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耳鼻咽喉科専門医が教える! 花粉症になりやすい人、なりにくい人の特徴

山本櫻子/ナナネール!

大河原大次

今の時期、花粉症に苦しんでいる人も多いはず。ひと昔前に比べて、アレルギーを持つ人の割合は急激に増えているそうです。そもそもアレルギーはなぜ起きるのか。同じ環境にいても発症する人としない人がいるのはなぜなのでしょうか。アレルギーにまつわる疑問や、発症させないよう気をつけるべきことについて、日本橋大河原クリニックの院長、大河原大次先生にお伺いしてきました!

Q.あなたは、何かしらアレルギーを持っていますか?

「はい」と答えた人はなんと、2人に1人以上という結果に。ではそれぞれのどんなアレルギーを持っているのか聞いてみました。

花粉症

・「スギ花粉。ヒノキ花粉」(23歳/学校・教育関連/専門職)
・「耳鼻科で検査を受けたら花粉症との診断。鼻水がかんでもすぐに垂れてくるので、ポケットティッシュでは足りずボックスティッシュを愛用している」(24歳/建設・土木/技術職)
・「花粉症。フルーツアレルギー。花粉症がひどくなると同時にフルーツアレルギーを発症した」(29歳/人材派遣・人材紹介/事務系専門職)

「アレルギーを持っている」と答えた人の中で、「花粉症」と答えた人は圧倒的多数で、ほとんどの人が、鼻のムズムズ感や目のかゆみを感じていました。鼻水や涙によるメイクくずれといった悩みも目立ちました。

食べもの系

・「カシューナッツを食べると、口の中がイガイガして喉がかゆくなる」(29歳/建設・土木/事務系専門職)
・「海鮮を食べると稀に蕁麻疹が出る」(29歳/人材派遣・人材紹介/事務系専門職)
・「牛乳アレルギーを持っていて、飲み過ぎると湿疹が出ます」(32歳/ソフトウェア/事務系専門職)

食べ物にアレルギーを持つ場合は、常に口にするものに気遣わなければいけないのがつらいところ。外出先で出された食事や、手土産など貰い物に手を付けられなくて困ってしまうケースもありそうですね。

動物系

・「ハウスダスト。はちみつ。蚊」(32歳/食品・飲料/販売・サービス職)
・「猫アレルギー。くしゃみがとまらない。肌が荒れる。まぶたがはれる。のどがかゆい。鼻水がとまらない」(30歳/情報・IT/事務系専門職)

猫好きだけど猫アレルギー、という矛盾を抱える切ない回答も。少し触れただけで目のかゆみを引き起こし、ひどい場合は皮膚が腫れあがることもあるようです。ほかにもこんなアレルギーで悩む人がいました。

その他

・「鼻炎。ほこりや温度差を感じると鼻水とくしゃみがとまらない」(28歳/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)
・「風邪でも花粉の時期でもないのに鼻がムズムズする。寒暖差アレルギーになっているらしいです」(31歳/金融・証券/事務系専門職)

多かったのは寒暖差による鼻炎の症状。エアコンによって外気との気温差が大きくなった室内に入ったときは要注意。とはいえ、気温の問題は自分ひとりでは解決できず、まわりの人へも影響を及ぼすのでこれまた困った問題と言えそうです。次に、アレルギーの発症時期について見ていきたいと思います。

Q.大人になってから発症したアレルギーはある?

5人に1人が「ある」と回答。では、いつアレルギーを発症したのでしょうか?

いつからアレルギーに?

・「花粉症は社会人になってから体調があまりよくないのか酷くなった感じがする」(32歳/不動産/専門職)
・「稲アレルギー、花粉症全般。稲アレルギーは、高校のときに発症して、喘息にもなった(26歳/医療・福祉/専門職)
・「大学生のときに花粉症を発症」(27歳/農林・水産/営業職)

高校・大学時代からという意見もありましたが、社会人になってから発症したという意見がもっとも多い印象でした。中には「東京に研修に行ったのを機に花粉症がひどくなった」という意見も。後天的に発症するとなれば、どうすれば予防できるかも気になりますね。続いて、アレルギーを持つ人だからこそのつらさについて聞いてみました。

アレルギーがもっともつらいのはどんなとき?

