【医師監修】赤ちゃんがしゃべるのはいつから?楽しく言葉を促す3つのポイント

【医師監修】赤ちゃんがしゃべるのはいつから?楽しく言葉を促す3つのポイント

赤ちゃんのおしゃべりがなかなか始まらないと気になりますね。赤ちゃんのおしゃべりはいつごろから始まるものなのでしょうか?赤ちゃんに言葉を促すポイントとともに説明します。


おしゃべりを始める時期、発達の仕方、おしゃべりを促す工夫について

<疑問1>おしゃべりを始めるのはいつから?

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調査結果から見たしゃべり始めの時期

平成22年乳幼児身体発育調査での「一般調査による幼児の言語機能通過率」を見ると、10%の赤ちゃんは生後9~10カ月の間に単語を言うようになっていました。さらに50%の赤ちゃんが単語を言うようになったのは1歳~1歳1ヶ月ごろでした。その後、90%以上の赤ちゃんは1歳6ヶ月ごろまでに単語を言うようになっていました[*1]。

同調査は平成12年にも行われており、平成22年の調査と若干のずれはありましたが、調査結果から、赤ちゃんは生後9ヶ月~1歳6ヶ月ごろまでの間にしゃべり始めることが多いようです。

ただし個人差がとても大きい

とはいえ、言葉の発達には個人差があります。赤ちゃんが正常に成長していても、すべての発達が平均的に見られるとは限らないのです。

言葉の理解や聴力、口腔の機能に問題がなくても、しゃべり始めるのが遅れることはよく見られ、男の子に多いとされています。こうした赤ちゃんの場合、2歳過ぎてから急激に言葉が増えていくことが多いのも特徴です。

また、生まれた時の体重が2,500g未満の低出生体重児と呼ばれる赤ちゃん、中でも生まれた時の体重が1,500g未満の極低出生体重児と呼ばれる赤ちゃんは、明らかな障害がなくても、運動や言葉の発達がゆっくりになる傾向があります。

ただし、こうした赤ちゃんも徐々に発達が追いついて、普通にしゃべれるようになることは多いです。低出生体重児の赤ちゃん含め、発達の時期は1人1人違っていて普通なのです。

<疑問2>おしゃべりはどうやってできるようになる?

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さまざまな発達の積み重ねが大切

おしゃべりが始まる時期が1人1人違うのはなぜなのでしょうか。その答えは、おしゃべりができるようになる過程を知ることでわかります。

言葉の発達は体の機能や心、認知など、全体的な発達が進むことで起こります。そのため、毎日の暮らしで様々な発達が積み重なっていくことが必要です。

言葉の発達のベースに様々な発達があるということをまとめたのが「言葉のビル」です。

中川信子: ことばをはぐくむ―発達に遅れのある子どもたちのために, p95, ぶどう社, 1986.より

[*3]中川信子: ことばをはぐくむ―発達に遅れのある子どもたちのために, p95, ぶどう社, 1986.より、許可を得て転載
ぶどう社『ことばをはぐくむ』
http://www.budousha.co.jp/booklist/book/kotobawohagukumu.htm

この図を見るとわかるように、

・口や呼吸器を使うこと
・言葉を教えてもらうこと
・言葉でわかり合うこと
・豊かな体験や経験
・手を使うこと
・情緒の発達
・体の発達や十分な運動
・規則正しい生活
・楽しく遊ぶこと

これらの積み重ねが、赤ちゃんのおしゃべりに関わっています。
こうした積み重ねを経て、乳児期前半には意味のない声をあげていた赤ちゃんが、やがて大人の言葉をまねてしゃべるようになり、だんだんと意味のある言葉としてしゃべるようになっていきます。その結果、一般的には1歳6カ月頃から単語をどんどん理解できるようになり、2歳過ぎくらいから2語文をほとんどの子どもがしゃべるようになるのです[*2]。

さらに、相手の言葉を聞き取って返事をするのは簡単なようでいて、次の過程とそのための力が必要となります[*4]。

1.相手の言葉を音声として聞く=耳で聞く力
2.音声を言葉として聞き取る=1つずつ音を聞き取る力
3.言葉の意味がわかる=脳の中に言葉の辞書が構築されている・その脳内にある辞書から該当する意味を見つけ出せる力
4.言われた言葉の意味を読み解き考える=言語を使って考える力
5.返事したい内容に合致する言葉を探し出す=脳内の言語辞書を調べる能力・調べる間に注意を持続する力
6.返事する言葉の音を脳の中で順番に並べる=舌や唇や顎をスムーズに動かす力・言葉や文章を言い終わるまで記憶する力
7.自分が発した音(言葉)に間違いがなかったかどうかチェックする=正常な聴力・短時間の記憶力

このように、しゃべること、会話することには、心身の様々な発達や能力が必要です。それぞれの成長する時期やスピードは赤ちゃん1人1人で違うため、赤ちゃんがしゃべり始める時期は個人差が大きくなるのです。赤ちゃんのおしゃべりの始まりがちょっとゆっくりでも、焦らないで見守ってあげたいですね。

言葉に繫がる月齢ごとの発達の目安

しゃべり始めの時期以外にも、言葉につながる発達が始まるだいたいの時期はわかっています。念のためその過程も見てみましょう。

国立成育医療研究センターの資料では、現在、乳児期~6歳までの発達を判定する方法として世界標準となっている「Denver II-デンバー発達判定法-」を元に、その判定法で90%の赤ちゃんに見られた発達を示しています(「乳児期の発達のマイルストン」[*5])。そのなかで言語について抜き出すと、次の通りとなります。

