お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

おもちゃメッセンジャーに聞く、乳幼児期の「おもちゃ」の選び方

フォルサ

佐藤達矢

知育玩具やクッキングトイ、自然素材でできた玩具など、おもちゃ売り場にはさまざまな種類の玩具がいっぱい。子どもの発達にぴったりなおもちゃを選んであげたいと思っていても、その数や種類に圧倒され、何を選べばいいのか迷うママも多いのではないでしょうか。

そこで今回は、おもちゃのイベントやおもちゃの選び方などを親子向けセミナーなどで講師として活動している「おもちゃメッセンジャー」佐藤達矢さんにインタビュー! 「子どもの発達に合わせたおもちゃの選び方」についてお話を伺いました。

乳幼児期のおもちゃ選びが大切な理由

生まれたばかりの赤ちゃんは、寝て、ミルクを飲んで、また寝るの繰り返し。では、おもちゃに興味を持ち始めるのはいつごろからなのでしょうか。

「手に触れるもの、目に映る物に興味が出てくるのは生後6カ月以降になります」と佐藤さん。個人差はありますが、大体そのころから、手にとったものを口に運ぶようになったり、もの自体を認識できるようになるといいます。

また、この「手で触れる、口に運ぶ」という行動は、子どもの発達にとって重要な役割を果たすそう。みなさんは「ホムンクルス」という絵をご存知ですか? 手と口が大きく書かれたこの絵は、脳の面積を大きく占める身体の部位ほど大きくかかれています。絵によると、手や手の指(とくに人差し指)、舌、唇が大きく描かれており、これらの部位が脳の発達に果たす役割の大きさがわかります。

手や口は、生命としてそれが安全なのかを確かめるのにとても敏感なセンサーとしての役目を担っていますが、乳幼児期に手や口を刺激するおもちゃを与えることは、脳の発達を促すことにもつながるのですね。

口にしても安全な自然なおもちゃを

手にとったものを口に入れてしまうことが多い乳児期に与えたい、おもちゃ選びのポイントを佐藤さんに聞きました。

「おもちゃの素材は、口にしても有害物質が入っていない自然素材のものを選びましょう。『一時期だけだから』、『外出先でグズッたから』といった理由で安いものを選ぶのはキケンです。きちんと赤ちゃんの健康も考慮しましょう」(佐藤さん)

性別で、与えるおもちゃは変えるべき?

性別によって、与えるおもちゃは変えたほうがいいのでしょうか。佐藤さんによると、赤ちゃんの時期は性別で興味をもつおもちゃの差異はみられないようです。では年齢ではどうでしょうか。個人差が出るため一概に「これがいい」とは言い切れないそうですが、おもちゃを選ぶ際のおすすめの方法として、「実際におもちゃで遊ばせてみて、その子が一番手に触れていたもの、一番笑顔を見せて遊んでいたもの」を選ぶことだと教えてくれました。

「知育玩具」を選ぶ時のポイントは?

「知育玩具」を選ぶ際のポイントと、遊ばせる際のポイントについても佐藤さんに聞きました。

「知育玩具は遊び方の説明書通りに遊ばせてあげれば、脳の発達も促されるのでいいと思います。しかし、説明書に書かれている遊び方が正しいとは限りません。大人は“ルール通りに遊ぶことが正しい”と思い込んでしまいがちですが、ルール通りに遊ぶのではなく、その子が一番楽しいと思える遊び方ができているかが大事です。遊んでいるおもちゃがとても楽しければ、子どもは手をたくさん使って遊びます。手を使うことが一番脳を使う、というのを考えると、“知育”という言葉よりも、子どもがより触れたくなるようなおもちゃのほうが脳を育ててくれることになるでしょう」(佐藤さん)

子どもが気に入り、たくさん触れて遊ぶおもちゃであれば、その子にとって「知育玩具」になるといえそうです。大人の目線、基準ではなく、子どもが気に入るかどうかで選ぶといいようです。

「おもちゃ」の正しい遊び方は教えるべき?

