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パステルカラーの似合うメイクで人生楽勝? 丸の内OLに憧れるラジオ局AD #美容迷子のお守りコスメ

長田杏奈

働く女性にとって、メイクやスキンケアは欠かせない習慣。その一方で、たくさんの葛藤や不安を抱えながら“美容迷子”に陥っている人は多いもの。そんな迷える女性のお悩みに、美容ライター長田杏奈さんがコスメで回答。毎日自信を持って働くための「お守りコスメ」を提案します。

【今回の美容迷子】都内のラジオ局で働くAD女子

憧れていたマスコミ職で、今はAD(アシスタントディレクター)からディレクターになる過渡期。仕事にやり甲斐はあります。でも、多忙と飲み会好きが相まって、終電を逃すのは日常茶飯事。寝不足が続くと、顔のうぶ毛がヒゲのように濃くなって「このままじゃ男になってしまう!」と、焦りを感じることも。普段は最低限のベースメイクをして、時間があればアイメイクも、という程度。たまにリップを塗ったり、女子っぽいスカートをはいて出社すると「デート?」とか聞かれるのが面倒くさい!

最近、疲れたときに「丸の内OLみたいな人生楽勝コースもあったんじゃないか」と妄想するんです。キレイなネイルやヒールにパステルカラーの服を着て、定時に帰って土日も休み。私だって、ラクしてチヤホヤされたい! 手っ取り早く、憧れの丸の内OL像に近づけるコスメってありますか?(るみこ/25歳/ラジオ局AD)

「丸の内OLに憧れる自分」vs「キャラを変えられない自分」

「憧れの丸の内OL像」に近づけるコスメは、あります。でも、それを知ったところで本当にるみこさんにとってお守りになるのかはかなり疑問でした。

まず、るみこさんが思い描く丸の内OL 像は「ちょっと茶色いセミロングの巻き髪。白いブラウスにパステルカラーのスカート、ヒールにピンクの財布。イヴ・サンローランのリップにピンクのアイシャドウ、すごいネイルにマツエクも。職種は一般職で、見た目はアナウンサーみたいな感じ」というもの。かなりディテールが細かいので、本気で憧れているならその通りなぞれば済む話。私の出る幕はありません。

実際にリップを見に行ったり、マツエクを試したこともあるそうなのですが、イマイチしっくりこず「そんなことに金かけてる場合じゃない! 服とか飲み食いにかけたい!」と思ったそう。どうやら、彼女自身が思い描く「丸の内OL像」とはだいぶ価値観がかけ離れているよう。「やればできないわけじゃないけど、身分をわきまえている」というひとことも印象的だった、「今さらキャラを変えられない」という25歳。若ッ!

「丸の内OL」は実在するのだろうか?

そもそも、「丸の内OL」は実在するのでしょうか? 丸の内にオフィスがある一般職の会社員ならたくさんいるでしょう。でも、るみこさんが想像するような、判で押したようなフェミニンコンサバに身を包み、クセもない代わりに個性もない、ラクしてチヤホヤされているような人たち……、このシビアなご時世に実在するの!?

丸の内OLの知り合いはいないというるみこさん。でも、彼女のお姉さんがその系統に近いのだと教えてくれました。4人姉妹の末っ子だというるみこさんは、昔からボーイッシュで「野をかけずり回って遊ぶ」タイプ。無意識に、ピンクのひらひらスカート系だったお姉様方と「差別化を図っていたのかもしれない」と言います。特にいちばん年の近い三女のお姉さん(美人)は、地元の短大を卒業後、病院勤務を経て23歳で実業家と結婚し、現在は3人のお子さんを育てる専業主婦。姉妹仲は良好ながら、るみこさんの目にはそのお姉さんが、他人のがんばりにぶら下がった「人生楽勝コース」にのった人に映るそう。いくら幸せそうに見えても、子ども3人を育てるのは仕事とはまたちがう大変さがあると思うけど……。

だんだん浮き彫りになってきたのは、るみこさんは「丸の内OL」や「美人で裕福な専業主婦」を羨み憧れるポーズをとりつつ、彼女たちをちょっと小馬鹿にしているのかなという点。たぶん、基本的にはご自身の自立心や個性、知性、女っぽく媚びないキャラクターに自負とプライドを持っている。けれど、そういう魅力がスラスラ通じなかったり、つらいときに正反対のキャラクターの人が楽勝っぽく見えたりすると気になってしまうのではないでしょうか?

自分の選ばなかった道を選んで歩いている人のことを、勝手に楽勝と決めつけるのはフェアではありません。るみこさんのように3時間しか寝られない日が何日も続いてヒゲがはえるみたいな場面はないかもしれないけど(私はあります)、その人たちにも種類のちがう不安や苦労があるはずです。ましてや、マスコミの未来を担う人材には、立場や価値観がちがう人を簡単にカテゴライズせずに思いやる感覚を持っていてほしい。たとえ、ネタだとしてもな!

本当になりたいのは丸の内OLじゃなく、深津絵里!?

