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いつだってベストな自分でいよう。生理のこと、改めて先生に聞いてみました。

いつだってベストな自分でいよう。生理のこと、改めて先生に聞いてみました。

仕事もプライベートもいつだってしっかり向き合いたい。なのに、生理で身体も気持ちも調子が悪い……。マイナビウーマン読者世代は様々な人生の曲がり角に立つことも増えてきたからこそ、今一度「生理」のことについて向き合ってみませんか? 丸の内の森レディースクリニック宋美玄先生に聞いてみると、意外と知らないことが多いことに気づきます。先生の考える生理との新しい向き合い方について詳しく教えてもらいました。

宋美玄先生:
産婦人科専門医・医学博士・FMF認定超音波医。2017年に「丸の内の森レディースクリニック」を開業。ベストセラー『女医が教える本当に気持ちのいいセックス』(ブックマン社)ほか著書多数。

さおりん(33歳/未婚)
〈職業〉ホテル勤務(社会人10年目)/料理家(3年目)
〈生理にまつわる症状での悩みや対処について〉
PMS、眠気、だるさ、トイレに行きたいときに勤務時はすぐに行けないことが悩み。

エイミー(35歳/未婚)
〈職業〉IT業界勤務(社会人12年目)
〈生理にまつわる症状での悩みや対処について〉
生理期間はとにかく重い痛みがあり、鎮痛剤なしでは日常生活は困難……。鎮痛剤を服用して対応している。

さおりんエイミー:私たち毎月生理と闘っているので、メディアでも活躍している先生にお話を伺えるのを楽しみにしていました! よろしくお願いします。

座談会

宋先生:こちらこそ、よろしくお願いします!

さおりん:私は、生理が始まる数日前から眠気、だるさ、下腹部の腹痛が強くなり、勤務中は鎮痛剤を肌身離さず持っています。ホテル勤務で立ち仕事なので、なかなかトイレに行けないのがとても辛いと感じています。

エイミー:生理前から痛みがあり、生理が始まって1日目がピークです。子宮がぞうきん絞りされているようなぎゅーっとした痛みが断続的に続きます。私も、鎮痛剤を飲まないと仕事ができません。

宋先生:お二人とも生理痛にとても悩まされているのですね。その悩みを職場の人やかかりつけの先生に伝えたことはありますか?

さおりん:職場の人には「辛そうだね。でも生理痛はたいていの女性にはみんなあるからね」と。強い痛みがあったので婦人科を受診したのですが、先生には「そうだよねきついよね」と共感してもらっただけで、特に具体的な解決策はなく、漢方薬をもらいました。漢方薬を飲み続けるのは大変なので、途中で止めてしまいました。

エイミー:生理痛の痛みは個人差がありますよね。職場の人に言っても、「本当に?」と思われそうなので、話したことはありません……。受診した婦人科の先生には「生理に異常がなければ大丈夫。生理痛は痛くて当たり前」と言われました。だから、痛みは鎮痛剤を飲んで我慢するしかないものと諦めてしまいました。

PICK UP

日経BP総合研究所の「生理快適プロジェクト」の「働く女性1956人の生理の悩みと仕事と生活」の調査では、1,958人の女性に「不快な症状の影響を受けている時の仕事の出来は?」と聞いたところ、23.8%が「7点」、21.2%が「6点」と回答しており、平均点は6.35点でした。生理中も支障がないことを意味する「10点満点」で回答したのはわずか3.7%と、多くの女性が生理になると仕事に影響を受けていることが分かりました。

グラフ1グラフ2

また、「生理の症状や、症状を軽減する対策について受けたことがある教育は?」の質問に対して、79.3%が「特に教育を受けたことがない」と答えています。そのため、多くの女性が生理に対する対処法を知らないという現状がありそうです。

