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【妊娠出産のウソ&ホント】妊娠中にカフェインを摂っちゃダメってホント?

尾西芳子(産婦人科専門医)

ヨダヒロコ/六識

将来妊娠したい、したくないに関わらず、妊娠・出産は未知の世界。出産未経験の女性たちが感じている妊娠・出産にまつわる素朴なギモンについて、産婦人科専門医の尾西芳子先生がわかりやすく教えてくれます。ウソかホントかわからない情報に惑わされずに、正しい知識を身につけましょう!

よく、「カフェインは悪影響があるから、妊娠中はコーヒーを飲んではいけない」と聞きますが、実際のところはどうなのでしょうか? 本当にひと口たりともNGなのか、またカフェインが妊婦や胎児に及ぼす影響があるとすれば、どんなものなのか……。今回は、そんなカフェインにまつわるウソ&ホントに迫りました!

本日の「ソボクな疑問」

Q.妊娠中にカフェインを摂っちゃダメってホント?

<読者の声>

・赤ちゃんに悪い影響を与える可能性がある。(24歳/警備・メンテナンス/クリエイティブ職)
・1ミリも摂取してはいけないのか、どういった影響があるのか。(27歳/商社・卸/事務系専門職)
・そんなことを言ってたら、コーヒー好きの国の人たちはどうしようもできないと思う。(31歳/金融・証券/事務系専門職)
・赤ちゃんが低体重で生まれてしまう。(33歳/その他/事務系専門職)

尾西先生のアンサーは!?

答えは……
ウソです!

カフェインを絶対に摂ってはいけないわけではありません。問題は“量”であって、1日に1~2杯程度コーヒーを飲む分には、過度に心配する必要はありません。「コーヒー好きの国の人たちはどうしようもできない」という声がありますが、だからといってコーヒーしか飲んでいないわけではないでしょうし、それなりに妊婦さんは摂取量には気を使っていると思いますよ。

カフェインをたくさん摂るのがダメだと言われているのには、3つの理由があります。ひとつは、カフェインには血管を収縮する作用があり、子宮へ流れる血行が悪くなることで赤ちゃんに栄養が行きづらくなるから。栄養がうまく届かなければ、赤ちゃんが低体重で生まれてしまうことも当然あります。

もうひとつは、カフェインが神経を興奮させるから。胎盤を通じて赤ちゃんにも伝わってしまうので、過度の摂取は成長に悪影響があります。

3つめは、妊娠中に必要なビタミンやミネラルの不足につながってしまうためです。カフェインは、カルシウムを尿と一緒に排出したり、鉄分の吸収を阻害したりするので、食生活の栄養バランスが悪くなってしまいます。

とはいえ、冒頭でもお伝えしたとおり、1日1~2杯程度であれば影響はありませんので、そこまで気にしなくても大丈夫です。ただ、カフェインには利尿作用があり脱水になりやすいため、特に夏場はコーヒーを一杯飲んだら同じ分だけ水を飲む、といったことを心がけたいものです。

さらに、カフェインはコーヒーだけでなく、紅茶、緑茶、ココア、エナジードリンクなどにも入っていますから、飲むものには注意を払っていただきたいですね。どうしてもコーヒーを飲みたい場合には、カフェインを取り除いたデカフェのものを飲むなど、工夫しましょう。

(取材協力:尾西芳子、文:ヨダヒロコ、撮影:masaco)

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.07.26)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2016年12月03日に公開されたものです

尾西芳子(産婦人科専門医)

高輪台レディースクリニック副院長

日本産科婦人科学会会員
日本女性医学学会会員(専門医)
日本産婦人科乳腺学会会員

神戸大学国際文化学部卒業後、山口大学医学部学士編入学。慈恵医大病院、日本赤十字社医療センター、済生会中津病院の勤務を経て、都内の産婦人科クリニック勤務。2017年7月、高輪台にて開業。

妊娠・出産から、婦人科がんの手術、不妊治療と広く学び「どんな小さな不調でも相談に来てほしい」と女性のすべての悩みに応えることのできる女性のかかりつけ医を目指す。モデルの経験を活かし、美と健康に関する知識も豊富。Webの連載をはじめ、TV、雑誌、講演会で活躍中。

オフィシャルブログ
http://ameblo.jp/yoshiko-onishi/

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ヨダヒロコ/六識

女性向けライフスタイル情報誌&Webサイトの編集者を経て、 2013年に制作プロダクション「六識」をスタート。「働く女性が笑顔でいられる生き方を応援したい」という想いで、グルメや美容、マネー、恋愛・結婚をテーマにした記事の構成~執筆を行う。2児の母として、時短グッズの情報収集に余念がない。仕事・家事・育児に追われる日々の中、月に一度のネイルが癒しに。

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