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【彼の不可解な行動12】出会いがない。出会いに男女の違いはあるの?

ぐっどうぃる博士/恋愛カウンセラー・理学博士(生命科学)

朝井麻由美

今回の相談者:25歳 公務員 彼氏なし

社会人になってから、出会いが減ったと感じているが、男性もそうかんじているのかわからない。そもそも、女性が言う「出会い」はタイプな男性と出会うことですが、男性が言う「出会い」はどういう意味でしょうか。

「都合のいい女性」は男性が言う「出会い」に入っていない!

朝井麻由美(以下朝井):「出会い」の定義って男女で違うのでしょうか?

ぐっどうぃる博士(以下博士):同じだと思います。男女共「出会い」の定義は、「自分の恋人になりそうな異性と新たに知り合うこと」でしょうね。人によっては「自分の結婚相手になりそうな異性と新たに知り合うこと」かもしれません。そしてその条件は、「恋人や結婚相手にしてもいいくらいの価値を持った異性であること」かつ「自分と付き合ってくれそうあるいは結婚してくれそうな異性であること」になるでしょう。

朝井:博士は以前この連載で、男性にとっての「好き」は女性よりも広い、といった趣旨のことをおっしゃっていましたよね? 好きだけど付き合うほどではない、とか、体の関係を持ってみたい程度の好き、とか。そう考えると、男性のほうが「出会い」の定義は広く、出会いが多いような気がします。

博士:いい質問です。男性の好きの範囲は女性より広いです。でも、男性は、「付き合うほどではない女性」と知り合うことを出会いに含めていません。デートするだけの女性や、体の関係を持つだけの女性は出会いに入っていないんです。だから男性は、都合のいい女性と体の関係を持ちながらも、「出会いがない」と悪気もなく言うでしょう。

社会人になっても出会いが減らない人の特徴

朝井:そうなんですね。恋人になれない女性の地位はことごとく低いんですね。じゃあ、男性にとっても「出会い」は少ないってことですね。

博士:ただ、社会人になっても出会いが減らないタイプがいます。男性なら「セックス至上主義」と僕が呼ぶ、女性と体の関係を持ったり、女性にモテることをもっとも重視していて、常に女性のことばかり考えている男性。女性なら「恋愛至上主義」と僕が呼ぶ、人生でもっとも重要なことが恋愛だと思っていて、いつも男性のことばかり考えている女性です。

このタイプの人たちは、学生だろうが、社会人だろうが、既婚者だろうが、若かろうが年寄りだろうが、常に異性に出会っていて、恋愛をしたり体の関係を持ったりしていると思います。

一方、男性なら女性に特に興味のない人たち、女性なら恋愛がそれほど重要でない人たちの多くは、社会人になったとたんに出会いが減ってしまうでしょう。

朝井:あと、見た目が可愛い女性とか、イケメン男子とかも出会いが減らなさそうな気がします。

博士:おっしゃる通りです。異性から見て価値の高い男女は、出会い続けますね。その中の一部は、社会人になっても出会いが減ったと感じないかもしれませんし、たとえば男性なら、収入が増えたり、一流企業に勤めたりすることで価値が高まり、かえって出会いが増えたと感じる人もいるかもしれません。

朝井:なるほど。その人が恋愛至上主義の女性のように高いモチベーションを持っている人かどうか、あるいは、その人のステータスや能力によって、出会いが減ってしまう人と、そうでない人に二極化するんですね。

でも、たとえば、この相談の方のように「出会いが減った」と言っている人は、出会いたいわけですよね。出会いたいというモチベーションはあるわけです。今は、マッチングサイトや街コン、カップリングパーティとか相席居酒屋など出会いのサービスはたくさんありますし、モチベーションさえあれば、そして条件にこだわりすぎなければ、出会いは増やせるのではないでしょうか?

博士:まずですね、先に述べた「セックス至上主義の男性」や、「恋愛至上主義の女性」は、そうでない人と比べて、出会いに対するモチベーショが著しく高いんです。

朝井:ただ単に「出会いがない」と嘆いている人とは、そもそものモチベーションがぜんぜん違うってことですか?

