妊娠 妊娠
2022年09月30日 19:20 更新

カフェインレスコーヒーは妊娠中に飲める?ノンカフェインとは違う?おすすめの飲み物も紹介【管理栄養士監修】

コーヒーを飲みたいけれど、妊娠中だからカフェインが気になる……。妊娠中にコーヒーを飲むのを我慢してはいませんか? 最近よく見かけるようになったカフェインレスコーヒーなら飲んでもよいのでしょうか? ノンカフェインとカフェインレスの違いもお教えします。

カフェインレスコーヒーとは

カフェインレスコーヒー

妊娠中にコーヒーが飲みたいとき、カフェインレスコーヒーを選ぶこともあると思います。似た言葉にデカフェ(ディカフェ)やノンカフェインもありますが、その違いを見ていきましょう。

ノンカフェインとカフェインレスの違い

「ノンカフェイン」と「カフェインレス」は似たような言葉ですが、意味は異なります。

ノンカフェインとはカフェインを全く含まないことを意味します。基本的にノンカフェインという言葉はコーヒーではなく、もともとカフェインを含まない飲み物に対して使われる言葉になります。たとえば、麦茶やそば茶、コーン茶などはノンカフェインの飲み物です。

一方、カフェインレスコーヒーは、カフェインを90%以上除去したコーヒーのことを指します[*1]。したがって、カフェインがゼロのコーヒーという意味ではなく、カフェインがとても少ないコーヒーだということですね。また、デカフェと呼ばれるコーヒーもありますが、カフェインレスコーヒーと同じです。

「ノンカフェイン」「カフェインレス」「デカフェ」などの言葉から、カフェインの含有の有無などがわかるので、飲み物を選ぶときの参考にしてください。

妊娠中にカフェインがよくない理由

妊娠中 カフェイン

妊娠中はカフェインの摂取量に注意するようにと言われますが、なぜカフェインはよくないのでしょうか。

カフェインの影響

カフェインは、摂りすぎるとめまいや心拍数の増加、興奮や不安、震え、不眠、下痢、吐き気や嘔吐といった症状が出ることがあります[*2]。また、長期的な影響としては、個人差はあるものの、高血圧のリスクが高くなる可能性もあるとされています[*2]。

特に、妊娠中の女性に対するカフェインの影響としては、世界保健機関(WHO)は1日300mg以上のカフェインを摂取した妊婦の場合、出生時の低体重、流産や死産のリスクが高まる可能性があるとしています[*2]。

コーヒーは飲んじゃダメ?

まず結論から言うと、妊婦さんがコーヒーを飲んでも問題はありません。ただし、飲む量には気を付けたいということです。

日本では妊娠中のカフェインの摂取量について目安量などは出されていませんが、欧米ではいくつかの国が示しています。それを参考にすると、1日200~300mgまでにするのがよいでしょう。

コーヒーには抽出液100ml当たり60mgのカフェインが含まれます※[*3]。仮にコーヒーだけでカフェイン300mgを摂取する場合、500mlに該当します。カップの大きさにもよりますが、150mlのカップなら3杯程度、200mlのマグカップなら2杯程度です。

なお、カフェインによる影響は、毎日300mg以上を摂取した場合にリスクが上がるということなので、過度に心配しすぎずに、飲み過ぎてしまった場合は次から控えるようにするといいでしょう。

---------------------
※これは一般的な方法で入れた場合(コーヒー豆の粉末10gを熱湯150mlで浸出)の数字となります。濃く淹れた場合はこの数字よりも多くなると考えられます。

コーヒー以外からのカフェイン摂取も考慮して

カフェインはコーヒーだけでなく、紅茶や煎茶、烏龍茶などの茶葉を使用した飲み物や、コーラ飲料などにも含まれます。また、カフェインを人工的に添加したエナジードリンクなどもあります。コーヒーは1日数杯程度にしていても、カフェインを含む他の飲み物をたくさん飲んでしまうとカフェインの摂りすぎにつながるので、飲み合わせにも気を付けしましょう。

カフェインレスコーヒーでうまくカフェイン量を調整するのも1つですね。カフェインレスでも香りや味ほぼ変わらず、酸味も感じられます。同じ量のコーヒーを飲んでもカフェインを控えられるので、不安を感じず楽しむことができます。

Lazy dummy

なお、カフェインは飲み物以外に、風邪薬や酔い止めなどの市販の医薬品にも含まれていることがあります。

授乳中もコーヒーは減らすべき?

授乳中も妊娠中と同じく1日200~300mgを超えないようにしましょう。

米国疾病予防管理センター(CDC)によると、カフェインは母乳を通じて赤ちゃんの体に少しずつ入っていきます。そのため、母親がカフェインを摂り過ぎた場合、赤ちゃんがイライラする、寝つきが悪い、神経過敏が見られるなどの影響が考えられます[*2]。

赤ちゃんへのリスクも考慮して、コーヒーが飲みたいときは妊娠時と同じようにカフェインレスのものを選んだり、カフェインを摂り過ぎないよう、控えめに飲むようにするといいでしょう。

なお、特に早産児や新生児はカフェインを分解するのが遅いため、よりカフェインを減らすことを考えた方がよいともされます[*2]。

妊娠中におすすめの飲み物

タンポポコーヒー ノンカフェイン

妊娠中におすすめしたいのはノンカフェインの飲み物です。カフェインを気にしないで飲めるものをご紹介します。

麦茶・そば茶・タンポポコーヒーなど

妊娠前はコーヒーや紅茶、煎茶などをおもに飲んでいた方は、ノンカフェインの飲み物と聞いても、あまり具体的に思い浮かばないかもしれませんね。妊婦さんにおすすめしたいのは、麦茶、そば茶、タンポポコーヒーなどです。香ばしい風味やすっきりとした飲み心地が楽しめます。試してみてくださいね。

妊娠中の飲み物についてはこちらもチェック!

まとめ

妊娠・授乳期にコーヒーを飲むときは量に気を付けたり、カフェインの少ないものやノンカフェインの飲み物を上手に組み合わせるといいですね。カフェインレスコーヒーは、通常のコーヒーよりカフェインを控えたいときなどに活用できるでしょう。飲み物を適度に楽しみ、リラックスしてマタニティーライフを過ごしたいですね。

(文:二橋佳子 先生/監修:川口由美子 先生)

※画像はイメージです

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、管理栄養士の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

PICK UP -PR-

関連記事 RELATED ARTICLE

新着記事 LATEST ARTICLE

PICK UP -PR-