宋先生:鎮痛剤を飲む以外の選択肢を考えたことも与えられたことも、なかったんですね。

座談会

エイミー:生理の症状や、症状を軽減する対策について、今まで何も教育を受けたことがなく、我慢する以外にどのような選択肢があるかあまり深くは知らないんです。

生理痛があるのは、実は普通ではないということ

宋先生:お二人とも生理痛に悩まれているんですね。生理痛があるのは当たり前ではなくて、その程度によっては「月経困難症」という診断が下ります。月経困難症は、月経中に起こる腹部の痛み・腰痛・疲労感などの症状や、イライラなどの心の症状が、日常生活に支障をきたす状態です。驚くかもしれませんが、実は、少しでも生理痛があって鎮痛剤を飲まないと日常生活が送れない状況って、身体にとって正常ではないんです。

さおりん:えっ、そうなんですね! 先生それってどういうことですか? 詳しく教えてほしいです!

座談会

宋先生:痛みのレベルは人によってさまざまで比較も可視化もできないため、自分が異常だと認知しにくいです。日本では800万人以上もの女性が月経困難症を抱えていると考えられています。月経困難症を疑って相談に来た方の中には子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮筋腫などの子宮の病気が見つかるケースもあるんですよ。
それにも関わらず、月経困難症で悩む人のうち、婦人科を受診するのはわずか10%しかいません(※1)。この数値は、自分の生理痛が受診するほどではないと考えていたり、病気ではないので多忙を理由に受診には至らないケースが多いと推測されます。

さおりんエイミー:わたしたちの周囲にも婦人科を受診した経験がないって人もいますね……。

宋先生:そうなんです。特に子宮内膜症は、近年患者数が増え続けている病気で、月経困難症を持つ女性は子宮内膜症のリスクが2.6倍高まると報告されています(※2)。だから、生理時に強い痛みがあるのに「生理痛が強いのは当たり前」と言って放置することは実は怖いことなのです。月経困難症には2つのタイプがあります。まず1つ目が「機能性月経困難症」です。子宮内膜症・子宮腺筋症といった病気を認めないもののことをいい、10代がピークとされています。出産後、または加齢するにつれて改善しやすいと言われています。2つ目が、「器質性月経困難症」です。子宮内膜症、子宮筋腫、子宮腺筋症などの器質的な病気に伴う月経困難症で、 30代以降の女性に多くみられます。機能性とは対照的に、加齢とともに重くなっていくのが特徴です。

エイミー:生理中は鎮痛剤が手放せない私たちにも、そのようなリスクがあるということですね。

座談会

宋先生:そうなんです。先生によっては、内膜症や筋腫などが画像で可視化されなければ「今は病気ではないから大丈夫」ということでそのままにしておくケースも多いです。実は、妊活中ではない人にとっての毎月の生理って身体に負担でしかありません。昔と比較してみましょう。20代になるとすぐに結婚して4-5人出産していた時代は、子宮内膜症をはじめとした婦人科系の病気を発症する人はまれでした。これは、妊娠・出産の期間に生理が止まることで、生理の回数が減り、それだけ子宮や卵巣への負担を軽減することができていたためです。私のクリニックでは10代の女性に、学校を休んでまで強い生理痛を我慢して、というのは酷だと思っているため、強い生理痛を感じる方には10代からの治療を積極的にすすめています。

選択肢はさまざま。治療方法はどんなもの?

さおりん:今まで私たちは鎮痛剤に頼りながら我慢するしかないと思っていたのですが、他にも選択肢があるということなんですね! ぜひ教えてください。

座談会

宋先生:主にこのような治療があり、それぞれの年齢や環境に応じて適切な治療法を選択するのがいいですね。生理期間中の憂鬱な日常生活を改善するためにみてみましょう。

① LEP(以下、LEP:Low does Estrogen Progestin)
月経困難症や子宮内膜症の治療薬として処方される低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬です。排卵と子宮内膜の増殖を抑制することで痛みの物質(プロスタグランジン)の過剰な産生を抑え、生理痛を和らげます。毎日決まった時間に28日周期で服用し、月1回の頻度で生理のような出血を起こします。連続した服用が可能で、最大120日間連続服用ができる種類もあります。40代以上の方、肥満の方、親族で特定の既往歴がある方は血栓症のリスクがあり、飲み忘れると不正出血が起こります。飲み始めの不正出血の場合は服用を継続することによって不正出血の改善が期待できます。副作用として頭痛や吐き気そして不正出血が起こる方もいらっしゃいますが、比較的飲み始めの時期に起こりやすく、継続服用によって収まることが多いです。耐えられない方には、比較的副作用がおだやかな薬を提案します。