博士:そう。例えるなら、「セックス至上主義の男性」や、「恋愛至上主義の女性」は、旅行先で、すごくおしっこをしたくなった人がトイレを探すようなものです。彼らはトイレに行くことしか考えていません。トイレが見つかるまで必死で探し続けるでしょう。

一方、そうではない人は、特に尿意はないけど、「このあともずっとトイレがないだろうから、取り合えず今トイレに行っておこう」くらいの感じでトイレを探しています。見つからなければホテルに帰ってすればいいやなんて思っています。ほかのことをしているうちに、尿意など完全になくなっていたりもするでしょう。そんな彼らは、「ガソリンスタンドにもトイレがあるかも」とか「道行く人に、この近くにトイレがあるか聞いてみよう」とか「ファミリーレストランはちょっと恥ずかしいけど、この際仕方がない」とまで思っていません。

朝井:そんなにモチベーションが違うんですね。

博士:ですので、恋愛至上主義の女性は、ただ出会いの場に行くだけでなく、お金をかけてメイクの勉強をしたり、ダイエットを頑張ったり、恋愛指南書を読みまくったりと、男性を惹きつけるための努力にも余念がありません。セックス至上主義の男性なら、面白い話をできるようにしたり、女性が好む文化を研究したり、見た目を磨いたりして、ストイックに、女性を惹きつけるあらゆる努力をし続けているわけです。

でも、そうでない人は、そこまで頑張りません。例えばマッチングサイトに登録したとしても、プロフィール画像をモテそうな画像に変えるとか、モテそうな自己紹介文に変えるなどの工夫することまで頭が回らないでしょう。ファッションも異性にモテるためのものではなく、楽なものだったり好きなものを着ていると思います。

朝井:そうやって列挙されると、いかに努力に差があるかがわかりますね。

結果をすぐにほしがる人ほど「出会いがない」と感じる

博士:また、そのような出会いへのモチベーションの低い(本人は出会いたいとは思っている)普通の人は、結果をすぐにほしがります。目の前の新たに知り合った異性を見て、魅力的と感じなければ、すぐに出会いがないと思うし、魅力的な異性がいても今好きになってくれなければ、やはり出会いはなかったと思ってしまう。そこからの努力がないのです。

朝井:セックス至上主義や恋愛至上主義じゃない人が出会いの場に行ったら、すぐに結果を欲ほしがるということですね? 確かに、過去に二、三回だけ合コンに行って、たいした出会いもなかったからもういいや、となった人は、私も含めて周囲にたくさんいます。

でも、せっかく出会いの場に行ったのに、いい人がいなかったり、誘われなかったりしたら、がっかりはしますよね。出会いがないって思うのは自然な気がします。

博士:彼女たちが学生だった頃を思い出してほしいのですが、そんな一瞬で始まる恋愛ばかりではなかったはずです。最初はお互いにそれほど好きだったわけではないのだけど、何度も会って、いろいろな話をして、同じ時間を共有している間に、自然と生まれる恋愛も多いでしょう。

ある程度長い時間の中で、徐々に相手を魅力的に感じたり、その逆に、やさしさや気遣いなど、長い時間でなければ伝わらない自分の魅力が相手に伝わったりして、始まる恋愛も多いと思います。

朝井:確かに、合コンとかだと、見た目とかノリみたいな、数時間でわかる程度の魅力しか伝わりませんよね。それだと、ここで定義した「出会い」は限られますね。

博士:しかも、合コンやネットの出会いでは、はなから目的が異性との出会いなので、「恋人や結婚相手にできるほどの価値があるのか?」という視点で相手を見てしまう。相手が人であることすら忘れ、まるで大型電気量販店で電気製品を買うように、スペックだけを吟味し、相手もそんなふうに自分を吟味する。

朝井:わかります。例えば、大学のサークルみたいな、恋愛を目的としていないような場所だと、話がそれほど面白くない男性がいたとしても、時間をかけてじわじわとわかるよさがあったりしますね。あと、それが職場なら、仕事で失敗した時にフォローしてくれたとか、仕事に対する真摯な姿勢とか、お互いが感じる魅力の範囲が広がる気がします。

博士:その通り。それから単純接触効果もあります。つまり好ましいと感じた相手と何度も会っているとどんどん好きになっていく。

正しい出会いの方法

朝井:ここまでをまとめると、出会いたいなら、「女性らしさを磨いて出会いに必死になる」か「相手を恋愛や結婚という軸で評価しない場所で長い時間異性と一緒に過ごすか」ということですか?

