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【医師監修】赤ちゃん・子どもの中耳炎の症状とは?予防、対処法まとめ

【医師監修】赤ちゃん・子どもの中耳炎の症状とは?予防、対処法まとめ

赤ちゃんがかかりやすいと言われている、中耳炎。今回は、中耳炎の症状や原因、病院での治療方法、予防方法などについてご紹介します。


この記事の監修ドクター
有明こどもクリニック 小暮 裕之先生
地域の皆さまに信頼されるかかりつけの医療機関として、スタッフ一同、より質の高い医療の提供を目指してまいりますので、どうぞ宜しくお願いいたします。
http://child-clinic.or.jp/concept.html/

中耳炎ってどんな病気?

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中耳炎とは、どのような病気なのでしょうか? そもそも、「中耳」とは耳の中のどの部分のことを指すのでしょうか。まずは、耳の中の仕組みにも軽く触れつつ、中耳炎についてご説明します。

「中耳」とは?

ヒトの耳の一番奥には鼓膜がありますが、鼓膜のさらに奥には空洞があるのです。中耳とは、この空洞の部分のことを言います。本来、耳と鼻はつながっているもので、中耳は鼻の奥と管でつながっています。 ちなみに、耳は外側から、外耳(がいじ)、中耳(ちゅうじ)、内耳(ないじ)と3つの区画に分かれています。

中耳炎はどうやって起こるもの?

中耳炎とは、中耳に菌が侵入し、うみが溜まって炎症を起こしてしまう病気です。中耳炎の場合、菌が侵入するのは耳の外からではなく、鼻の奥からなのです。そのため、プールやお風呂の水が耳の中に入ってしまったからといって、中耳炎になるというわけではありません。

中耳炎の原因として考えられるのは、風邪。風邪をひいたことによって増えてしまった菌が中耳に入ってしまうケースがほとんどで、中耳炎は風邪とセットで起こるものだと言われているほどです。実際に、鼻水が出るたびに中耳炎になってしまう人も多いようです。

中耳炎は、特に子どもがなりやすい病気です。その理由としては、風邪を引きやすいことに加え、子どもの耳の管は大人と比べて太く短く、傾きも水平に近いため、菌が入りやすくなっていることも関係があります。

ちなみに、中耳炎はほとんどの人が1歳までの間に一度はかかる病気です。また、小学校に入るまでの間は風邪を引くたびにかかるといわれるほど中耳炎になる頻度は高めですが、10歳を過ぎてからはあまりかからなくなります。

中耳炎の種類

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中耳炎とひとくくりに言っても、実はいくつかの種類があり、症状や疾患の度合いも様々。また、中耳炎にかかると恐い合併症を引き起こす可能性もまれにあるようです。次は、中耳炎の種類と、種類ごとにリスクのある合併症についてもご説明します。

急性中耳炎

中耳炎の中でも一般的なのが、急性中耳炎。耳痛や難聴、耳をふさがれたような感覚、耳鳴り、発熱、耳だれなどの症状が見られます。乳児がかかった場合には、発熱が見られるほか症状を訴えることができないことにより理由なく泣いたり不機嫌になったり、耳を触っていたり食欲不振になることがあります。大人の場合、発熱の症状は少ないようです。

慢性中耳炎

慢性中耳炎とは、急性中耳炎が3カ月以上治ることなく続いている状態のこと。主に難聴や耳だれの症状が見られ、痛みはほとんどありません。

滲出性中耳炎

滲出性中耳炎とは、急性中耳炎が治った後に中耳に浸出液が溜まったままになっている状態のこと。つまり、中耳炎が治る途中段階で起こる疾患で、アデノイド(鼻と咽の間にあるリンパ組織)が大きかったり、急激な気圧の変化、長期的な鼻水などが原因となります。

真珠腫性中耳炎

真珠腫性中耳炎は、鼓膜の一部が中耳に入ってしまい、徐々に骨を破壊しながらさらに深部へと進んで行く病気で、中耳炎の中でも特に危険な状態です。進行すると、めまいや顔面神経痛を引き起こします。

合併症のおそれも

まれなケースですが、急性中耳炎から重い合併症が起こることもあります。主な合併症には、耳の周囲の骨に起こる炎症や内耳まで感染がおよぶ内耳炎、脳や脊髄を包む髄膜に炎症が起こる髄膜炎などがあります。

また、急性中耳炎の再発を繰り返し、慢性中耳炎になると鼓膜に穴が開いたり、正常な聴力を失ってしまう鼓膜穿孔が生じることもあります。真珠腫性中耳炎でも、髄膜炎や脳腫瘍など頭蓋内合併症を引き起こす恐れがあります。

もし中耳炎にかかってしまったら

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中耳炎にかかってしまった場合には、病院で診察・検査をしてもらい、治療を行うことになります。中耳炎の検査や治療って、具体的にどのような事をするうのでしょうか?次は、病院で行われる中耳炎の検査方法、診断方法、治療方法に加え、日常生活の中で心がけるべき点についてもご紹介します。