② 子宮内黄体ホルモン放出システム(以下、IUS:Intra Uterine System)
黄体ホルモンを放出する器具を子宮の中に装着することで、内膜に直接作用し、増殖を抑えます。これにより経血量が減少し、プロスタグランジンの産生が抑えられ、生理痛が緩和されます。一度装着すると最長で5年間効果が持続しますが、妊娠をしたいと思った時点で器具を外すことが可能です。

宋先生:①②は、私も服用してきましたが、いつ来るかわからない生理に振り回されることがなくなります。①の中でも連続して服用できる種類や、②については、そもそも毎月来る生理周期という概念やサイクルがなくなるので、精神的な負担がかなり軽減されました。

③ 黄体ホルモン剤:
卵巣の機能と子宮内膜の増殖を抑える薬剤で、月経困難症を軽減してくれます。一般的に生理は来なくなりますが、開始して3ヵ月までは月経時以外の不正出血が断続的に起こることがあります。

宋先生:今すぐに子どもを望んでいないのであれば上記3つの治療法を選択して女性ホルモンを調整し、生理の回数を減らすことは身体への負担軽減につながります。生理は受精のための準備なので、妊活していないのであれば必要な現象ではありません。むしろ生理によって子宮や卵巣に負荷がかかってしまい、子宮内膜症などを発症する原因になる場合もあります。

④ 鎮痛剤:
鎮痛剤は、痛みの元になるプロスタグランジンの産生を抑えることで、生理痛等の痛みを和らげてくれます。市販薬もありますが、体質によってアレルギー反応がでる場合もあるので注意しましょう。

⑤ 漢方薬:
漢方には月経困難症を治療できる種類が多数あり、PMSやむくみなどの症状に合わせ漢方医学的診断に基づいて処方されます。体質を改善し、自然治癒力を高めることで生理痛を緩和してくれます。時間をかけて治療する方法で、飲み続けるのが難しい方もいらっしゃるかもしれませんが、速効性のある漢方薬もあります。(※4)

宋先生:鎮痛剤は、生理期間中の痛みを一時的に解決はしてくれますが、根本的な治療ではないことを認識しておきましょう。

さおりん:LEPや漢方薬は知っていましたが、その他にもこんなに選択肢があるんですね。

エイミー:ホルモン治療というと何か大きな治療をイメージしていました……。これまでもナプキンなどの生理用品や、鎮痛剤、貧血改善のための鉄分のサプリなど、費用負担が多く困っていました……。

宋先生:生理の対処ってどうしても定期的にコストがかかりますよね……紹介した治療法の価格はまちまちですので、ご自身が無理なく続けられるようなものが見つかるのではないかと思いますよ。お近くの婦人科で相談してみてくださいね。

エイミー:はい! ちなみに生理って25~38日周期で来るのが正常とよく耳にします。一部のLEPや黄体ホルモン剤の服用で生理が数ヵ月間来ないということですが、数ヵ月に一度の生理でも問題ないんですか?

座談会

宋先生:実は、問題ありません。昔の女性は、初潮が来たら結婚して約5-6人出産するのが一般的だったこともあり、必然的に生理の回数が少なく、子宮や卵巣への負担も今ほどありませんでした。それを踏まえると現代の女性の身体はホモサピエンスとして不自然とも言えるんですね。現代の女性は初潮が12歳で来て20年以上子どもを産まないのが一般的になりつつあります。昔の女性に比べ、出産回数が減ったために生理の回数が増え、生理がある期間が長くなっています。ある調査(※3)では、昔の女性の生涯の生理回数は約50回であったのに対して、現代の女性はなんと約450回もあるということが分かっています。生理の回数が増えたことで子宮や卵巣に負担がかかり、子宮体がん、子宮内膜、卵巣がんなどの病気の増加につながっている状況です。