「ルール通りに遊ぶことにこだわらない」は、知育玩具だけに限りません。往々にして子どもは、大人が思っていないようなおもちゃの使い方をするもの。佐藤さんも「おもちゃというものに“正しい遊び方”というのが存在すると考えないほうがいいでしょう」と話します。

「たとえば、ボール。「転がす」という遊び方しかなかったら、野球やバスケットボール、卓球やテニスなどは誕生しませんでした。そのため『本来の遊び方』をしない=今までにない発想かもしれません。ちがった遊び方を認めることが、結果的にはその子どもを一番成長させることなのではないでしょうか」(佐藤さん)

命にかかわるような危険な遊び方は止めるべきですが、ケガをしない程度に、自由に遊ぶのを見守ることが、子どもの発想力を伸ばす秘訣かもしれません。

おもちゃメッセンジャーおすすめ! おもちゃベスト3

これまで数多くのおもちゃと子どもたちの笑顔を見てきた、おもちゃメッセンジャーの佐藤さんに「おすすめのおもちゃベスト3」を聞きました。

●ベスト3 「クォーター」(あるみトイ)

「クォーター」(あるみトイ)4分割されたボールの上に動物(キリン、ぶた、かえるなど)がいるようなデザインのおもちゃ。上から手でつぶすと、グシャッとつぶれますが、すぐに元どおりに。動物の部分と4分割されたボールがひもでくっついており、バランスを取れば立てることができます。親が立てる、子どもが倒すといったコミュニケーションを取ることができるほか、「バランスを取って立てる」と言った遊びもでき、成長に合わせて遊び方を変えることができます。

商品名:「クォーター」
発売元:arumitoy(あるみトイ)
価格:2,600円~(税別)
おすすめの年齢:生後8カ月~
URL:http://www.arumitoy.net/

●ベスト2 「ノシリス」(アイ・シー・アイデザイン研究所)

ノシリス

やわらかなシリコン素材で作られたおもちゃ。色が原色のため、視力の弱い時期の赤ちゃんにとっては手に取りやすいものになります。このおもちゃのおもしろいところは、星の形をしているものが、裏返すとサクラになる、など「ひっくり返すと形が変わる」というところ。力の入れ方次第で見え具合も変わるため、発想力を育てることにもつながります。佐藤さんは、めいっ子さんの1歳の誕生日にノシリスをプレゼントしたそう。「かなり食いつきもよく、感触を楽しんでくれました」(佐藤さん)

商品名:「ノシリス」
発売元:アイ・シー・アイデザイン研究所
価格:600円~(税別)
おすすめの年齢:生後6カ月~
URL:http://www.nocilis.jp/

●ベスト1 「リングドール」(アトリエ朝香)

リングドール

同商品は、木の輪にかわいらしい顔が付いたおもちゃ。ハンドタオルと一緒に使うおもちゃで、タオルの巻き方により表情がいろいろ変わります。口にものを入れる時期は、よだれでおもちゃがベタベタになりがちですが、構造がシンプルなので拭きやすく、一緒に使うタオルも汚れたらすぐに取り換えられるため、常に清潔に保てます。手と口でものを判断する時期には特に役立つおもちゃです。

商品名:「リングドール」
発売元:アトリエ朝香
価格:800円(税別)
おすすめの年齢:生後6カ月~
URL:http://atelier-asaka.petit.cc/

まとめ

「子どもの発達に応じたおもちゃの選び方」いかがでしたか? 何でも口の中に入れてしまう赤ちゃんに困った経験があるママも多いかと思いますが、その「口に運ぶ」ということが子どもの発達に大きな影響を及ぼしているというのに驚きですね。佐藤さんおすすめのおもちゃは、安全性にもこだわったものばかり。ぜひ参考にしてみてくださいね。

(松原圭子/フォルサ)

※この記事は2016年05月31日に公開されたものです

フォルサ

ライティング、編集、DTPまで手がける制作グループです。
“フォルサ”はポルトガル語です。「がんばれ!」と応援する言葉ですが、サポートするという意味もあります。女性の為になる情報を間口を広く扱っていきます。

この著者の記事一覧 
佐藤達矢

明星大学 心理・教育学科 心理学専修。在学中にNPO法人日本グッド・トイ委員会の発行する資格「おもちゃコンサルタント」を取得する。現在は、おもちゃコンサルタントの資格を活かし「おもちゃカフェ」や、「ラクワクママ活」や「MISOJI MATSURI」の子どもブースの設置、また、大人がおもちゃで楽しめるための場「おもちゃBAR」や「おもちゃ交流会」などを開催している。おもちゃの活動と並行して、お母さんのためのコミュニティ「ママがつながると世界がつながる(通称ママつな)」を運営。

この著者の記事一覧 

SHARE