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【ビジネス・プライベート】手土産の正しい渡し方とは

佐野昭子

Hatsumi

取引先への挨拶や、恋人の家族への挨拶など、社会人になると手土産を渡すシチュエーションが増えます。相手に気持ちよく受け取ってもらえるように、そのときどきに応じた渡し方を知っておきたいですよね。そこで今回は、ホスピタリティエバンジェリストの佐野昭子さんに、シーン別の手土産の渡し方や知っておきたい紙袋の扱い方、渡すときに添えるべき言葉などについて解説してもらいました。

手土産の渡し方と正しいマナーとは

まず理解しておきたいのは、ビジネスであれプライベートであれ、手土産はプレゼントであり日ごろの感謝やお詫びの気持ちを伝えるためのものです。「とりあえず持っていけば大丈夫」という考えがないようにしましょう。相手を大切に想っていなければ、ただの物の受け渡しとなってしまい、いい加減な気持ちが伝わってしまうものです。

それを踏まえた上で、手土産の正しい渡し方とマナー、注意すべきポイントなどについてシーン別に見ていきましょう。

ビジネスシーンにおける手土産の渡し方

まずは、ビジネスの場における手土産の渡し方についてご紹介します。訪問時に手土産を渡すタイミングは、受付ではなく、挨拶や名刺交換などが終わった後に渡すのがマナーです。ただし、年末年始の挨拶ですぐに帰らなければならない場合は除きます。会食時の手土産は、会食がお開きになった帰り際に直接手渡しします。あらかじめ席に置いてあるケースもありますが、できれば手渡しのほうが丁寧でしょう。

また、一対一ではない場合は役職が上の人同士での受け渡しとなります。渡す際には、紙袋や風呂敷から出して手渡すのがマナーです。紙袋や風呂敷は手土産を汚れやほこりから守る物であるため、相手には渡さずに持ち帰るのが礼儀です。会食時のお土産として渡す場合には、お持ち帰りいただくことを考えて紙袋を添えて渡すというケースもありますので、相手のことを考えて臨機応変に対応しましょう。

手土産は相手側の負担にならず、みんなで食べられるお菓子などが喜ばれるでしょう。その場合、切り分ける必要がなく、衛生面も考慮した個包装の物にするのがスマートです。さらに、日持ちするものであればより安心ですね。

プライベートにおける手土産の渡し方

続いて、恋人の家族への挨拶や友人宅に招待されたときなど、プライベートにおける手土産の渡し方をご紹介します。

玄関でお出迎えされて応接間に通された場合、まず手土産を紙袋から取り出して、紙袋は軽くたたんで脇に置きます。挨拶を終えた後に両手で手土産を持ち、いったん自分の正面に置きます。それから180°向きを変えて両手で渡しましょう。

和室の場合も、取り出して渡すまでは同様です。ただし、座布団を差し出されても、手土産を渡す前はまだ座布団の上に座らないのがマナーなので、まず座布団の脇に正座し、手土産を渡してから座るようにしましょう。

手土産は、家族構成や人数を考えて選びましょう。自分の好きな物ではなく、あくまでも贈る相手が喜んでくれる物を選ぶことが大切です。事前に好みをリサーチしておくこともポイントです。コーヒー・紅茶より日本茶という人なら、洋菓子より和菓子を。もし年配の人がいるようであれば、硬い物は避けるという配慮が必要です。

ケーキなどを持っていく場合は、自分の分を足しても問題ありません。「ご一緒にいただこうと思いまして」と渡せば、先方も安心して手土産をその場で広げることができます。

特殊なケース、こんな場合は?

要冷蔵の物や花束などを手土産にした場合は、特殊なケースとなります。渡し方も変わってくるため、ポイントをおさえておきましょう。

要冷蔵(要冷凍)の手土産を渡したい場合は、受付や玄関先で速やかに渡しましょう。その場合「要冷蔵(要冷凍)の物なので、冷蔵庫(冷凍庫)で保管していただけますか?」と保管方法を一言添えます。特に、夏季はせっかくの手土産が台なしになってしまう可能性が高いので、気をつけましょう。

ビジネスシーンでお花を渡したい場合には、原則として長持ちする種類のお花を選びます。また、花粉が落ちる物や花弁が落ちやすい種類の物は、お花の世話をする人が大変になるので避けたほうが無難です。生花を渡すときは「お花にお水をお願いできますか?」と渡します。半永久的に枯れることのないプリザーブドフラワーであれば、応接室・会議室でのお渡しが可能です。

プライベートで恋人や友人などへ花束やブーケを渡すときは、サプライズ演出が効果的です。待ち合わせに相手がきたら、すぐにプレゼントしましょう。アレンジメントフラワーの場合は、食事の前や別れ際、何かほかの贈り物と一緒に渡しても問題はありません。どちらも、季節感を取り入れた花を選ぶと喜ばれるでしょう。

渡すときの一言は?

最後に、手土産を渡す際に添える言葉について解説します。

日本人が言いがちな「つまらない物ですが」という謙遜した言い方は、せっかく選んだ贈り物がつまらないという意味にとらえられてしまったり、形式張っているように聞こえたりするため、あまり好印象になりません。

「お口に合うとうれしいのですが」「○○さんをイメージして選んでみたのですが」「○○がお好きと伺ったので」など、相手を思って選んだという想いがこもった言葉は、受け取る側も喜んでくれるでしょう。

次ページ:手土産は心配りの証。相手の好物を先に把握しておこう

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