・「耳や喉がかゆくなるがその症状を人に話しても理解されない」(28歳/ソフトウェア/技術職)
・「鼻と目がかゆいので眼鏡にマスク姿といういでたちになり、ダサいしモサイしメガネは曇るしで気分は最悪」(34歳/小売店/販売職・サービス系)
・「目やに、目の痒み。視界が霞んでものが見えにくくなり、ちょっと仕事がやりづらい」(25歳/食品・飲料/専門職)

アレルギー症状によって日常生活を阻害されているというコメントが目立ちました。マスクなどで対策するも、「仕事柄見た目が気になる」という意見もあり。中には「どうしたら治るの~!! 教えて!!」という悲痛な叫びも……。そもそも、なぜアレルギーになってしまうのか。素朴な疑問を集めてみました。

遺伝するってホント?

・「発症はしていないが、家族が何人か花粉症なので、私もその体質なのではないかと心配 (34歳/金属・鉄鋼・化学/事務系専門職)
・「花粉症の人がそばにいるとうつるのではないかと心配になります。(30歳/運輸・倉庫/技術職)
・「遺伝するのか」(32歳/学校・教育関連/専門職)」

「遺伝的な要因はあるの?」という意見や、「花粉症はうつるの?」という飛沫感染を心配している回答も見られました。

アレルギーに関する疑問に専門医が回答!

そこで、アレルギーにまつわるさまざまな疑問について、日本橋大河原クリニックの大河原大次先生に教えて頂きました。

 

 

そもそも花粉症になりやすい人となりにくい人の特徴って?

大河原先生「花粉症の場合は実は相当、遺伝の要因が強いです。ですから、花粉症を持っている人は家族の方に影響しています。もっと大きい分類でいえばアレルギー性の病気、アレルギー性疾患ということになります。アレルギー疾患という病気の、代表的なものでいうとアレルギー性鼻炎ですね。そのうち多いのがスギ花粉による花粉症です。感染するといったことはありませんので安心してください」

大人になって発症するのはなぜ? 発症させないために気をつけるべきことって?

大河原先生「大人になってからアレルギーを発症する原因は、アレルギーを引き起こす原因の物質を多く浴びていることです。花粉やほこりなど、特定のものを吸い込む機会が多い人はそれだけ症状が出やすいです。また、アレルギーになるのは環境因子が影響すると言われています。現代は、小さいころから化学物質や添加物に接する機会が多く、アレルギー人口が急激に増えた原因とも言われています。したがって、発症を予防するには発症させるものになるべく触れないということが有効です。たとえば、食事や毎日使うものをなるべく無添加のものにするとか、無農薬野菜を使うとか、そういったことが予防につながると言えますね」

まとめ

アレルギーは、特定の物質が体内に蓄積することが引き金になる、身体の拒否反応。さらに、アレルギー体質は遺伝によるところが大きい、ということが明らかになりました。まだ発症していない人は、毎日の食事に気をつけたり、外出時はマスクを使ったりすることで予防しましょう。

(取材協力:大河原大次、文:山本櫻子/ナナネール!)

※画像はイメージです

※マイナビウーマン調べ
調査日時:2016年2月5日~2月8日
調査人数:130人(22歳~34歳の女性)

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.07.12)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2016年03月09日に公開されたものです

山本櫻子/ナナネール!

編集プロダクション「ナナネール!」所属ライター。美容師、メイク部員として10年美容業界にいた経験を活かし、ハサミとブラシをペンに持ち替え執筆中。特にアラサー女性の流行に敏感。ナナネール!ではビューティー、ヘルスケアを中心に雑誌「Can Cam」「Ranzuki」WEB「美的.com」「@cosme」「KADOKAWA 魔法のiらんど」他を担当。会報誌、カタログ、広告、Web動画なども制作している。

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大河原大次

耳鼻咽喉科 日本橋大河原クリニック院長。1959年、東京都生まれ。帝京大学医学部卒。日本医科大学耳鼻咽喉科入局・助手、伊勢崎市民病院耳鼻咽喉科医長として経験を積み、神尾記念病院副院長を経て日本橋大河原クリニックを開業。患部をモニターに映しながら説明する、丁寧なカウンセリングが特徴的。

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