さおりん:生理って、そもそも決まった日に、25~38日の範囲内で来ないといけないもので、来ないと不安になるというのが当たり前になっていました。

宋先生:LEPや黄体ホルモンを服用していないのに生理周期が25~38日の範囲外の場合は「続発性無月経」や「希発月経」が疑われるので、一度婦人科へ相談することをすすめています。
昔の女性のように20代で子どもを5-6人産むことは現代女性では多くはないと思うので、私は自分の患者様には「先ほど挙げたLEP、IUS、黄体ホルモン剤の3つの治療方法などを取り入れることで、昔のように子供をたくさん産んで生理があまり来なかった体に近づくことができるんですよ」とお伝えしています。

さおりん:ライフプランはそれぞれなので、そこは相談ですね……!

エイミー:確かに。自分の症状を把握して、自分にあった適切な治療を考えたいですね。

あなたも生理痛や生理に関する症状で悩んでいませんか? まずはセルフチェックで、ご自身の生理をチェックしてみましょう。

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意外と生理について知らない事も多かったのでは? 生理に関するいろいろな情報を定期的にお届けする「生理痛@LINEヘルスケア」で、生理を正しく理解することから始めましょう。

※「LINE」「LINEロゴ」「LINEヘルスケア」はLINE株式会社の登録商標です。

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症状検索エンジン「ユビー」なら、いつでもどこでも気になる症状から関連する病名と近隣の医療機関を調べることができ、適切な受診をサポートします。

※ユビーは医療情報の提供のみを行っており、医学的アドバイス、診断、治療、予防などを目的としたものではありません。

症状検索エンジンユビー

自分に合った治療法を選択してもっと過ごしやすく。わたしらしく。

エイミー:治療は自分で選択してできることなので、まずは婦人科に相談してみます!

宋先生:月経困難症の詳しい話については、10月にオンラインセミナーを行います。治療の詳しい話や働く女性にとって役立つ内容をお話するので、ぜひご参加くださいね。 「もしかしたら私は月経困難症かも……?」ともやもやされている方には、そもそも生理が何のためにあるかを考えてほしいです。生理は老廃物を排出してデトックスしてくれるような出血ではありません。生理痛や生理にまつわる不快感に振り回されるのが当たり前と考えるのではなく、生理であっても仕事や日常生活をより良いものにするために自分の意思で自分にあったものを選択していいのです。強い生理痛に悩んでいる方は、月経困難症の治療や情報発信に熱心に取り組んでいる婦人科への受診をおすすめします。寿命はますます延びていきます。年齢とともに女性の身体の悩みは変わっていきますので、その時々のステージに応じて長く付き合えるドクターと出会ってくださいね。

座談会

タイトル:
いつだってベストな自分でいよう。篠田麻里子さんと学ぶ、婦人科医師が教える「生理」との上手な付き合い方
開催日時:
10/12(水)
プログラム:
「生理との上手な付き合い方」について学ぶことができるオンラインセミナー。 本セミナーでは、働く女性がどうやって生理と向き合っていけばいいか、自分らしく働くための考え方や生理との上手な付き合い方について婦人科医の宋美玄先生にお話しを伺いながら、篠田麻里子さんと一緒に学んでいきます。
  • 第一部:
    篠田麻里子さんの、自分らしく働くための考え方
  • 第二部:
    宋美玄先生から学ぶ、働く女性の「生理」との上手な付き合い方
  • 第三部:
    読者からの質問コーナー
申込方法:
下記URLよりメールアドレスを入力の上、送信をお願いします。ご登録いただいたメールアドレスに視聴URLをご案内します。

セミナー応募はこちら

※1 日本子宮内膜症啓発会議「Fact Note P3 図4 月経困難症患者の現状」
※2 Treloar SA et al. Am J Obstet Gynecol 2010)
※3 Short RV: Proc R Soc Lond B Biol Sci.1976; 195(1118):3-24. より算出
※4 漢方薬の詳細については日本産婦人科医会HPをご覧ください

提供:バイエル薬品株式会社
MAC-PF-WHC-JP-0270-02-09

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