出産・産後 出産・産後
2021年01月23日 18:55 更新

【助産師解説】母乳に良いお茶ってある?授乳中のおすすめと注意点

「授乳中のママにおすすめ」などと銘打って、さまざまな種類のお茶が販売されていますが、母乳の出に良い影響をもたらすお茶は本当にあるのでしょうか? 授乳期のお茶の選び方と注意点について助産師がお伝えします。

授乳中におすすめのお茶とは?

母乳に良い影響を与えるお茶を飲む授乳中のママ
Lazy dummy

日本ではさまざまなお茶が市販されていますが、授乳中におすすめのお茶はあるのでしょうか? 赤ちゃんへの影響がないお茶と、選び方のコツや注意点についてお伝えします。

授乳中はどんなお茶を飲むと良い?

母乳を通してママの体内にある栄養だけでなく水分も赤ちゃんに与えているので、授乳中は食事同様、水分をしっかり摂ることも重要です。

脱水を防ぐためにも1日に1~1.5リットルを目安に、こまめに水分補給を行いましょう。その際におすすめなのが、常温か温かいお水、ノンカフェインのお茶です。

授乳中のカフェイン摂取に関しては完全にNGというわけではありませんが、妊娠中と同様、飲む量には注意が必要です。はっきりしたことはまだわかっていませんが、カフェインのとり過ぎは赤ちゃんに不眠や興奮などの影響をもたらす可能性が示唆されているためです[*1]。

このような理由から、海外の各機関では、授乳中のカフェインは1日の摂取量が200~300mgを超えないよう勧告しています。

ノンカフェインのお茶にはどんなものがある?

母乳に影響を与えるのでカフェイン入りのお茶には注意が必要
Lazy dummy

では、カフェイン量を気にせず飲める「ノンカフェインのお茶」にはどのような種類があるのでしょうか?

カフェインをまったく含まないお茶の代表は、麦茶です。ペットボトルやティーバッグなど用途に応じて選べるので使い勝手もいいですし、妊娠中や授乳中のママはもちろん、乳幼児にも飲めるので、家族で愛飲できるでしょう。

また、麦茶以外にも、最近は「デカフェ」「ノンカフェイン」などと表記した、カフェインを含まないお茶も多く市販されています。

なお、カフェインを含む主なお茶のカフェイン含有量は、おおよそ以下のようになります[*2]。

<市販されている主なお茶の、おおよそのカフェイン濃度>

飲料名 カフェイン濃度 浸出方法
紅茶 30mg/100ml 茶葉5gを、熱湯360mlで1.5~4分
緑茶(せん茶) 20mg/100ml 茶葉10gを、90℃のお湯430mlで1分
ウーロン茶 20mg/100ml 茶葉15gを、90℃のお湯650mlで0.5分
ほうじ茶 20mg/100ml 茶葉15gを、90℃のお湯で650mlで30秒

ただ、カフェインが含まれるとはいえ、前述のように量にさえ気をつければ大きな問題はないので、あまり神経質になることはありません。

母乳の出を良くするお茶ってあるの?

母乳育児中の飲食物を考える際に気になるのが、ママと赤ちゃんの安全性とともに、「母乳の出」ではないでしょうか。母乳の出が悪いと感じたり、母乳不足感を覚えているママであれば、なおさらでしょう。

巷には、キャッチフレーズを見ると、飲めば母乳の分泌が良くなりそうと思えるようなお茶製品も見かけますが、医学的な根拠はあるのでしょうか。

ハーブティーで母乳は増える?

ハーブティーが母乳分泌を促進するという効果はまだ実証されていません。

商品を開発した個々の施設による研究で、ある程度効果が示されたという可能性もないとは言い切れませんが、はっきりしているのは、医学的なエビデンスは今のところないということです。また、妊娠中・授乳中のハーブ製品の使用には注意が必要[*3]なので、気になるときはかかりつけの医師や専門家に相談の上、手に取ることをおすすめします。

母乳の出をよくしたり増やすには、医学的に効果が実証されている方法もあるので、悩んでいる場合はまず母乳外来を訪れ、専門家にアドバイスをもらいましょう。

まとめ

母乳のためにカフェインのないお茶を飲むママ
Lazy dummy

母乳をあげている時期は栄養とともに水分も赤ちゃんにとられているので、ママは1日1~1.5リットルを目安にしっかり水分補給するよう心がけましょう。その際におすすめなのは、常温の水やノンカフェインのお茶です。母乳の出をよくするハーブティーなども市販されていますが、これらが母乳分泌を促すという効果は今のところ実証されていません。カフェイン飲料は飲む量と頻度に気をつけてとり入れてくださいね。

(文・構成:マイナビ子育て編集部、監修・解説:坂田陽子先生)

※画像はイメージです

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、助産師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

PICK UP -PR-

関連記事 RELATED ARTICLE

新着記事 LATEST ARTICLE

PICK UP -PR-