博士:まあ、そうです。

朝井:でも中には、必死で相手を探しているけど、それでも出会えないと言っている人もいますよね。このような人はどうなのでしょう?

博士:確かにいますね。セックス至上主義や恋愛至上主義の人たちの中にも、一部そのような人はいるでしょう。一つは、まだ努力が足りないということ。もう一つは、今の方法が間違っているということ。

朝井:出会い方に正しい方法というのがあるのでしょうか?

博士:誰にとっても効率的な出会える方法というのもあるし、それぞれの人に合った出会いの方法もあります。ただ、その方法について一から話すのは大変なので、今回は出会いに行き詰まった人に勧める「ランダムォーク」についてお話ししようと思うのですが、朝井さん、ランダムウォークって言葉聞いたことはありますか?

朝井:初めてです。

博士:では話します。これはよく話すエピソードなのですが、僕の知り合いに、全くモテない女性がいました。彼女は当時ある会社で営業の仕事をしていて、営業成績はナンバーワン。仕事ができる女性でした。彼女いわく、本当にうんざりするほどモテないのだそうです。ただ、彼女は韓国が好きなのですが、韓国に行くとすごくモテるというのです。

朝井:韓国ではモテる。どういうことでしょう?

博士:気になりますよね。本人もなぜ韓国でだけモテるのか理由がわからないようでした。僕もわからなかったけど、気になったので彼女に長いインタビューをして原因を探しました。理由を聞いているうちにわかってきたのは次のようなものです。

彼女は日本では誰よりも仕事のできる女性、一方で韓国では、言葉は少し話せるけど流暢ではないし、電車の乗り換えも間違えてしまう。スマホの使い方もわからない。つまり、日本では完璧な女性が韓国に行くと隙のある頼りない女性に変わるのです。

朝井:ああ、彼女自身が意図せずモテる女性に変わっているってことですね?

博士:そうです。ある人が努力してもモテないとします。なぜモテないかはわからないけど、一つ言えることは、今している言動のどこかにモテない原因があるということ。だから、これまでまったくしなかったことをしてみる。すると突然モテるようになる。

この今までしたことのないことをデタラメにするというのがランダムウォークです。それにより、今までと何かが変わり、出会いのブレイクスルーが起きる。

朝井:じゃあ、何も考えずにいつもと違うことをあれこれやってみればいいということですか?

博士:なんせデタラメに行動を変えるので、失敗も多いですが、当たれば大きい方法です。「婚活がうまくいかない女性が、婚活をやめたら結婚できた」なんていうことも、ランダムウォークをしたからなのではないかと思います。結婚式で夫婦の馴れ初めを聞いた時、「たまたま出会った」という話が以外と多いことに気づく人もいるでしょう。

まあランダムウォークは万能ではないので、出会いの努力の2割をそのランダムウォークにして、それ以外の8割を自分がもっとも効率的だと思う出会いにすることをすすめます。

朝井:具体的に何をすれば?

博士:例えばこれまで断っていた友だちの誘いに乗るとか、インドアの女性ならアウトドアの趣味を始めてみるとか、SNSをしたことがないなら、SNSを始めてみるとか、久しぶりに実家に帰って地元の友だちと遊んでみるとか。あるいはいつもの駅より一個前の駅で降りて歩くとかですかね。

朝井:それにしても出会いの努力って大変ですね。そしてハードルが高い。そんなことをしないと出会えないなんて、そりゃあ、恋愛もしなくなりますよ。

博士:そうなんです。出会うのも大変、恋人とのいい関係を維持するのも大変。結婚するのも大変、結婚後の関係維持も大変。しかもそれらは皆すごく大変。

恋愛についてのアドバイスをすると、シビアなことを言わざるを得ないことが多いのです。だから最近、果たしてそれは正しいことなのか、と思うんですよ。

朝井:というと?

