お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

汗ジミから卒業! 皮膚科医が教える、「ワキ汗」をおさえる方法

石部千晶/六識

吉田貴子

半袖1枚で過ごすことも増えるこの季節、多くの女性を悩ませる“汗ジミ”。オシャレなグレーのTシャツを着ていても、腕を上げたときに汗ジミがくっきり……! なんてことがあったら、それだけで“残念な女性”という印象をあたえてしまうかも。そこで今回は、働く女性に「ワキ汗」に関する悩みについてアンケート調査を実施。また、「ワキ汗」をおさえる方法について、渋谷スキンクリニックの院長・吉田貴子先生に教えてもらいました。

Q.「ワキ汗」にまつわる悩みはありますか?

※「マイナビウーマン」調べ。調査日時:2016年6月20日~6月26日、調査人数:119人(22歳~34歳の働く女性)

はじめに、ワキ汗に関する悩みがあるか聞いたところ、6割以上の女性が悩みを持っているということがわかりました。具体的に、どのようなことに悩んでいるのでしょうか。

<「ワキ汗」にまつわる悩みって?>

■汗の量が人より多いかも……

・「ワキ汗の量が多く、服に汗ジミが残ってしまう」(29歳/電力・ガス・石油/秘書・アシスタント職)
・「ノースリーブで、バッグを肩にかけて歩いていたら、汗がバッグを伝ってたれていた」(34歳/金融・証券/専門職)

特に多かったのが、ワキ汗の量が多いという悩み。服に汗ジミが出てしまうだけでなく、汗がしたたり落ちてきてしまうこともあるようです。逆に「汗をかかないので、病気でないか心配」という声もありました。

■汗ジミだけでなく、ニオイも気になる!

・「ワキ汗の量が多く、自分では気がついていないだけで、実はニオってるのでは? と不安になる」(31歳/その他/クリエイティブ職)
・「汗の量は普通だと思うけど、ニオイが気になる」(33歳/医療・福祉/専門職)

汗をかくことに伴って気になるのが、ニオイ。自分では案外気がつかないものですよね。ニオイをおさえるために制汗剤を使用するという人は多いですが、なかには「体に悪いのでは?」と気にしている人もいるようです。

■脱毛してから、汗の量が増えた!?

・「脱毛してから汗が増えた気がする」(31歳/学校・教育関連/秘書・アシスタント職)
・「汗ジミが気になるし、脱毛をしているから汗をかきやすくなったと思う」(28歳/医療・福祉/専門職)

意外と多かったのが、“脱毛をしてからワキ汗の量が増えた”と感じているという声。ただ、脱毛した人全員がそう感じているわけではないようす。汗が増える人と増えない人では、何かちがいがあるのでしょうか。

<皮膚科医に聞く、ワキ汗をおさえるコツ>

汗の量やニオイなど、悩みはそれぞれあるけれど、原因や解決策はわかっていないという人が多いよう。そこで、吉田貴子先生に、ワキ汗の量やニオイをおさえる方法を教えてもらいました。

◆ワキ汗の量は体質で決まる!?

吉田先生「汗をかく量は、遺伝や代謝のよさ、肥満などの体質によって変わってきます。ほかにも、自律神経のバランスが悪くなっている人は、汗をかきやすい傾向がありますね。ワキ汗の量が多くて、バセドウ病や糖尿病などの病気ではないかと心配される方もいますが、その場合はワキ汗だけでなく全身に汗をかきます。ワキ汗が多い人も少ない人もいますが、これは体質なので気にしないで大丈夫ですよ」

◆ワキ汗をおさえるには?