中耳炎の検査方法

中耳炎の検査方法には、純音聴力検査とティンパノメトリーがあります。 純音聴力検査では、難聴の程度や障害を引き起こしている場所を調べます。ティンパノメトリーでは、中耳の状態や鼓膜の動きを見ます。

また、滲出性中耳炎になった場合には耳管機能検査やレントゲン検査、内視鏡検査を行うことがあります。耳管機能検査では、耳管が正常に開いたり、閉じたりしているかを調べます。レントゲン検査では、鼻に炎症が起こっているかどうかを見ます。内視鏡検査では、鼻の奥の耳管開口部やリンパ節の状態を見ます。

中耳炎の診断方法

診断方法は、問診と視診が中心になるのがほとんどです。視診では、耳鏡(じきょう)という器具を用いて耳内を観察し、鼓膜の異常や耳だれしていないかなどを調べます。患者が乳児や幼児の場合には、保護者が問診に答えることになります。いつもと違う様子を、具体的に伝えましょう。

中耳炎の治療方法

中耳炎の治療方法は、中耳炎の種類や炎症の状態によって変わってきます。

・急性中耳炎の場合
病院では、抗生物質や消炎鎮痛薬が処方されます。場合によっては中耳炎を引き起こしている上気道炎の治療や手術による鼓膜切開を行うこともあります。

自分でできる対処法としては、耳の痛い部分を冷やす、鎮痛効果がある解熱剤を使用するなどが効果的です。また、耳だれが出たら外の部分だけ拭くようにします。鼻水が出る時には、こまめに鼻を吸い、これ以上菌が入らないようにしておきます。

・慢性中耳炎の場合
耳だれに対して滅菌生理食塩水を用いた耳洗浄のほか、抗生物質を内服したり、点耳薬を処方するなどで炎症を抑える治療を行います。難聴の進行が早く、重症化の危険がある場合には、手術によって鼓膜の穴を塞ぐ処置をとることもあります。

・滲出性中耳炎の場合
抗生物質の投与や、溜まった浸出液を取り除くための薬を服用します。場合によっては、鼓膜を注射針で刺したり切開して浸出液を除去する処置をとることもあります。何度も再発を繰り返す場合には、切開部に換気チューブを入れて換気をよくすることもあります。また、自然治癒する場合もあります。

治療のための通院は、1週間または2週間ごとが目安となり、順調に治っているかどうかを確認します。途中で鼻水が増えたら、早めに鼻を吸いに行きましょう。

・真珠腫性中耳炎の場合
手術、鼓室形成術が行われます。

また、中耳炎の治療のは、鼓膜の奥のうみが完全になくなり、聞こえが元に戻ることで終了です。痛みがなくなったり何となく治っているような気がすると、通院をやめてしまう人もいますが、しっかり治し切るまで治療を続けないと中耳炎を繰り返す原因になります。病院で完治したとの判断を受けるまでは、治療を続けましょう。

日常生活で注意したいこと

鼻通りを良くしておくことは、中耳炎の予防につながります。日常生活では鼻の通りをよく気にしておき、もしつまっていたらこまめに吸う事を心がけてください。鼻は強くかまずに左右別々にそっとかむようにするほか鼻水をすする行為は控えましょう。

中耳炎になった際の入浴やプールに関しては医師からの指示のもと判断し、許可が出れば通常通りに行います。予防接種についても、熱や痛みがなければ受けても問題ありません。痛みや発熱のある間は、安静に過ごすようにしてください。

子どものうちは風邪を引きやすいため、どうしても中耳炎になりやすいものですが、腫れ具合がよほど強いものでなければ痛がらないことも少なくありません。そのため、中耳炎になっても気付くことなく、うみが残ってしまったままになっているケースもあります。

風邪をひいたり鼻水が多い時には、一緒に耳も気にするようにして耳鼻科で診てもらうようにしましょう。

自然治癒するケースも

症状が軽い場合、栄養バランスの取れた食事や十分な睡眠など規則正しい生活で身体の状態を整えていれば特に治療をする必要もなく自然に治癒するケースもあります。

中耳炎の予防方法

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合併症のリスクがある上に、治療も場合によっては辛そうな中耳炎。できれば、かからないようにしたいものですよね。次は、中耳炎を予防するために心がけたい事についてご説明します。

生活習慣を見直そう

乱れた生活習慣は、体の免疫力を低下させて細菌やウイルスが侵入しやすい状態を作ってしまい、中耳炎の原因となります。栄養バランスのとれた食事をとるようにするほか、適度な運動を行い、ストレスをためこまないように健康的な生活を心がけましょう。

赤ちゃんは風邪予防を心がけて

中耳炎は、病気への抵抗力がまだ弱い生後半年〜2歳ぐらいをピークにかかりやすいのが特徴のひとつ。中耳炎を予防するには、中耳炎の原因となる風邪の予防を心がけることが必要不可欠となります。

まとめ

中耳炎は、風邪や鼻水が原因で起こるので、誰にでも十分に可能性のある病気。放っておくと悪化したり最悪の場合には合併症を引き起こすこともあるので、心当たりがある場合にはきちんと耳鼻科で受診をしておきたいところです。もし中耳炎にかかってしまったら、完治するまできちんと治療を続けて無理のない生活を心がけるようにしてください。

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