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2019年08月12日 11:00 更新

【専門家が回答】家族との片づけに対する意識の違い、どう埋める?

kurassoのインスタグラムアカウントで募集したフォロワーの暮らしの悩みに対して専門家が回答! 「家族やパートナーとの片づけに対する意識の違い、どう埋める?」というお悩みをライフオーガナイザー®の橋本さんに回答してもらいました。相手とぶつかることなく共通認識を持つ方法とは?

Q.家族との片づけに対する意識の違い、どう埋める?

家族、パートナーとの整理整頓の意識の違いに悩むことが多いです。共通認識を持つにはどうしたらいいのでしょうか?

「人」を変えようとせず「仕組み」で埋めていく

畳む収納・ハンガー収納
出典: https://www.imalife-organize.com

こんにちは。ライフオーガナイザー®の橋本智子です。

家族間の片づけに対する価値観の違いや意識の差は、毎日のことなので気になりますよね。

共通認識を持つために、家族のだれかひとりに他が合わせるよりも、家族それぞれの価値観や考え方、整理整頓の習慣は「違ってもいい」ということに目を向けてみると、折り合いが付けやすいです。
違いや差をお互いに否定せず、認め合うことから始めると、その違いを埋める対策も見えてきます。

そのためには、家族間のコミュニケーションが欠かせません。「人を責めずに仕組みを整える」ことで、家族間の違いを少しずつ埋めていきましょう。

我が家で取り組んだことをいくつかご紹介しますので、参考になればうれしいです。

取り組み①:家族間の違いを書き出して「見える化」する

お互いの価値観や片づけ習慣などを書き出してみる

思考を整理して、家族間の片づけ方の違いを見える化
出典: https://www.imalife-organize.com

まず取り組んだのは、家族間の価値観や片づけ習慣、片づけやすさの違いを「見える化」すること。
お互いに話し合ったり、質問したりして、箇条書きやキーワードで書き出していきました。

また、片づけたい空間や物について「どうなったら快適なのか」をお互いに知ることも大切です。

「リビングを片づけて、ソファーでゆっくりくつろぎたい」という共通の思いがあったものの、ソファーの上は物を置かずスッキリさせてくつろぎたい私と、室内で羽織るものなどは置きっぱなしの方が便利という夫。お互いの「くつろげるソファーの理想のカタチ」は全く違っていたのです。

【違いを書き出す】というひと手間によって、家族間でどう違うのかが分かり、認識の差を埋める仕組みづくりや、片づけの習慣づくりに繋がっていきました。

取り組み②:それぞれの家族に合った仕組みを整える

違いを生かして、片づけやすい仕組みを作る

無印良品の収納ケースにラベリング・掃除グッズ収納
出典: https://www.imalife-organize.com

当時は家中の物が全て、私の使いやすい収納方法や仕組みになっていました。そこで、よく使う人に合わせて物の収納方法を変えました。

中身が見えて、ざっくり収納する方が戻しやすい私自身の物は、透明や半透明の収納ボックスを使い、カテゴリー別にさっと入れるだけでOKな仕組みに。

反対に文字認識が得意な夫が使う物や、家族共有の細かな物には適度に仕切ってラベリングをすることで誰にでも分かりやすく。

夫婦共に使うけれど私の方が使用頻度が高い物は、棚の一段に1つの用途で使う物だけを収納することにして、ラベリングしなくても分かりやすいようにしました。

得意な片づけ方の違いを活かして仕組みを整えることで、家族も片づけてくれるようになりました。

IKEAのマガジンファイルで雑誌収納・100均Seriaのトレー収納
出典: https://www.imalife-organize.com

一見不要な物も、家族にとっては手放したくない大切な物。勝手に捨てたり、減らさないことを責めてしまうと家族関係も悪くなってしまいます。

人に決められた場所よりも、戻す場所や収納グッズを自分で決めることで、片づけるモチベーションに繋がることもあります。

我が家のリビングに積みあがっていた手放したくない雑誌は、折れ曲がらないように立てて並べてみると、時々読み返したり、整理する機会も増えました。

キッチンカウンターに置きがちだった夫の財布や定期入れなども、好みのボックスを決めてもらい「戻す場所」を作ったことで置きっぱなしがなくなりました。

家族共有スペースに置く物のルールを決める

リビングのソファーに物を置かない工夫
出典: https://www.imalife-organize.com

家族共有のスペースには、お互いに快適に過ごすためのルールや仕組みも必要です。

ソファーの上にいつも衣類がかかっているというモヤモヤも、近くにカゴを置いてそこに衣類を入れてもらう仕組みにすることで解決。ソファー上への衣類の置きっぱなしがなくなり、必要な時は座ったまま取り出すことができるように。

仕組みを作ったら、あとは片づけの習慣づくり。「ここに戻す」「ここに入る分だけ持つ」「1日1回はリセットする」など家族全員で「簡単にできる」ルールを決めて、それぞれに責任を持つようにしました。

一度決めたことがどうしても続かない場合は、仕組みやルールが合っていないのかも。できないことを責めずに、仕組みやルールを見直せるといいですね。

取り組み③:片づけない家族への対処法

着なくなった衣類を見直して手放す
出典: https://www.imalife-organize.com

どうしても家族の整理整頓の習慣が続かない。それは、本当は片づけたいと思っていないからかもしれません。なかなかやる気が起こらない場合も、切実な理由があれば行動できるはずです。

片づけやすいように仕組みを整えた後は、任せてみるのも応援のひとつですね。

物をなかなか手放せない夫に対して、私が実践して最も効果があったことは「夫の物に口出しせず、まずは私自身の物を徹底的に整理する!」ことでした。

自分の物を全部見直して快適なスペースを増やしていくことで私自身のご機嫌度があがり、それを見ていた夫がある日、物を整理し、使っていない物、着ていない服を手放し始めました!

快適に暮らしたいという思いや、物を整理して気持ちがスッキリしていく様子は、じわじわと家族にも浸透していきますよ。

まとめ

人の価値観はそれぞれ。10人いれば10通りの片づけ方があります。家族との片づけに対する意識に差があるのも自分や家族が悪いのではなく、自然なこととも言えます。

無理にその差を埋めようとせず、自分や家族など「人」を責めずに、家族間の「違いを生かした仕組み」を見つけてみてくださいね。見つけるのが難しい場合は片づけのプロに相談してみると、人それぞれに合った片づけ方を提案してくれますよ。

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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