吉田先生「一番手軽にできて効果的なワキ汗を抑える方法は、制汗剤を使用することです。特に、汗を抑える効果があり、多汗症の治療薬にも使用される“塩化アルミニウム”を主成分にした制汗剤がオススメです。制汗剤に対して『汗を無理やり止めるなんて体に悪そう』というイメージを持っている方もいるようですが、特に健康に影響が出るようなことはありません。スプレータイプも、ロールオンタイプも、安心して使用してくださいね。また、使用は“1日1回におさえたほうがいい”ということもないので、効果が薄れてきたと思ったらつけ直すようにしましょう。ただ、商品が自分の肌質と合わなくて、かゆみが出たりかぶれてしまう場合がまれにあります。その場合は、直ちに使用するのをやめて、ちがう商品を試してみてください。

食に関していえば、やはり刺激物は発汗を促しますので、汗ジミが目立つ服装の日は食べるのをひかえたほうがいいと思います。コーヒーや紅茶などに含まれる“カフェイン”も、過剰に摂取すると汗をかきやすくなるといわれていますので、気をつけましょう。

ワキ汗に限ることではないですが、太い血管のある首を冷やすと、血液が冷たくなって体中が冷やされていきます。全身が冷やされることで、結果的にワキ汗もおさえられるということは考えられますね。

どうしてもワキ汗が気になるという方は、気軽に病院を利用してください。汗を抑える“プロバンサイン”という成分の内服薬や、ボトックス注射など、相談しながら治療をしてもらえますよ。当クリニックでも人気の治療です」

◆汗ジミと一緒に気になる汗のニオイ……、解決法は?

吉田先生「身体には汗が出る場所として“アポクリン汗腺”と“エクリン汗腺”の2つの汗腺が存在します。ワキの下にもこの2つの汗腺が存在していて、特にニオイを発するのは“アポクリン汗腺”から出る汗なのですが、実はここから出る汗、出たばかりは無臭です。人間の体にある常在菌により分解されることによってニオイが発生するんです。ワキ汗をかいても、ニオイが気になるときと気にならないときがあると思いますが、それは、そのときの分泌されている汗腺のちがいや肌や身体の状態に左右されます。また、ニオイは、人種、遺伝、体調によっても変わります。また、常在菌が多いとニオイがキツくなってしまいます。肌が湿っていると常在菌が繁殖してしまうので、汗をかいたらふき取る、着替えを小まめにするなどして、ワキを清潔に保つようにしてくださいね」

<さいごに>

体に悪影響を与えずに、汗ジミとニオイの悩みを一気に解決してくれる「制汗剤」は、夏の必須アイテム。「体に悪いのでは?」と不安を持っていた人も、安心して使ってOKです。また、ワキが湿っているとニオイも強くなってしまうので、ワキ汗はできるだけ小まめに拭きとるのが◎。ワキ汗&ニオイ対策をしっかりして、暑い日でも堂々と半袖で過ごしてくださいね♪

吉田貴子先生
皮膚科・美容皮膚科医。2004年に渋谷スキンクリニックを開業。一般皮膚科と美容皮膚科を開設し、あらゆる肌の悩みに向き合っている。なかでもニキビ治療を得意とする。また、肌トラブルだけでなく、ダイエットやアンチエイジング、発毛治療など、美容にまつわるさまざまな悩みに対応してくれる。テレビや雑誌などのメディアでも活躍中。

(取材協力:吉田貴子、文:石部千晶/六識)

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.06.21)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2016年07月27日に公開されたものです

石部千晶/六識

「こんな情報がほしかった!と思ってもらえるような情報をお届けしたい」という想いから、舞台照明の仕事を経てライターに転職。昔から書くことが好きで、小学生のころから日記を書きためている。現在は、主にグルメや旅をテーマにした取材・執筆を行う。プライベートでは動物との触れ合いが何より好きで、牧場に行ってはムツゴロウさんのようになっている。

この著者の記事一覧 
吉田貴子

皮膚科・美容皮膚科医。2004年に渋谷スキンクリニックを開業。一般皮膚科と美容皮膚科を開設し、あらゆる肌の悩みに向き合っている。なかでもニキビ治療を得意とする。また、肌トラブルだけでなく、ダイエットやアンチエイジング、発毛治療など、美容にまつわるさまざまな悩みに対応してくれる。テレビや雑誌などのメディアでも活躍中。

この著者の記事一覧 

SHARE