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独身の場合、マンションは「借りる」or「買う」どっちがお得なの?

フォルサ

一人暮らしで毎月家賃を払っているけれど、なんだか毎月の支払いがもったいない、なんて思ったことはありませんか? 家賃を払い続けても自分ものになるわけではないし、いっそ、借りるより買った方がお得なのかも……。今回は支出の中で多くの割合を占める「住宅費」について分析。借りたほうがいいのか、買ったほうがいいのか、検証してみたいと思います。

今、払っている家賃でいくらのマンションが買える?

まずは、東京都で人気の街の家賃相場を見てみましょう。

東京都のシングル向けマンション(ワンルーム、1K、1DK)を探す人たちの間で、人気の市区町村1位は「新宿区」、2位は「中野区」、3位は「渋谷区」。家賃相場は、新宿区が9万2,300円、中野区が7万8,500円、渋谷区が10万7,100円となっています(2016年7月7日現在 HOME?S/ホームズ調べ)。おおよそ10万円くらいと見ておいていいでしょう。

その家賃分をローンとして支払ったとしたら、いくらくらいの物件が購入できるのでしょうか。たとえば、頭金なし、金利2%で35年でローンを組むとすると、月々の支払い約10万円で、約2,000万円のマンションを購入することが可能です。「え?都心で2,000万円でマンションなんて購入できるの?」と思うかもしれませんが、中古のリノベーションマンションであれば、十分購入が可能です。

・物件価格……2,000万円
・月々の返済額……6万6,252円(金利2%・元利均等・35年ローン)

そのほか、マンションでは毎月のローンの支払いに加え、管理費や修繕積立金なども必要です。修繕積立金は、マンションの外壁やエレベータ等の共用部分を修繕するためのお金。古い建物ほど高く、築浅になるにつれて下がる傾向にあります。管理費もマンションの規模などによって差があるようです。

管理費・修繕積立金が月々3万円必要となると、毎月のローン返済額と合わせ、トータルで毎月9万6,252円を支払うことになります。これなら前述した新宿区のマンションの家賃相場(9万2,300円)とあまり変わりありませんね。

ただ、気を付けなければならないのは、マンションは資産であるため、毎年固定資産税を支払う必要があること。また、物件購入時に諸経費もかかります。新築物件では、物件価格の3~7%、中古物件では、物件価格の6~10%が目安。なお、金融機関によっては、諸経費を住宅ローンに組み込める場合もあります。

買った場合と借りた場合の総額の比較

●買った場合の総額

では、先ほどの物件の想定で35年でローンを支払い終わったあとの総額はいくらくらいになるでしょうか。

・物件価格……2,000万円
・35年のローンが終わった時点での総支払額……2,782万5,861円
・諸経費をあわせた支払い総額(物件価格の10%と想定)……2,782万5,861円+200万円=2,982万5,861円
・管理費・修繕積立金35年分(月々3万円と想定)……1,260万円

諸経費をあわせた支払い総額と管理費・修繕積立金35年分を合わせると……

2,982万5,861円+1,260万円=4,242万5,861円

結果は4,242万5,861円でした。

●賃貸で過ごした場合の総額

続いて、賃貸のケースを見てみましょう。前述した新宿区の家賃相場9万2,300円と考えると、毎年の支払い額は110万7,600円。家賃の場合には、2年に一度、契約を更新するケースがあるので、その際に、家賃の2カ月分の支払いが発生すると設定すると、35間年の総額は下記のような形になります。

・家賃(35年)……3,876万6,000円
・更新費用(2年に1度)……9万2,300円×17回=156万9,100円
・最初にかかる費用……敷金(2カ月分)18万4,600円+礼金(1カ月分)9万2,300円=27万6,900円

