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実は「秋」は体調不良になりやすい? 知らないと怖い「秋バテ」の原因と対処法

ミノシマタカコ

渡邉賀子

「秋バテ」になりやすい生活習慣は?

秋になり、涼しくなっても体がだるく、疲れがとれない……。そんな“秋バテ”の症状に悩まされる女性が増えているそうです。ウーマンウェルネス研究会が行った意識調査によると、20〜50代女性の半数以上が「秋」に体の不調を感じているとか。ではなぜ、秋バテは起きるのでしょうか。麻布ミューズクリニック名誉院長の渡邉賀子先生に聞きました。

天候が変わりやすい秋は、体調不良になりやすい

「秋は短い周期で天候が変わります。急激な気圧の変化や、朝晩の大きな気温差によっても自律神経に大きく負担がかかるため、体調を崩しやすい季節なんです。とくに夏バテがひどかった人は要注意です。夏バテする人はもともと体力がなく、疲れが回復しにくい人が多く見られます。意識調査によると、秋に不調を感じた人の9割が夏バテを引きずっていました」(渡邉先生)

渡邉先生によると、秋バテ予防にはまず、変わりやすい秋の天候によりフル稼働している自律神経をケアすることが重要だそうです。そのためには、できれば短時間でも湯船につかるのが良いとのこと。なかでもおすすめは炭酸浴だそう。ぬるめのお湯にじっくりつかることで全身が温まり、自律神経のバランスが整いやすくなるそうです。

「炭酸ガス入りの入浴剤は末梢(まっしょう)の血管を拡張し、血流をよくするため、短時間の入浴でも全身を温めることができます。また、お湯はぬるめの38〜40度に。熱いお湯ではかえって自律神経のバランスを乱してしまうので気をつけて」(渡邉先生)

また、やむを得ずシャワーで済ます場合は、長めに頭からシャワーを浴びる「ヘッドシャワー」を取り入れると、効率良く体を温めることができるといいます。

「“冷え”も秋バテを悪化させる原因になります。日頃から足もとや首、肩周りを冷やさないように心がけて。ストールやひざかけ、肌に直接貼れる温熱シートなどをとりいれ、冷えを寄せ付けないようにしましょう」(渡邉先生)

秋の「紫外線」に要注意!? 蓄積されると不調の原因に

秋バテの原因は「夏場の高温多湿によるストレス」「紫外線による疲労」「冷え(内臓の冷えも含む)」「寒暖差」など多岐に渡ります。その中でも、見落としがちなのが「紫外線」です。夏場は気をつけていても、秋になると油断しがちな紫外線による疲労は、知らず知らずのうちに蓄積され不調の原因になるのだとか。

「秋になると、夏に比べて1日に浴びる紫外線の量は減りますが、油断は禁物です。1年間を通じて日焼け止めや帽子、日傘、サングラスなどを使って紫外線対策を行い、紫外線疲労の蓄積を防ぎましょう」(渡邉先生)

また、ビールやチューハイなど、冷たいお酒も“冷え”の原因になるそう。

「ビールなど冷たいお酒は内臓を冷やす原因になるため、毎日飲むのは避け、休肝日を設けるようにしましょう。また、1杯目に冷たいお酒を飲んだら、2杯目はワインなど常温で楽しめるものや、熱かんやお湯割りを頼むといったメリハリを意識することも大切です」(渡邉先生)

まとめ

涼しく、過ごしやすいイメージがある「秋」。しかし、実は秋は短い周期で天候が変わるため、急激な気圧の変化や、朝晩の大きな気温差などが引き金となり、体調を崩しやすいとか。
「秋バテ」を防ぐには、日頃から以下のような点に気をつけることが大切です。

●ぬるめのお湯にじっくりつかるなど、自律神経のケアを心がける
●日焼け止めや帽子、日傘、サングラスで紫外線を防ぎ、“紫外線疲労”をためない
●冷たい飲みものは “内臓冷え”の大敵。1杯目にビールやチューハイなど冷たいお酒を飲んだら、2杯目は常温や温かいお酒を注文するなどメリハリをつける

秋バテ予防は「冷え」対策にも直結します。快適なウィンターシーズンを迎えるためにも、さっそく今日からはじめましょう!

(取材協力:渡邉賀子、文:ミノシマタカコ+ガールズ健康ラボ)

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.07.12)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2015年11月05日に公開されたものです

ミノシマタカコ


モバイルコンテンツ業界生まれ、ウェブ業界育ち。企画・ディレクション・運営業務等を経験し、現在はフリーライターとして活動中。主な執筆分野は女性、健康、ライフスタイル、旅行など。『定年後の暮らしとお金の基礎知識2015』『冷え退治バイブル』(共に扶桑社)にライターとして参加。

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渡邉賀子

麻布ミューズクリニック名誉院長、慶應義塾大学医学部漢方医学センター非常勤講師、漢方専門医、日本東洋医学会指導医、医学博士。1997年北里研究所にて日本初の「冷え症外来」を開設し、多くの女性が悩みを抱える冷え症の診断と治療にあたってきた。2003年慶應義塾大学病院漢方クリニックにて、女性専用外来「漢方女性抗加齢外来」を開設。より健康で美しい女性の一生をサポートするために診療・研究活動にあたる一方、2004年9月、女性専門外来「麻布ミューズクリニック」を開院。現在は、熊本市・帯山中央病院院長を務める。

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