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【ホル活】第8回:コマ切れで動けばOK! ホルモンバランスを整える運動のコツ6カ条

松村圭子

いつか産みたいと思ったときに産めるカラダでいるには、今からホルモンバランスをしっかり整えていくことが大切。そこで、産婦人科医で成城松村クリニック院長の松村圭子先生が、ホルモンバランスを意識したライフスタイルを築く活動「ホル活」の正しい知識とコツを伝授してくれます。忙しい働く女性でも実践できる、全10回のホル活レッスンをはじめましょう! ※第2・第4木曜日更新中!

「忙しくて運動する時間がない」「そもそも運動は苦手……」という女性も多いはず。運動となると時間の確保や身支度も必要だし、とつい構えてしまいがちですが、実は普段の生活のなかでできることがいっぱいあるんです。冷えやストレス、ホルモンバランスにも深く関わる「運動」は、女性にとって大切な要素。そこで第8回は、忙しく働く女性でも効率よくできる運動のコツについて、松村圭子先生に教えていただきました!

適度な運動がホルモンバランスを整える

現代女性は運動不足になりがちです。移動は電車や車で、オフィスではエレベーターやエスカレーターを使い、1日ほとんどカラダを動かさないという人もいるのではないでしょうか。運動の目的はダイエットのためだけではありません。適度な運動で筋肉を動かすと血流がよくなり、酸素や栄養分が細胞へ行き渡るので、卵巣や子宮も正常に機能することにつながります。女性ホルモンの大敵である冷えやストレスを解消し、ホルモンバランスを整えることにもつながるのです。

だからと言って、激しすぎる運動はよくありません。特に夜のスポーツジム通いは交感神経を優位にし、興奮を高めて眠りに影響を及ぼしてしまいます。マラソンや新体操、シンクロ選手などのアスリートには生理不順が多いと言われるように、激しい運動を頻繁にしていると女性ホルモンの分泌を低下させてしまう可能性もあります。必要のない限り、適度な運動を心がけましょう。

また、太りすぎも痩せすぎもホルモンバランスが乱れる要因になります。脂肪からもエストロゲンが分泌されるので、バランスが崩れてしまうのです。運動不足で脂肪の量が多すぎたり、逆に運動のし過ぎで極端に脂肪の量が少なくなったりすることも問題。生理不順や無月経を招いて妊娠力にも影響を及ぼしかねません。運動の内容や時間帯を工夫して、無理なく続けていくことが大切です。

ホルモンバランスを乱す運動のNG習慣

あなたの運動習慣は大丈夫ですか? 知らず知らずのうちにホルモンバランスに悪影響を及ぼしていることもあります。次の項目のうち、いくつ当てはまるかチェックしてみましょう。

【運動にまつわるNG行動チェックリスト】

(1)忙しくて運動はほぼしていない
(2)マラソンや筋トレなど、激しい運動をしすぎてしまう 
(3)運動はできるときにまとめてしている
(4)仕事帰りにスポーツジムに通っている
(5)流行りの運動を試すばかりで続かない
(6)エスカレーターやエレベーターを必ず使う
(7)電車やバスで席が空いたら真っ先に座る
(8)家事が面倒でほとんど家でも動かない

チェックが4つ以上の人は運動習慣に問題アリ。「1週間分の運動をしたからOK」という考えや、生理が止まるほどの極端な運動をしていては逆効果です。大切なのは、普段の生活でこまめに動くこと。ホルモンバランスを整えるためにも、忙しい女性が気軽にできる運動のコツを6つご紹介します!