博士:例えばですね。異性と付き合ったことのない女性や、もう何年も付き合っていない女性に多いのですが、恋愛でもなんでもないものを恋愛と勘違いしている女性がけっこういます。

会社の同僚とお昼時に雑談をしているだけなのに、その男性と淡い恋仲になっていると思っているとかね。あるいは、何度かデートをしただけで、二人が恋人ではないものの、ほぼ恋人のようなものだと信じていたりする。そういう人が多いのです。

特に女性の年齢が高くなってくると、その恋愛じゃないものを恋愛と思い込む人口が増えていく気がします。恋愛ができなくなり、その代わりに恋愛のようなものを楽しんでいるような感じです。

朝井:そうなんですね。

博士:で、そういう人がなんとなく僕に相談をしてきます。
詳しく聞けば聞くほど、それは恋愛でもなんでもなく、その人の妄想だったりする。
相談者の問題解決が僕の役割なので、受験生を指導する教官のように、現実を見せて「それは恋愛でもなんでもない。必死に正しい努力を一貫して続けるべきだ」と言い、その茨の道も示す。
けれど心の中では、ここからは抜け出せないんだろうなって思ってしまうのです。

朝井:そんなにですか? 博士に相談してくるくらいだから、解決したい、努力したい、とは思っているんですよね?

博士:解決するには、傷ついたり、騙されたり、挫折したり、ゴールのなかなか見えてこない道を進んで、乗り越えないとなりません。そこを避けてきた人たちが、そんなことに耐えられるわけがないと思ってしまうのです。

で、どうせ叶わない恋愛なのだから、そのように夢を見させておくほうがいいんじゃないかと思うことも最近は多いわけです。

朝井:なるほど。

博士:恋愛の甘い果実を夢見ているけど、この果実を取るにはすごく高い崖によじのぼり、木に登ってやっと得られるものだって知らないでしょ? と思ってしまうのです。それより食べてるような気分になるのでいいんじゃないかと。

朝井:じゃあ、必ずしも、この連載を読み込んで、厳しい現実を見なくても、夢を見るのもあり……?

博士:ええ、結婚をしないという選択肢に抵抗がないなら、ありだと思いますね。

朝井:確かに、恋愛も結婚も、しなければならない決まりなんてないですものね。今、恋愛に悩んでいる人は、苦しんでもなお、恋愛をうまくいかせたいのか、を考えてみると、少しラクになるかもしれないですね。ありがとうございました。

【まとめ】

1)出会いの定義は男女共変わらない。
2)多くの場合、社会人になると出会いは減る。
3)出会いが減らない男性は、女性のことで頭がいっぱいの人(セックス至上主義)。
4)出会いが減らない女性は、男性と恋愛したいと常に考えている人(恋愛至上主義)。
5)出会いが減らない人は、異性からみて価値の高い人。
6)出会うためには、高いモチベーションで正しい努力をし続ける必要がある。
7)出会うためには、男女が、恋愛を目的としない場でずっと一緒にいる必要がある。
8)今の出会いがうまくいかない人は、今までしたことのない行動をすべき(ランダムウォーク)
9)恋愛をすることは、人によってはとても大変なので、したくない人はしなくてよい。
10)恋愛をしているような妄想に浸っている人は、結婚を考えないなら、その妄想の中にい続けたほうが幸せかもしれない。

(構成:ぐっどうぃる博士、朝井麻由美)

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※この記事は2016年06月28日に公開されたものです

ぐっどうぃる博士/恋愛カウンセラー・理学博士(生命科学)

自身の体験と生命科学の視点から確立した、独自の恋愛理論で、多くの女性たちの支持を集める。過去にカウンセリングした女性は延べ11000人以上。恋愛や結婚に悩む女性たちに答える日本最大級の恋愛サイト『恋愛ユニバーシティ(http://u-rennai.jp)』主催。 著書に『モテの定理』『恋愛マトリックス』(ソフトバンククリエイティブ)、『恋で泣かない女になる61のルール』(講談社)など。
http://u-rennai.jp/goodwill/

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朝井麻由美

ライター・編集者。著書に『「ぼっち」の歩き方』、『ひとりっ子の頭ん中』。
Twitter:@moyomoyomoyo

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