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【ホル活】第1回:妊娠力を守る女性ホルモンって? 「ホル活」ではじめる産めるカラダの準備

松村圭子

水野久美(フリーライター)

いつか産みたいと思ったときに産めるカラダでいるには、今からホルモンバランスをしっかり整えていくことが大切。そこで、産婦人科医で成城松村クリニック院長の松村圭子先生が、ホルモンバランスを意識したライフスタイルを築く活動「ホル活」の正しい知識とコツを伝授してくれます。忙しい働く女性でも実践できる、全10回のホル活レッスンをはじめましょう! ※第2・第4木曜日更新中!

女性の美と健康に大きく関わる女性ホルモンは、月経の周期を整えるほか、妊娠・出産にも深く影響しています。そんなホルモンバランスを整える「ホル活」は、将来の妊娠を考えているアラサー読者なら今から意識しておきたいこと。そこで、婦人科医で成城松村クリニック院長の松村圭子先生による全10回の「ホル活レッスン」をお届けします。まず第1回は、ホルモンバランスと妊娠力の関係性について、正しい知識を解説していただきます。

ホルモンバランスの乱れが原因で不調のオンパレードに!

残業で睡眠が不規則。忙しくて運動はほぼしていないし、食事は外食も多く時間もバラバラ……。現代の忙しく働く女性にとって、実はこうした不規則な生活やストレスがホルモンバランスを崩す大きな要因となっています。なぜなら、ホルモンの司令塔となる脳の視床下部は、まさにストレスと不規則さが大っ嫌い。司令塔がダメージを受けると卵巣にうまく指令がいかず、結果として卵巣はホルモンを分泌することができなくなるのです。

さらにその司令塔は、自律神経もコントロールしています。自律神経は体温や心拍を調節し、消化機能を司るなど生命維持に重要な働きをしているもの。つまりストレスなどから自律神経やホルモンバランスが乱れることで、あなたのカラダはさまざまな不調のオンパレードになってしまうのです。

そもそも、女性ホルモンの役割って?

いまいち漠然としたイメージをお持ちの方も多いと思いますが、女性のカラダを司る女性ホルモンにはエストロゲンプロゲステロンの2種類があります。エストロゲンは「美のホルモン」と言われ、新陳代謝を促して肌や髪のハリツヤを保ったり、コラーゲンの生成を助けて潤いをもたらしたりしてくれます。また、骨や血管を丈夫にし、悪玉コレステロールや中性脂肪を抑えるといった、美と健康に関わりの深いホルモンです。

それに対し、プロゲステロンは「お母さんのホルモン」と言われ、妊娠を維持させる役割があります。つまり体温を上げたり、子宮内膜をふかふかにしたり、栄養分や水分を溜め込んで赤ちゃんを守ろうとします。その分、作用が強く出ると、便秘になったりむくみやすくなったりすることもあるでしょう。また、紫外線に敏感になってシミを作りやすく、皮脂の分泌が促されてニキビができやすくなる傾向もありますが、これも肌を守るという「守りのホルモン」の任務なのです。

分泌量ではなくバランス。妊娠力と女性ホルモンの関係性とは?

このように、美容という観点からいえばプロゲステロンはちょっとうれしくないのですが、だからといってエストロゲンばかり増やせばいいというものでもありません。大切なのは「双方のバランス」です。たとえばエストロゲンだけが暴走すると刺激が過剰になり、乳がんや子宮体がん、子宮内膜症、子宮筋腫といった病気のリスクを招いてしまう可能性もあるのです。そうした暴走を抑えてくれるのがプロゲステロンというわけです。

これらのホルモンバランスが崩れてしまうと、妊娠力にも悪影響を及ぼします。わかりやすいのが生理周期の乱れですね。ただし生理が規則的でも、出血量が少ない、期間が短い、あるいは生理前の不調などがある状態では、ホルモンバランスは良好とは言えません。なかには「無排卵月経」といって、生理はあるのに排卵していなかったという場合もあります。排卵が起こらなくなると当然、妊娠は成立しませんよね。将来の産めるカラダの準備のためにもホルモンバランスをしっかり整えて、うまく活用できるライフスタイルを送ることが大切です。

ホルモンバランスを乱す8つの習慣

では、ホルモンバランスが乱れやすい生活習慣とは? あなたはいくつ当てはまるかチェックしてみましょう。

◆ホルモンバランスを乱すNG行動チェックリスト

(1)就寝時間が不規則
(2)夏でも冷えやすい
(3)ストレスを抱えやすい
(4)食生活は外食が多く不規則
(5)生理前にイライラなどの不調が生じる
(6)基礎体温をつけていない
(7)忙しくて運動の習慣がない
(8)過度なダイエットをしている/していた

4つ以上当てはまった人は、ホルモンバランスの乱れに要注意!

特に「冷え」は大敵です。冷えると血管がぎゅっと縮こまって血行も悪くなり、すべての機能が停滞してしまいます。血液が酸素や栄養分を各細胞や臓器に届けてくれるわけですから、当然その栄養分が不足して働きも鈍ってきます。免疫力も低下しますね。オフィスのエアコンにさらされる夏こそ、対策していく必要があります。

また、過度なダイエット」もストレスになり、ホルモンバランスに悪影響を及ぼします。生殖機能というのは言ってみれば、なくても生命の維持に直接関わることはないので真っ先に機能がストップしてしまうんですね。「今は栄養がまわっていないから子どもを作っている状況じゃないよ」「これは間違ったダイエットですよ」というシグナルなのです。

まとめ

以上のように、ホルモンバランスを乱す原因は「睡眠」「冷え」「ストレス」「食事」など普段の生活に深く密着しているようです。そこで第2回以降は、これらのキーワードをテーマにすぐに実践できる「ホル活」のコツをご紹介していきます!

(取材協力:松村圭子、文:水野久美)

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.07.19)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

次回更新は、8月11日(木)予定です。お楽しみに!

※この記事は2016年07月21日に公開されたものです

松村圭子

日本産科婦人科学会専門医。2010年、自身が院長を務める成城松村クリニック開院。女性の美と健康に関する知見を活かし、さまざまなメディアで活躍。著書に、『40歳からの女性の不調にやさしく効く漢方の本』(日東書院)、『女性ホルモンがつくる、キレイの秘密』(永岡書店)、『女30代からのなんだかわからない体の不調を治す本』(東京書店)など。

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水野久美(フリーライター)

フリーライター。トラベル系。愛知県出身。編集プロダクションで旅行情報誌の取材撮影、執筆を経てフリーに。バックパッカー女子ひとり旅で世界30ヶ国以上を放浪。現在は、旅関連の書籍やコラム執筆などを手がける。著書に『いつかは行きたいヨーロッパの 世界でいちばん美しいお城』(大和書房)など。●Webサイト(http://kumi.me

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