今週のホル活レッスン6カ条

(1)コマ切れでOK! 1日合計30分以上動く

かつて「運動は20分以上続けて行わないと脂肪が燃焼しない」などと言われていましたが、それは昔の話。運動を始めると最初は脂肪より糖質がエネルギー源として使われやすいものの、実際には脂肪も消費されます。わざわざ運動のためにまとまった時間を設けなくても、コマ切れの運動で効果は得られますよ。まずはトータルで1日30分以上の運動をすればOK。ひとつ下のフロアのお手洗いに行ったり、ランチはちょっと遠出したりなど、できることはたくさんあるはずです。

(2)通勤時間を有効活用したウォーキング

日常生活の中で、少しでも歩数を増やそうと意識することが大切です。エスカレーターよりも階段を使ったり、普段使っている駅のひとつ手前で降りてひと駅分歩いてみたりしましょう。ウォーキングのような、同じ動きを繰り返す反復運動ではセロトニンが出てリラックス効果も得られます。ハイヒールやつま先の細いパンプスを履いている人は、通勤時だけでもスニーカーやフラットシューズにしてみて。下半身の血行を促して冷えやむくみ防止ができるほか、夜ぐっすり眠れることにもつながります。正しい姿勢で歩くことで筋肉がしっかりと動き、自律神経の働きも高まりますよ。

(3)つま先立ちで血流を促す

立ちっぱなしの通勤電車内や、会社でコピーをとっている最中も運動のチャンス。ちょっと意識して、つま先立ちをしてみましょう。かかとを上げ下げすることで、末端の指先まで血液が巡るようになります。まずはつま先で立ち、10秒間キープして戻します。これを30回繰り返してみましょう。特にふくらはぎは「第二の心臓」と呼ばれ、心臓が送り出した血液を送り返す働きがある重要な場所。つま先立ちでふくらはぎを鍛えることで、心臓への血液の戻りをよくしてくれます。

(4)家事で動くことを習慣化する

家の中でもできる運動はたくさんあります。掃除、洗濯、炊事といった家事をするだけでもいい運動になりますよ。雑巾がけをすれば家はきれいになるうえ、結構な運動量になるので一石二鳥です。冷蔵庫の中もゴミ箱のようになっていないか、定期的に見直してみて。料理も立ち仕事なので、実はいい運動になっているのです。あえて物を高いところや遠い場所に置き、合間にストレッチをするなどして、動くことを習慣化するように意識しましょう。

(5)リラクゼーションを兼ねた運動をする

運動しなきゃと思うと気疲れしますね。健康のためにカラダを動かしながらもストレス解消になっていることが理想的。特に妊活をしている人なら、リラクゼーションと運動を兼ねた内容がオススメです。ヨガやピラティスなどでリラックスできる人もいるでしょう。他人の目を気にしたり流行りに踊らされたりせず、自分が心地よいと感じるものでカラダを動かしてくださいね。

(6)夜に激しい運動はしない

仕事帰りの夜にスポーツジムへ通うと、交感神経が刺激されて頭が冴えてしまいます。夜は副交感神経に切り替えてリラックスした状態にし、眠りを促すことが大切です。夜に運動をするなら軽いストレッチがオススメ。大きな筋肉を動かすことで血行がよくなり、リラックス効果もあります。どうしてもランニングや激しい筋トレなどをしたい場合は、夕方までにしましょう。

まとめ

何事も小さな積み重ねが大切。あえてジムに通ったり、運動しなきゃと気負ったりしなくても、こまめに動いて無理なく続けられる運動習慣を身につけられるといいですね。次回は、女性が知りたいダイエットにまつわるホル活レッスンをご紹介します!

(取材協力:松村圭子、文:水野久美)

次回更新は、11月24(木)です。お楽しみに!

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.07.26)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2016年11月10日に公開されたものです

松村圭子

日本産科婦人科学会専門医。2010年、自身が院長を務める成城松村クリニック開院。女性の美と健康に関する知見を活かし、さまざまなメディアで活躍。著書に、『40歳からの女性の不調にやさしく効く漢方の本』(日東書院)、『女性ホルモンがつくる、キレイの秘密』(永岡書店)、『女30代からのなんだかわからない体の不調を治す本』(東京書店)など。

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