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医師に聞く! トイレが「近い人」と「遠い人」のちがいって何?

松田明子

人によってそれぞれちがう、トイレへ行く頻度。仕事中、トイレが近くて何度も席を立っていると、周囲と比較して「私、トイレへ行く頻度が高い……?」と、健康状態に不安を感じることもありますよね。では、「トイレが近い人」と「トイレが遠い人」の差って何? 今回は、トイレが近くなる原因に着目して、その体質の差を泌尿器科・腎臓内科を専門とする、医師の松田明子先生にお聞きしました。

「トイレが近い人」と「トイレが遠い人」の差とは

一般的に、成人した日本人の尿の量は、およそ1~2リットル/1日と言われています。トイレへ行く回数は、日中に5回前後、夜間に0~1回が正常。この回数を超えると、頻尿の恐れがあります。ただ、膀胱の容量は人それぞれなので、その大きさによっては回数が異なることもあるでしょう。また、膀胱に尿がたまってから、「トイレへ行きたい」と感じるまでの閾値にも個人差があります。それによって、「トイレが近い人」と「トイレが遠い人」の差が生まれるのだと思います。

性別に関して、頻尿の原因のひとつである「過活動膀胱」といわれる病気は、特に女性に多いとされています。これは、心因が影響するケースもあり、一度トイレで失敗してしまった経験があると、気持ちの面からトイレへ行く頻度に対して、とても神経質になってしまうことが。女性の場合は、加齢や産後の影響から骨盤底筋の緩みが生じたり、妊娠や子宮筋腫により膀胱が外から圧迫されたりすると、少し尿がたまっただけでもトイレへ行きたくなってしまうこともあります。

上述のとおり、排尿中枢は心理的な影響を受けやすい部分であるため、席を立てない会議中や映画館など、「トイレへ行ってはいけない」と思うほど行きたくなってしまうことも考えられるでしょう。あとは、カフェインやアルコールの摂取も、トイレが近くなる原因になりますよ。

トイレへ行けない状況で、尿意を我慢する方法

トイレを我慢する癖がついてしまうと、細菌が繁殖しやすくなるため、膀胱炎や腎盂腎炎といった病気を発症するリスクが高まります。とはいえ、重要な会議中など席を立てないタイミングもありますよね。そんなときは、事前にまずコーヒーや紅茶などカフェインの摂取を避けてください。それでも尿意を感じてしまったら、肛門や尿道を意識して絞めたり、足を組み替えたりすることで、一時的にしのぐことができます。また、体を少し動かして、ほかのことへ気をそらすと、排尿中枢へのシグナルも同時に抑えることが可能です。トイレへ行けるタイミングになったら、なるべく急いで排泄をするようにしてください。

「トイレが近すぎる体質」を改善するには

特に思い当たる原因がなくても、トイレが近すぎる体質の人は、やはり過活動膀胱の恐れがあります。現在では、インターネットの専門サイトなどでセルフチェックができるもの。自身でのチェックにより診察が必要であるとわかったら、初回は内科や泌尿器科のある医院へ相談してみてくださいね。

取材協力/松田明子

女医+(じょいぷらす)所属。内科医、腎臓専門医、東京女子医大泌尿器科所属。

 

 

(取材協力:松田明子、文:マイナビウーマン編集部)

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.07.26)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2016年12月09日に公開されたものです

松田明子

女医+(じょいぷらす)所属。内科医、腎臓専門医、東京女子医大泌尿器科所属。

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