さて、そろそろお遊びはおしまいにして、腹を割ってもらう時間。心から憧れる理想像、夢を聞かせてもらいましょう。趣味嗜好がまったくちがうタイプを気にするのをやめ、正直な理想を思い浮かべてもらったところ「ただキレイなだけじゃない、唯一無二な感じがする深津絵里」という全然丸の内OLじゃない答えが返ってきました。さらに、夢は「Wikipediaに載ること」!! 芽吹きたての山菜のような青いアクを感じる個性と野心が、なんだかまぶしいですね。では、「将来Wikipediaに載りたい、深津絵里志望」のあなたの毎日を力づけるお守りコスメ、張り切っておすすめいたしましょう。

ちょっと強気で頭も切れ、空気は読めるけど場合によっては無視できる絶妙な生意気加減が、偉い人からおもしろがられそうなるみこさん(ディスってません)。学生時代からそのままだという超ナチュラルメイクでは、彼女の自立心と意志が表現できておらず、もったいないなと感じました。

困り眉を卒業し、筋の通った意志ある眉に

ナチュラルに描けるチップと、簡単にエッジが決まる薙刀(なぎなた)ペンシルがWエンドに。簡単に立体的な眉が描ける。ケイト ラスティングデザインアイブロウW(FL)BR-3 ¥1,100+税(※編集部調べ)/カネボウ化粧品

まずは、ご本人も「チャームポイント」と感じている眉をマイナーチェンジしましょう。「床屋でおじさんに剃られた」という眉は眉山がキレイに削られた、庇護欲を掻き立てる「困り眉」。10代のアイドルならいざ知らず、マスコミで成功してwikiられたいというるみこさんの個性まで剃り取られてしまっています。今はパウダーのアイブロウパレットでふんわり描いている眉を、チップとペンシルがWエンドになったもので少し強くしてみましょう。最初にチップで全体を書いてから、眉の下のラインと眉山を少し描き足して。キリッと意志的な表情に。眉は社会性を表すパーツなので、「やるときはやる切れ者」「言いなりにはならないおもしろい若手」感を全面に出していきましょう。

「キレイなだけじゃない唯一無二」感は、黒ティントに託す

唇のphに合わせて色が変化する、シアーなブラックティント。いつものリップに重ねて使っても。マジョリカ マジョルカ ピュア・ピュア・キッス NEO 96 ¥800+税/資生堂

そして、気になっているけど「キャラじゃない」ときまり悪がっていたリップ。「女として張り切っていると思われたくない」という精神的なハードルと、「どうせ落ちるから」という物理的なハードルをクリアするには、素唇をちょっと深みのある色に染めてくれるティント&シアーなブラックリップがちょうどよさそう。塗ってみると黒ではなく、コントラストで肌色を明るく見せるシアーなプラムカラー。こんな色、いかにも深津絵里さんに似合いそうでしょ。ポケットに入るミニサイズで、鏡を見ずにリップクリーム感覚で使えるのも、忙しいるみこさんにぴったりだと思います。

こんなにゴスでロックな見た目のリップだったら、塗っているところを見られても照れくさくならないはず。「ほら、デートじゃないっす。見りゃわかるでしょ」って、印籠(いんろう)代わりにも使えます。ちょっとした毒っ気を外見にも反映させることで、将来wikiられる女の引っかかりを出していきましょう。

持ち前の白桃美肌をさらに引き立てる、薬用美白下地

薬用美白美容液とUVカット下地効果が、毛穴やくすみを自然に補整し、きめ細かく透明感にあふれた肌に導く。ホワイトフィラー クリエイター SPF35 PA+++ <医薬部外品> 30g ¥3,000+税/アルビオン

きめ細かい白桃のような美肌の持ち主で、ポーチを見る限りではベースメイクに手間をかけることには抵抗がなさそうなるみこさん。最初にでてきた「丸の内OL」へのねじくれた気持ちと訣別するなら、その肌を武器にするのが早そう。万が一徹夜明けに白やパステルカラーを着ても顔色がくすまず、ちょっときちんと感が出る上に、美白も叶える薬用下地。ネイルやマツエクを盛るのはガラじゃなくても、肌だけほんのり丸の内フィーリングに寄せるなら抵抗ないはず。

【これもオススメ!】がんばる女のヒゲ問題を、やさしく抑える

女性ホルモンに似た働きがあるとされる植物由来の成分を配合。みずみずしくクセのないテクスチャーも使いやすい。ノイス イノセンス クリアセラム 22g ¥8,500+税/モダン ビューティ トウキョウ

ポーチにゴツいシェーバーと、安全剃刀を携帯していたるみこさん。もし余裕があったらぜひ取り入れてほしいのが、女性用ヒゲ対策美容液です。私もしょっちゅうあるのですが、睡眠時間を削って一生懸命働くと、どうしても顔の毛が濃くなってしまいがちですよね。そんなときの「男性化してる?」という不安を、少し和らげてくれるかも。

今回選んだのは、「実は自信あるかも」という部分を恥ずかしがらず前に出すためのお守りコスメ。ちがう道を歩く人に引け目を感じたり裏腹に蔑んだりせず、自分の道にしっかりと意識を向けて歩きましょう。いつかWikipediaに載る日を、10年おきぐらいに検索して楽しみに待っています。

(長田杏奈)

※この記事は2018年04月28日に公開されたものです

長田杏奈

ライター。美容をメインに、インタビューや海外セレブなどの記事も手がける。趣味は園芸。

Instagram:https://www.instagram.com/osadanna/
Twitter:https://twitter.com/osadanna

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