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2022年10月06日 06:55 更新

一時は世帯年収500万円ダウン! それでも2人分の教育費を貯めた方法とは?

学費に教育費、日々の食費や日用品費など、子育て中は何かとお金がかかる時期。さらに自分たちの老後資金も必要……。そんなお金に悩めるパパママに向け、子育て中の共働き夫婦に「やってよかった!」家計管理術をインタビュー! 今回は約500万円の世帯年収ダウンに見舞われつつも、教育費をきっちり貯めきったアンさんにお話を聞きました。

世帯年収500万円ダウン。それでも2人分の大学費用を用意できた!

子どもの将来の教育費、貯めていますか? 教育にかかるお金は住宅資金、老後資金と並ぶ人生の3大支出。今からどれだけ用意すればいいだろうと漠然とした不安を抱えているママとパパが多いかもしれませんね。

さて、今回、お話を聞いたアンさんは、最近2人分の大学費用を払い終えた先輩ママ。長男の小学校入学前に旦那さんが転職し、額面年収が約800万円から約300万円へと、500万円もダウン! そんな困難がありつつも、子ども2人の将来の大学費用は1人あたりおよそ500万円と決め、それぞれが高校に上がる前には貯めることができたそうです。

アンさんは大学費用を貯めるため、何をしたのでしょう? 今回はその方法を紹介します。貯め方はもちろん、教育費に対する考え方も参考になりますよ。

子どもが小学生のときは住宅ローン返済を最優先

旦那さんの転職時、すでに個人事業主として働いていたアンさん。しかし、当時はほぼ旦那さん側の収入でまかない、たいした稼ぎはなかったとか。初めて家計にちゃんと向き合い、選んだ方法は「支出をコンパクトにし、住宅ローンの繰り上げ返済を頑張ること」でした。

アンさん:
金利が低いのだから、長く借りておけばいいと言う方もいますし、いろいろな考え方があるのは承知なのですが、減収した我が家には身の丈に合わない額だったので、とにかく早く返したかったんです。

それに子どもが成長するにつれて食費や教育費がかさむことは目に見えていたので、お金のかからない小学生のうちに住宅ローンをほぼ終えたいと考えました。

子どもが小学生時代の手取り世帯月収は23万円ほど。そこから13万円も毎月の住宅ローン支払いにあてていたアンさん家。日々の節約と複数回の銀行借り換えで金利を下げた甲斐もあり、転職から7年後、長男が中学1年生のときに住宅ローンを完済!

アンさん:
ほかの支出はかなり切り詰めました。保険は見直し、外食も旅行も最低限でした。息子も娘も通信教育はしましたが、小学生時代の塾は利用していません。習い事も一人ひとつです。大変でしたが、予想通り、中学からは子どもにかかるお金の額が変わったので、早く返済を終えられてよかったです。

小学生時代は塾なし生活。中学以降の通塾もよく考えてから

小学生時代は家計がいちばん厳しく、塾や習い事などの教育費は削らざるを得なかったアンさん家。ただ、それとは別にアンさんなりの塾に対する考えもありました。

アンさん:
住むのが東京ということもあり、周囲では中学受験が盛んでしたし、受験しない子でも小学校高学年は塾に行くのがあたりまえ。そんな中、塾を利用しない我が家は相当珍しかったです。

ただ以前、塾の仕事をしていて、塾に来るのが苦痛そうな子や、想定外のお金がかさんで大変な家庭をたくさん見てきました。そのため、小さいころからの塾は必要ないと考えていたんです。もちろん、これは我が家の考え方ですし、塾との付き合い方が大事なだけで、塾自体を否定するものではありません。

長男は安価な通信教育を小3からスタートし、中2の冬になってはじめて塾に通い始めたそう。また、長女は小1から通信教育、中1から塾へ。どれも自ら希望したといいます。

アンさん:
塾はいくつか体験して決めましたが、契約前に内容はもちろん、料金の詳細もチェック。入塾後にオプションを提示されることもあるので、注意しました。料金が高額な長期休みの講習についても、言われるままではなく、吟味して選択。

息子は比較的勉強のできる生徒が集まる意識高めの高額塾に通っていましたが、娘はいろいろなレベルの生徒が利用する、ゆるくて安めの塾に。かけたお金が無駄にならないよう、それぞれの性格と目指すレベルに合うところを選びました。

塾になるべく頼らず、家で学習する習慣をつける

子どもが小さいときはなるべく塾に頼らない分、自宅学習を工夫していたアンさん。

アンさん:
過度な期待をかけないようにしながらも、勉強が好きになってほしかったので小学校からは家で学習する習慣を促しました。夕方や夜には一時間程度、勉強タイムを固定。息子と娘が宿題や通信教育をする間、私も横に座って読書したり仕事したり、様子を見て、どんな勉強をしているか尋ねたりしていました。春夏冬の長い休みには必ず宿題とは別で復習の時間を設けるのも恒例。図書館もたくさん利用しましたね。

実際、どちらも勉強に抵抗感なく、自分の好きな分野を見つけて大学進学できたので、これでよかったかなと思います。また、このころに節約できたおかげで、大学受験の予備校代や大学費用にたくさんお金がかかっても乗り切れました。

大学費用は主に貯蓄でコツコツ

アンさんが大学費用を実際に貯め始めたのは、子どもが生まれてすぐからですが、住宅ローン優先でいったん停滞。完済後は教育費第一で貯め始め、2人が高校入学するまでには各500万円は貯まっていたそう。

アンさん:
完済後も小さな暮らしは継続。当時は私の収入が増え、夫と合わせて手取りで世帯年収420〜480万円ほどありましたが、そのうち300〜330万円くらいは貯金に回しました。

あと長男が生まれたときに郵便局で入った学資保険代わりの簡易保険が15年で満期となり、300万円超の保険金がおりることに。18年満期だと、大学の初期費用に間に合わない可能性があるし、期間が短くてよかったと思います。今なら12年満期にするかな。

ほかは貯金です。子ども名義の普通口座にそれぞれお祝いや児童手当を入れ、ある程度貯まると定期預金へ。利息はゼロに近い低金利でしたが、「引き出しにくく強制的に貯められるけど、いざとなればすぐ解約できる」という点で私は貯金第一でした。

想定外のはみ出し部分も小さな暮らしで乗り切る

最後に「大学費用は結局足りましたか?」と聞くと、こう回答してくれたアンさん。

アンさん:
私立理系に進学した息子も、私立文系の娘も500万円では全然足りませんでした。息子の4年分の学費関係だけでも700万円程度。息子は体育会に所属し、教職課程も履修していたので、バイトの時間がなく、お小遣いや部活の遠征代も出しており、さらにプラス400万円ほどかかりました。

それでも長年小さな暮らしを続け、ほかにも貯蓄があったおかげで、乗り越えられました。我が家の夫はお金について何も考えない人で、大変な目にあいましたが(苦笑)、夫の減収がなかったら、稼いでいても貯金がない、教育費を出せない家庭だったかも? そう考えるとこれでよかったかな!? 苦境をポジティブに転換できたことが我が家にとっていちばんの幸いだったと思います。

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