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【女の嘆き】これって社内いじめ!? 職場の人たちに避けられているときの対処法とは?

三吉野愛子

「あの子っていいなぁ! 私なんて……」「今、私ってどう見えてるんだろう」など、他人と比較して自己評価が下がったり、同性・異性の目に自分がどう映っているかを気にしすぎたりすること、ありますよね。心理コーディネーター・三吉野愛子が、そんな複雑な女ゴコロを解説し、嘆きの処方箋を出します。自分らしく輝いて生きるヒントをチェックして!

<今回の嘆き>
20人くらいの部署で、女性はその三分の一ほどしかいない職場にいます。お昼になると、何人か連れ立ってランチを買いに出たり、外に食事に行ったりします。でも、なぜか私が席を外している間にみんなが出払ってしまうことが多く、私はお昼休みにひとりで過ごすことが多いのです。それに、女性たちが数人いる化粧室などに入ると、明らかにみんなが黙ったり、話題を変えたりするのがわかります。私は、いわゆる社内いじめにあっているのでしょうか。女性特有の巧妙な手口に怒りが抑えられません。

なんとなく避けられているような気がする。これをいじめととらえるかどうかは、個人の解釈によるでしょう。例えば、さして興味のない相手や赤の他人が、好きな人たちと食事をとり、会話を楽しんでいるのだとしたら、それほど気にはならないはず。「もしかして、いじめ?」と感じるのは、「(同じ部署なんだから)私も誘うべきじゃない?」という気持ちが無意識のうちにあるから。「~すべき」という気持ちは、「~したいな、~だといいな」という願望が満たされずに暴走してしまったもの。したがって、この「それって、いじめじゃないの?」という非難の気持ちの正体は、「仲間に入りたいけど入れなくて寂しい」とか、「楽しそうに会話をしているみんなが羨ましい」という切ない気持ちだと言えます。

「おかしいでしょ!」「~すべきよ!」と正しさを振りかざして怒っても、人の心は離れていくばかりだし、関係は必要以上にこじれてしまいます。感情の暴発を抑えて、落ち着いて状況を好転させる方法を考えてみます。

女の嘆きの処方箋

その1 恨みと怒りのコーティングをはずす

あなたが不満や怒りを爆発させたとき、根気強く本当の願望や気持ちを探り出してくれるような人は、実はなかなかいません。多くの人は、本当の気持ちを分厚くコーティングしている怒りや恨みといった“こじれた”エネルギーを感じただけで敬遠してしまいます。理由はいたってシンプル。単純に怖いし、まともに相手をすると長くなるので面倒くさいから。そして、正しさを振りかざして怒り狂っている人に、一方的に悪者扱いされるのは嫌な気分だから。

本当は、自分の心の奥底の本当の気持ちを、こじらせずに表現できたら話は早いのです。ただ、あくまでも職場の人間関係なので、あまりに重たく「私、すっごく寂しいのよ」という気持ちを伝えるのも場ちがい。あくまで、相手も笑って済ませられるニュアンスを保って。

例:ランチのとき、トイレに行っている間に置いて行かれたとき
「トイレから戻ったら誰もいなくて。乗り遅れた感が半端なかったです」
「オフィスに戻ったらみんながいない。もう、気分は捨て猫ですよ」

例:化粧室に入ったら、中にいた人たちの空気が変わったとき
「あれ、なんかタイミング間違えたかな。空気がちょっと痛いです」
「この沈黙、たまらないですね。音消しボタンを連打しときます」

このように、それとなくこちらが気まずい思いをしたことを伝えながらも、相手を追い詰めない余裕を残しておくのが肝心です。下手をするとただの嫌味になってしまいますので、あくまでもさらりとしたユーモアの範囲で。うまくいけば、腹の底を探り合うようなガチガチの緊張感からは解放されます。

その2 たとえ本当に避けられていても、“めげない、拗ねない”

たまたまタイミングが合わなかったり間が悪かったりしたのではなく、本当に自分が避けられていると感じる場合。それは、笑いでごまかすのも逆効果だし、無理に仲間に入ろうとすればするほど泥沼に。「自分は嫌われ者なんだ、必要とされていないんだ」などと思うと、つい感情的になってしまいがちですが、「誰にでも苦手な人はいるものだ。まあ、私を苦手とする人が多いとしたら寂しいことだけど」とか、「誰にでも気の合う人たちと過ごす権利がある。まあ、私が選んでもらえないのはちょっと悲しいけれど」などと相手の権利をきちんと認めつつ自分の気持ちとも向き合えたら、むやみに腹を立てるようなことではないとわかるはず。

その3 真実を見る勇気があれば、思い切って聞いてみる

いじめなのか、そうでないのか、微妙なラインというのはけっこうなストレスになるもの。相手の悪意をおしはかって心を乱すというのは、精神衛生上あまりいいとは言えません。「もう、このモヤモヤした気持ちに決着をつけたい!」「ひたすら気をまわして疲れ果てるという流れを変えたい!」と思ったときには、ぜひ直接コミュニケーションをとってみましょう。

○たとえば上司や男性メンバーに聞いてみる
例:「なんとなく部署内で避けられているように感じるのですが、なにかご存知でしたら教えてください」

○自分を避けていると感じる相手に直接聞いてみる
例:「最近、ちょっと疎外感があるのが悩みなのですが。もしかして私、浮いていますか」

真実を聞くのは怖いものですが、もしかすると思いもかけない言動で誤解を招いていたり、なにかの行きちがいがあったりして、あなたを扱いにくく感じている人がいるかもしれないのです。でも、「この流れを変えたい!」「真実を知りたい!」という真摯な気持ちが伝われば、誰かしらサポートの手を差し伸べてくれるはず。もし誤解があるとわかったら、みんなに申し開きをしてまわるより行動で示すほうが効果あり。こだわらない態度で、にこやかに誠実に周囲の人に接していくうちに印象は好転していきます。

※画像は本文と関係ありません

(心理カウンセラー:三吉野愛子)

※この記事は2015年11月30日に公開されたものです

三吉野愛子

1978年、福岡県生まれ。2001年、東京学芸大学教育学部を卒業し、教育系広告代理店に勤務しながら心理カウンセリングを学ぶ。2005年より心理カウンセラーとして活動するかたわら、TV、ラジオ、雑誌の企画監修などを手がける。著書に『恋愛ダメ子の診療所』(日経ウーマン選書)。現在、東京を拠点に、現在、心理カウンセラーとして活動中。

●三吉野愛子カウンセリングオフィス ブログ
http://blog.goo.ne.jp/dearlife_2015

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