お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

【妊娠出産のウソ&ホント】生理中のセックスは妊娠しないってホント?

尾西芳子(産婦人科専門医)

ヨダヒロコ/六識

将来妊娠したい、したくないに関わらず、妊娠・出産は未知の世界。出産未経験の女性たちが感じている妊娠・出産にまつわる素朴なギモンについて、産婦人科専門医の尾西芳子先生がわかりやすく教えてくれます。ウソかホントかわからない情報に惑わされずに、正しい知識を身につけましょう!

妊娠しやすいのは排卵日の前後だから、生理中にセックスしても妊娠しないのでは? と思っている人は少なくないはず。でも、実際のところはどうなのでしょうか? また妊娠だけでなく、衛生面も気になるところ。そこで今回は、そんな生理中のセックスにまつわるウソ&ホントに迫りました! 産婦人科医の尾西芳子先生に解説してもらいましょう。

本日の「ソボクな疑問」

Q.生理中のセックスは妊娠しないってホント?

istock-522860672<読者の声>

・生理周期の乱れなどによって、排卵している可能性もある。(33歳/学校・教育関連/技術職)
・精子の生存期間があるから一概にいえないと思います。(23歳/その他/その他)
・生理中は絶対排卵していないので、妊娠の心配はないと聞いたことがある。(30歳/その他/販売職・サービス系)
・妊娠の心配もあるが、それ以上に衛生的によくないと思う。(30歳/機械・精密機器/営業職)

尾西先生のアンサーは!?

う~ん答えは……
う~んです!

まず、出血=生理だと思っている人も多いのではないかと思いますが、それが落とし穴になっていることがあります。

医学的な意味での生理は、いらなくなった子宮内膜(妊娠に備えて受精卵が着床しやすいように厚くなる膜)が剥がれ落ちることをいいます。そういう意味では、生理中は排卵することはないため妊娠はしません。しかし、「排卵出血」といって排卵時に出血することもあり、それを生理だと勘違いしてしまう人もいます。

排卵出血は生理に比べて格段に量は少なく、「おりものが茶色いな」くらいで終わることが多いですし、その2週間くらい前に生理がきているはずではあるのですが、妊娠についてあまり意識していない人だと、前回の生理がいつきたかを覚えていないことも意外と多いのです。そのときにセックスすれば、妊娠する可能性はあります。

さらに、生理の出血期間もけっこう個人差があり、出血がだらだらと長引いてしまう人は生理中でも排卵する可能性はゼロではありません。また、中には生理がきてから10日ほどで卵子が育ってしまう人も。そして、精子は長いと1週間くらい生きていることもあります。そう考えると、生理の3日目くらいにセックスをして、そこから1週間、精子が生きていれば、当然妊娠する可能性は高まります。

そして、「妊娠の心配もあるが、それ以上に衛生的によくないと思う」というコメントのとおり、生理中は子宮の入り口が普段よりひらき気味になるため、雑菌が入りやすい状態になっていますし、子宮内膜症などの病気になることもあります。ですから、妊娠するしないにかかわらず、生理中のセックスは控えたほうがいいでしょう。

(取材協力:尾西芳子、文:ヨダヒロコ、撮影:masaco)

※一部画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.05.24)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2017年02月04日に公開されたものです

尾西芳子(産婦人科専門医)

高輪台レディースクリニック副院長

日本産科婦人科学会会員
日本女性医学学会会員(専門医)
日本産婦人科乳腺学会会員

神戸大学国際文化学部卒業後、山口大学医学部学士編入学。慈恵医大病院、日本赤十字社医療センター、済生会中津病院の勤務を経て、都内の産婦人科クリニック勤務。2017年7月、高輪台にて開業。

妊娠・出産から、婦人科がんの手術、不妊治療と広く学び「どんな小さな不調でも相談に来てほしい」と女性のすべての悩みに応えることのできる女性のかかりつけ医を目指す。モデルの経験を活かし、美と健康に関する知識も豊富。Webの連載をはじめ、TV、雑誌、講演会で活躍中。

オフィシャルブログ
http://ameblo.jp/yoshiko-onishi/

この著者の記事一覧 
ヨダヒロコ/六識

女性向けライフスタイル情報誌&Webサイトの編集者を経て、 2013年に制作プロダクション「六識」をスタート。「働く女性が笑顔でいられる生き方を応援したい」という想いで、グルメや美容、マネー、恋愛・結婚をテーマにした記事の構成~執筆を行う。2児の母として、時短グッズの情報収集に余念がない。仕事・家事・育児に追われる日々の中、月に一度のネイルが癒しに。

この著者の記事一覧 

SHARE