに本人や周りの人に伝わって自分の評判を下げる可能性があることも知っています。
よって、一時的な感情に振り回されて悪口を言うことはあまりないのです。
悪口を言わないでいられる理由
よく悪口を言ってしまう人からすると、どうして悪口を言わずにいられるのか不思議ですよね。
そこで、悪口を言わないでいられる理由を探ってみましょう。
(1)他人と自分の境界線がはっきりしている
悪口を言わない人は、他人と適度な距離感を持って接しています。他人の領域にはむやみに立ち入らないようにしているので、「この人は、こういう面がある人なんだな」と思って流せるのです。
一方で、悪口を言ってしまう時というのは、他人のことに口出ししたくなっており、相手の領域に踏み込んでいることが多いです。
(2)自分のやるべきことに集中している
自分の目標があってそれに集中している時は、他人の悪口を言う暇がありません。
悪口を言いたくなってしまう時は、自分のことがおろそかになっているケースが多いです。やるべきことをやっていない罪悪感を隠すために、他人に矛先を向けているのです。
(3)自分を変えることで状況を変えようとする視点がある
悪口を言ってしまう時は、自分は動かない代わりに、他人を思い通りに動かしたいという心理があります。
一方で悪口を言わないでいられる人は、意に沿わないことがあっても、自分には状況を変えられる力があると思っているので、誰かに期待したり文句を言ったりするよりも、自分が変わった方が早いと考えているのです。
(4)心に余裕がある
精神的にゆとりがあるので、ちょっとやそっとのことではイライラすることなく流すことができます。
反対に悪口を言ってしまう時は、心に余裕がない状態なので、少しの刺激でもイラッとして文句を言いたくなってしまうのです。
悪口を言わずに過ごすコツ
最後に、どうすれば悪口を言わずに過ごすことができるのか、そのコツをお伝えします。
(1)その場にいない人を褒める
その場にいない人の悪口を言ってしまいそうになることがありますよね。そんな時は、グッと堪えて、「その場にいない人を褒める」ように発想を変えてみましょう。
すると、後から「〇〇さんが、△△さんのこと褒めてたよ」と間接的に本人に伝わることになります。悪口を言わずに済む上に、第三者から評価を聞いた方が信ぴょう性も高まるため、あなたが褒めた人からの好感度もアップします。
(2)悪口は紙に書き出す
悪口を言いたくなったら、他人に話す前に紙に書き出してストレスを解消させましょう。自分の気持ちを文字化することで客観的な視点が生まれ、一時的な感情に振り回されることが少なくなります。
「なぜその人のことが気に入らないのか?」と自分自身に問いかけることで、自分の本当の気持ち(嫉妬心や劣等感、自己嫌悪など)に気付けることも多いです。
(3)ストレスはその日のうちに解消する
ちょっとしたストレスを「これくらい大丈夫」と思ってスルーしていると、心の中にどんどん蓄積されていきます。そして、心に余裕がなくなると、イライラして他人の悪いところに目が行くようになります。
ですので、その日のストレスはその日のうちに解消することを目標に、運動やお風呂などお気に入りの方法でリフレッシュしましょう。
(4)「人と比べない」を合言葉にする
悪口を言う人は、他人と自分を比べてばかりいます。比べるから嫉妬心が生まれ、劣等感を抱いたりするのです。
そこで、合言葉のように「人と比べない」と何回も自分に言い聞かせて、考え方の癖を変えていきましょう。
(5)目標を立てて実行する
悪口を言いたくなる時は、自分のやるべきことに集中できていない時です。そんな時は、どんなことでもいいので「こうなりたいな」という自分像をイメージして目標を立てましょう。
例えば、「仕事で成果を出す」でも良いですし、「毎日30分運動をして引き締まった体になる」でもOKです。他人の悪口を言うよりも、自分を高める努力をする方が楽しくなれば、悪口への興味が減るでしょう。
悪口を言わず自分を高めるのが賢い選択
悪口を言いたくなる時は、「自分は動かないけれど、他人を思い通りに動かしたい」という依存的な心理があります。しかし、いくら悪口を言っても、自分の置かれた状況は好転しません。
自分を高めることに一生懸命になることが、悪口を言わずに済む一番良い方法です。特に悪口を言ってしまいそうな相手とは適度な距離を保って、他人の領域には踏み込み過ぎないようにしましょう。
(高見綾)
※画像はイメージです
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※この記事は2021年02月20日に公開されたものです