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大人になってから増えるもの? 皮膚科医に聞く、「ホクロ」ができるメカニズム

石部千晶/六識

吉田貴子

チャームポイントにもコンプレックスにもなりうる“ホクロ”。「この大きなホクロがなかったら……」と長年悩みを持っている人も意外と多いのでは? はたまた「こんなところにホクロあったっけ?」と突然のホクロの出現に困惑した経験がある人もいるはず。そこで今回は、働く女性に「ホクロ」に関する悩みについてアンケート調査を実施。また、ホクロの原因や悩みの対策法について、渋谷スキンクリニックの院長・吉田貴子先生に教えてもらいました。

Q.「ホクロ」にまつわる悩みや疑問はありますか?

※マイナビウーマン調べ。調査日時:2016年8月22日~8月30日、調査人数:129人(22歳~34歳の働く女性)

ホクロについて悩みがあるかどうかを聞いたところ、約半数の女性が「悩んでいる」という結果に。悩みの原因は量? 大きさ ?位置? くわしい内容を教えてもらいました。

<ホクロにまつわる悩みや疑問って?>

■全身のホクロが気になる……

・「ものすごい数のホクロが顔にも体中にもある。なんとかしてほしい!」(30歳/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)
・「体中にたくさんシミのようなホクロがある」(33歳/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)

顔や体の一部だけでなく、全身のホクロに悩まされているという人からは、「どうにか改善したい」という切実な悩みの声が聞こえてきました。体中のホクロは“子どものころからの悩み”という人は少なくないのかも。

■顔のホクロが目立って嫌だ!

・「顔にホクロがあって見た目が気になる」(25歳/人材派遣・人材紹介/事務系専門職)
・「鼻の下に小さいホクロが2つあって目立つ」(24歳/小売店/事務系専門職)

隠しようのない顔のホクロは、多くの女性を悩ませているようです。ホクロの位置や大きさによっては、悩みのタネになってしまうことも。

■大人になってからホクロが増えた?

・「年々、ホクロの数が増えている」(26歳/アパレル・繊維/販売職・サービス系)
・「知らないうちに顔にホクロができていた」(27歳/学校・教育関連/その他)

「ホクロは年齢を重ねるとともに増える」という話を聞くこともありますが、実際に増えたと感じている人は少なくないようです。果たして、本当に増えているのでしょうか?

<皮膚科医に聞く! ホクロにまつわる疑問Q&A>

ホクロの悩みは人それぞれ。ホクロができやすい人・できにくい人がいることも見えてきました。それに考えてみると、ホクロについて知ってることって案外少ないかも。そこで、吉田貴子先生に、「ホクロ」にまつわるさまざまな疑問をQ&A形式で答えてもらいました。

Q.そもそもホクロってなに?

A.皮膚にできる“良性の腫瘍”です。
ホクロは、“母斑細胞”と呼ばれる、ホクロの元となる細胞が集まって腫瘍になったものです。この細胞はメラニンを持っているため、一般的には黒色や褐色をしています。その母斑細胞が高い密度で集まり、ほかの皮膚よりも黒っぽく見えます。ホクロは、先天的にあるものと、後天的にできるものがあります。いずれも、ほとんどのものは良性なので、放っておいても問題ありません。

Q.ホクロができやすい人とできにくい人のちがいは何?

A.ホクロの原因となる“母斑細胞”の量によって、ホクロのできやすさは決まります。
母斑細胞の量が多いと、ホクロもできやすくなります。母斑細胞の量は多くは遺伝によって生まれ持った量が決まっているので、ケアで減らすことなどはできません。

Q.いままでなかった場所に突然ホクロが。これって安全?

A.健康に問題はありません。
いままで目立っていなかった母斑細胞が、紫外線に刺激されることにより、濃くなったり成長することがあります。それが新たなホクロを作り出しているんです。ただ、紫外線を受けにくい場所にも新しいホクロができることはあり、紫外線だけが原因というわけではありません。くわしいメカニズムは解明されていないので、防ぎようがないのが現状です。
ニキビや傷の跡がホクロになることは考えられません。傷が色素沈着を起こし、黒ずんでしまう場合がありますが、それはホクロとはちがいます。また、足の裏にできるホクロは病気だという迷信もありますが、必ずしも悪性というわけではありません。ほとんどが良性ですが、痛みがあるなど気になる場合は、皮膚科に診てもらうようにしましょう。

Q.ホクロができやすい場所ってあるの?

A.紫外線を浴びやすい場所にできやすい傾向があります。
体でいうと、二の腕よりもヒジから手にかけて、腿よりも膝から足にかけてできやすい傾向があります。紫外線に当たる、肌の露出が高い部位にできやすいようです。ただ、先ほどもお話ししたように、日が当たらない部分にもできる場合はあります。

Q.ホクロが大きくなっている気が……。そんなことある?

A.なかには大きくなるホクロもあります。
母斑細胞が成長したり、数が増えることで、ホクロが大きく盛り上がってきてしまうことは考えられます。ただ、これも原因が解明されていないため、大きくなることを防ぐことはできません。健康に害はありませんが、見た目が気になるという場合は、クリニックで除去することをオススメします。施術はレーザー手術がメインです。麻酔をしますので痛みもなく、施術自体も数分で終了します。痕もほとんど目立たないので、悩んでいるのなら除去を考えてみるのもいいと思いますよ。

<さいごに>

「ホクロはあるものだから仕方がない」と、あまり深く考えたことはなかったけれど、ホクロの正体は良性の腫瘍だったんですね。残念ながら、量も大きさも、自分の力ではどうすることもできないこともわかりました。ですが、どうしても気になるホクロはクリニックで簡単に除去することも可能。気になって気分が沈んでしまうのなら、一度病院へ行って相談してみてもいいかもしれませんね。

吉田貴子先生
皮膚科・美容皮膚科医。2004年に渋谷スキンクリニックを開業。一般皮膚科と美容皮膚科を開設し、あらゆる肌の悩みに向き合っている。なかでもニキビ治療を得意とする。また、肌トラブルだけでなく、ダイエットやアンチエイジング、発毛治療など、美容にまつわるさまざまな悩みに対応してくれる。テレビや雑誌などのメディアでも活躍中。

(取材協力:吉田貴子、文:石部千晶/六識)

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.06.21)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2016年09月29日に公開されたものです

石部千晶/六識

「こんな情報がほしかった!と思ってもらえるような情報をお届けしたい」という想いから、舞台照明の仕事を経てライターに転職。昔から書くことが好きで、小学生のころから日記を書きためている。現在は、主にグルメや旅をテーマにした取材・執筆を行う。プライベートでは動物との触れ合いが何より好きで、牧場に行ってはムツゴロウさんのようになっている。

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吉田貴子

皮膚科・美容皮膚科医。2004年に渋谷スキンクリニックを開業。一般皮膚科と美容皮膚科を開設し、あらゆる肌の悩みに向き合っている。なかでもニキビ治療を得意とする。また、肌トラブルだけでなく、ダイエットやアンチエイジング、発毛治療など、美容にまつわるさまざまな悩みに対応してくれる。テレビや雑誌などのメディアでも活躍中。

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