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【妊娠出産のウソ&ホント】無痛分娩は痛みがないってホント?

尾西芳子(産婦人科専門医)

ヨダヒロコ/六識

将来妊娠したい、したくないに関わらず、妊娠・出産は未知の世界。出産未経験の女性たちが感じている妊娠・出産にまつわる素朴なギモンについて、産婦人科専門医の尾西芳子先生がわかりやすく教えてくれます。ウソかホントかわからない情報に惑わされずに、正しい知識を身につけましょう!

出産時の痛みは、「鼻の穴からスイカを出すくらいの痛み」などと表現されることが多く、未婚女性からすれば恐怖でしかありません。そうなると気になるのが、「無痛分娩」。その名のとおり“無痛”なのでしょうか。また、無痛にすることで母体や胎児に影響はないものなのでしょうか。そこで今回は、そんな無痛分娩にまつわるウソ&ホントに迫りました!

本日の「ソボクな疑問」

Q.無痛分娩は痛みがないってホント?

<読者の声>

・どうやって無痛にするの? 母体や胎児への影響はないの?(情報・IT/事務系専門職)
・痛みがやわらかくなるだけで、今まで経験したことないくらいには痛いと聞いたけど、本当?(28歳/建設・土木/事務系専門職)
・赤ちゃんが出るときは、それがわかるのか。(24歳/医療・福祉/専門職)
・実際には「陣痛控えめ分娩」だと聞いたことがあります。(34歳/医療・福祉/専門職)

尾西先生のアンサーは!?

答えは……
ホントです!

ただし無痛分娩といっても、少し痛みの残る「和痛分娩」なのか、まったく痛みを感じない「完全無痛」なのか、また自然陣痛がくるのを待ってから無痛の処置をするのか、事前に入院して陣痛促進剤を使いながらの「計画分娩」になるのかなど、病院の方針によって痛みの感じ方がちがいます。「陣痛控えめ分娩」というコメントがありますが、これは「和痛分娩」のことでしょう。

無痛分娩をする際は、硬膜外麻酔……つまり、背中から腰椎に細い管を入れて、そこから麻酔薬を入れていくのですが、「陣痛がくる前」、「きてすぐ」、あるいは「子宮の入り口がある程度ひらいてから」など入れはじめるタイミングが病院によって異なります。また、脊椎麻酔という効き目の早い麻酔を併用するところもあります。それらのちがいによって、最初にお話ししたように痛みの程度や感じる時間が変わってきます。

なぜこのように入れるタイミングがバラバラなのかというと、麻酔が効いてくると陣痛が弱まってしまうからです。そのため、ほとんどの場合は陣痛促進剤を併用しています。また、ある程度子宮の入り口がひらいてからのほうが分娩までの流れがスムーズに進むので、そこまで待ってから麻酔薬を入れる病院もあります。逆に、最初から陣痛促進剤を使いながら完全無痛にする病院もあります。

「母体や胎児への影響」を心配される方もいますが、妊娠中に大きなトラブルがなければ、麻酔を入れている間は脚に力が入りにくくなるくらいで、母体に影響はありません。ただ、硬膜外麻酔でまれに頭痛を感じる人もいます。だからといって体に悪影響を及ぼすわけではないので、安心してください。

胎児に関しても、基本的に影響はありません。実際は麻酔薬を入れると赤ちゃんの心音は落ちるのですが、そのせいで産まれてきたときに赤ちゃんの具合が悪いとか障害が出たということはないので、心配することはないですよ。

「赤ちゃんが出るときは、それがわかるのか」という質問がありますが、感覚が完全になくなるほど麻酔を効かせてしまうといきめなくなってしまうので、いきみたい感じをある程度残すように麻酔薬の分量を調整していることがほとんどです。そのため、赤ちゃんが出てくるときは、なんとなくわかります。万が一、麻酔が効きすぎて、いきみがわからないという場合にも、助産師や医師がいきみのタイミングをサポートしますので問題ありません。

欧米では無痛分娩が主流ですが、日本では「痛みを乗り越えてこそ母になれる」という考え方が根強いですよね。とはいえ、自然分娩だと陣痛に疲れきってしまい、いざ赤ちゃんが出てきたときにぐったりしてしまっていて感動できないという人もけっこう多いんです。ですから、どちらがいい・悪いではなく、自分がどういうお産を望むかを一度イメージし、自然分娩にするのか無痛分娩にするのかを考えてみるのがいいかもしれませんね。

(取材協力:尾西芳子、文:ヨダヒロコ、撮影:masaco)

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.07.26)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2016年10月01日に公開されたものです

尾西芳子(産婦人科専門医)

高輪台レディースクリニック副院長

日本産科婦人科学会会員
日本女性医学学会会員(専門医)
日本産婦人科乳腺学会会員

神戸大学国際文化学部卒業後、山口大学医学部学士編入学。慈恵医大病院、日本赤十字社医療センター、済生会中津病院の勤務を経て、都内の産婦人科クリニック勤務。2017年7月、高輪台にて開業。

妊娠・出産から、婦人科がんの手術、不妊治療と広く学び「どんな小さな不調でも相談に来てほしい」と女性のすべての悩みに応えることのできる女性のかかりつけ医を目指す。モデルの経験を活かし、美と健康に関する知識も豊富。Webの連載をはじめ、TV、雑誌、講演会で活躍中。

オフィシャルブログ
http://ameblo.jp/yoshiko-onishi/

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ヨダヒロコ/六識

女性向けライフスタイル情報誌&Webサイトの編集者を経て、 2013年に制作プロダクション「六識」をスタート。「働く女性が笑顔でいられる生き方を応援したい」という想いで、グルメや美容、マネー、恋愛・結婚をテーマにした記事の構成~執筆を行う。2児の母として、時短グッズの情報収集に余念がない。仕事・家事・育児に追われる日々の中、月に一度のネイルが癒しに。

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