家賃35年分と更新費用35年分、最初にかかる費用の総額……
4,061万1,200円

購入よりも賃貸の方が200万円ほど安い計算となりました。

買った場合と借りた場合を比較してみると……

賃貸で住んだほうが安い結果になりましたが、これは期間を35年で見た場合です。賃貸の場合は住み続ける限り、毎月の家賃が必要です。一方、購入した場合は、ローン返済後は、月々にかかる費用は管理費と修繕積立金だけで済みます。家賃を40年支払い続けるとすると、総額は4,615万円(更新費用含む)になり、マンション購入額よりも高くなる計算になります。

とはいえ一方で、購入した場合も住んでいるうちに、住まいの設備に不具合が出て、買い替えしなければならない可能性も。賃貸の場合なら、大家さんがすべて修繕してくれますが、購入した場合はすべて自己負担。たとえばガス給湯器の寿命は 10~15年くらいと言われており、買い替えには10万円ほどかかります。システムキッチンのビルトインコンロの寿命も10~15年くらいで、交換に10万円以上。このような金額も考えると、トータルではあまり変わらないのかもしれません。

マンション 200倍の法則とは?

賃貸と購入、あまり差がないなら買いたい!と決めたなら、ぜひ覚えておいてほしいのが「200倍の法則」。物件の販売価格が、同等のマンションの家賃相場の200倍以内であれば、その物件は「買った方が得」、200倍以上であれば、「借りた方が得」となるというものです。

前述の新宿区の家賃相場であれば、9万2,300円×200で、1,846万6,000円以下なら「買い」ということになりますね。実際に調べてみると、その額で購入できる中古マンションも多く販売されています。「借りるか買うかどちらが得」を大まかに判断できるので、気になる物件があったらその法則で計算してみるのもいいでしょう。

ライフスタイルの変化も考えて

「どうせ同じくらいのお金を払うなら、マンションを購入したい!」と決断したとします。今は結婚する予定はないけれども、素敵な彼が現れて、結婚を考える可能性もありますよね。一人暮らしならワンルームや1DKの間取りでも問題ないかもしれませんが、夫婦で暮らすならせめて1LDK、子どもを考えると、2LDKはほしいところです。

賃貸物件であれば、ライフスタイルの変化に合わせて、住み替えすることもできますが、購入したとなるとそうはいきません。購入時には、現在の住まいとしてだけでなく、将来を考えて間取りの多い物件を購入したり、立地を考慮しておくことも必要かもしれません。

マンション購入後に結婚することになったら

マンション購入後に結婚することになったら、2人の住まいを今後どうするか考えましょう。そのまま住み続けるか、新居に住み替えをするかが大きな選択肢ではないでしょうか。

●間取りをリフォームして住む

あらかじめ、広めの物件を購入しておくなら、リフォームで間取りを変更することが可能です。ただし、リフォームの内容によってはかなり金額が異なってくるので、予算額を決めたうえで生活スタイルに合った間取りにできるか検討しましょう。

●物件を売却する

せっかく購入したマンションですが売却し、別に新居を構えるという方法もあります。売却するには、基本的に住宅ローンを全額精算しておく必要がありますが、完済することを条件として売却することも可能です。売却した費用を返済に充てたり、新規のローンに上乗せするなどの方法もあります。

●物件を貸す

新たに新居を賃貸で借りて、購入したマンションは、賃貸物件として「貸す」という方法もあります。家賃収入があるので、その分をローン返済に充てることも可能です。

まとめ

ネットや不動産会社のマンションの広告を見て「月々の支払額がこのくらいなら、私でも買えるんじゃない?」と思った人も少なくないはず。でも実際にシミュレーションしてみると、返済総額は実際は物件価格の倍以上になり、驚いた人もいるのではないでしょうか。賃貸も長年借りると、総額はマンション購入額を上回るものに。どちらもかなりの額になるため、ライフスタイルや家族の状況、将来の見通しなどをもとに、リスクを見極め慎重に選びたいものです。

(松原圭子/フォルサ)

※この記事は2016年07月09日に公開されたものです

フォルサ

ライティング、編集、DTPまで手がける制作グループです。
“フォルサ”はポルトガル語です。「がんばれ!」と応援する言葉ですが、サポートするという意味もあります。女性の為になる情報を間口を広く扱っていきます。

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