・0ヶ月 ベルに反応、声をだす
・2ヶ月 「アー」「ウー」などの発声
・3ヶ月 声を出して笑う
・4ヶ月 キャアキャア喜ぶ
・5ヶ月 音の方に振り向く
・6ヶ月 声の方に振り向く
・8ヶ月 パ、ダ、マなどを言う
・10ヶ月 喃語を話す
・11ヶ月 ダ、ガ、バなどの音を3つ以上つなげる
・12ヶ月 意味なく「パパ」「ママ」という

上記はあくまで目安ですので、当てはまらない赤ちゃんもいます。おしゃべりが始まる前から、赤ちゃんの中でたくさんの言葉の芽が育っていることがわかりますね。

<疑問3>赤ちゃんのおしゃべりを促す工夫はあるの?

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言葉の発達は、脳に入ってくる色々な感覚をまとめあげ、言葉の発達に関わる脳の働きをよくすることで促されます。
赤ちゃんには次のような遊びで脳に刺激を与えてあげましょう。

・揺れ:ブランコ
・回転:抱っこで回転、イモムシゴロゴロ
・加速度:すべり台
・上下動:高い高い
・触覚:抱きしめる、水遊び


遊ぶ時は親子で笑い合って楽しみたいですね。
外遊びもいい刺激になります。赤ちゃんのうちから天気や体調を見ながら、公園などへ遊びに出かけましょう。

言葉が育つ話しかけ

言葉を話すことはコミュニケーションの始まりです。
赤ちゃんが何かに注目したら言葉と態度で応え、赤ちゃんの興味に大人が寄り添いましょう。

たとえば、赤ちゃんが何かを見つけて指さしたり「あ!」と声を上げたら、「●●だね」「〇〇がいたね」というように、見つけたものの名前や様子で語りかけながら応えたいですね。
犬を見つけた時には「わんわんだね」「フサフサだね」「かわいいね」と、大人の目から気づいたことを話しかけてください。

一緒に注意を向けながらコミュニケーションを取ることで、赤ちゃんの心の中にコミュニケーションの楽しさや言葉が根づいていきます。

言葉が育つコミュニケーション

声や大きな身振り以外でも、コミュニケーションは行われています。

赤ちゃんによく見られるのが、視線のやり取りです。

授乳中や絵本の読み聞かせの時などに、赤ちゃんがじっと顔を見つめてくることがあります。そんな時にはお互いに見つめ合って、笑顔で視線を交わしましょう。

赤ちゃんの様子に寄り添い、目線で応えることでコミュニケーションは深まり、赤ちゃんの言葉の発達へと繫がるでしょう。

<疑問4>なかなかしゃべらないときはどうする?

~気がかりな時は専門家に相談を~

赤ちゃんの言葉の発達が順調かどうかは、なかなかわかりにくいものです。他の赤ちゃんと比べるとしゃべり始めが遅いように感じて、不安になることもあります。

赤ちゃんがなかなかしゃべり始めなくて気になったり、しゃべり始めないこと以外にも気になることがある場合には、かかりつけの小児科のほか、市町村保健センター、地域子育て支援センターに気軽に相談してみましょう。地域の保健センターなどでは、乳幼児の発達についての勉強会などを行っている場合もあります。

まとめ

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赤ちゃんがしゃべり始める時期は、一般的には9ヶ月~1歳6ヶ月ごろが多いようです。ただし、言葉の発達には個人差があり、正常に発達していてもしゃべり始めるのが遅いこともあります。

体と心のさまざまな発達や毎日の体験などが積み重なって、赤ちゃんはしゃべり始めます。おしゃべりが遅いと気になった時には、遊びや話しかけ、コミュニケーションを工夫してみましょう。

また、言葉の発達のことで気になることがあったら、小児科や市町村の保健センター、地域の子育て支援センターなどで専門家にどんどん相談しましょう。遊んだり、話しかけたり、コミュニケーションを取りながら、大変だけれど1度しかない赤ちゃんとの日々を慈しんでいきたいですね。

この記事の監修ドクター
大越陽一先生
杏林大学医学部卒業、杏林大学医学部小児科学教室任期助教、埼玉県立小児医療センター循環器科医長を経て現在アルテミスウイメンズホスピタル小児科勤務。小児科専門医

(文:大崎典子/監修:大越陽一先生)

※画像はイメージです

参考文献
[*1]「平成22年乳幼児身体発育調査」P3「図2 一般調査による幼児の言語機能通過率」
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001tmct-att/2r9852000001tmea.pdf
[*2]1p 厚労省:子どもの心の診療医の専門研修テキスト 平成20年
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/pdf/kokoro-shinryoui03.pdf
[*3]中川信子: ことばをはぐくむ―発達に遅れのある子どもたちのために, p95, ぶどう社, 1986.
http://www.budousha.co.jp/booklist/book/kotobawohagukumu.htm
[*4]中川信子: 子どものこころとことばの育ち―親子を共に支援するために, 小児耳 2013; 34(3): 234-238
https://www.jstage.jst.go.jp/article/shonijibi/34/3/34_234/_pdf/-char/ja
[*5]「乳幼児健康診査身体診察マニュアル」国立研究開発法人 国立成育医療研究センター(平成30年3月)
https://www.ncchd.go.jp/center/activity/kokoro_jigyo/manual.pdf

※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

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