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間違ってたら冷や汗もの! 太ってるだけ or 妊婦? 知っておきたい、スマートな席の譲り方

森川ほしの/OFFICE-SANGA

電車などの車内で妊婦やお年寄りが立っていたら、席を譲るのが当たり前。しかし、スマートにふるまうのはなかなか難しく、つい躊躇してしまうこともありますよね。今回はそんな、「席を譲るかどうか悩んでしまった経験」について、働く女性たちに聞いてみました。

譲るべきか、譲らざるべきか

・「高齢者に見えるけど、美しい姿勢で凛として立っている人は、声をかけたらかえって失礼かなと悩む。自分の親も、譲られてショックだったと言っていたことがあるので」(33歳/学校・教育関連/専門職)
・「おばあちゃんって感じじゃないけど、優先席の前で座りたそうにしているおばさん」(22歳/アパレル・繊維/販売職・サービス系)
・「微妙な年齢のおばちゃんグループ。私一人が譲ってもモメそう」(33歳/医療・福祉/事務系専門職)

まさか、「失礼ですが、おいくつですか?」なんて聞くわけにもいきませんし、同じ年齢でも体や気持ちの若々しさには個人差がありますし……。「お年寄りには、席を譲りましょう」とは言っても、その「お年寄り」の判断がなかなか難しいところです。

これは、どうなのかな?

・「妊婦マークをつけていないお腹の出た人がいて迷った」(30歳/機械・精密機器/事務系専門職)
・「ただ太っている人なのか、妊婦さんなのかわからず、じろじろマタニティーマークを探してしまった」(33歳/商社・卸/秘書・アシスタント職)
・「自分とはちょっと離れた微妙な場所に立っていたとき。すぐ近くなら譲れる」(28歳/運輸・倉庫/販売職・サービス系)

何年も前の話になりますが、実は筆者、妊婦ではないのに席を譲られてしまったことがあります。妊婦に見えるほど太ってはいなかったと思うのですが、ゆったりしたデザインのワンピースを着ていたせいかもしれません。「違います!」と言ったものの、「遠慮なさらずに」と言われて……座ってしまいました。

断られると気まずい!

・「松葉杖の人。『座ったり立ったりという動作が大変だから』と、ことわられることが多いので」(28歳/機械・精密機器/技術職)
・「断られたり、嫌な顔をされたら恥ずかしいので、いまだ未経験」(22歳/ホテル・旅行・アミューズメント/販売職・サービス系)
・「席を譲ったら『そんな歳ではない』と怒られて以来、毎回悩む」(22歳/生保・損保/事務系専門職)

「断られたらどうしよう」と、やはり思ってしまいますよね。松葉杖で立ったり座ったりするのが大変という理由なら仕方ないですが、「そんな歳ではない」と言われても譲った人にはわかりませんので……。できれば、すんなり座っていただきたいものです。

私もキツイんだけど……

・「自分の体調がすぐれないとき」(33歳/その他/クリエイティブ職)
・「おばあさんがいたけど、しんどかったので譲るかどうか悩んだ」(27歳/アパレル・繊維/秘書・アシスタント職)
・「具合が悪くてぐったりしている自分の前に、元気なお年寄りが来た」(26歳/ホテル・旅行・アミューズメント/営業職)

「具合が悪い自分」と「元気そうなお年寄り」。はたして、どちらが優先されるべきか。筆者の個人的な意見ですが、体調が悪ければそのまま座っていても良いのでは? 無理をして席を譲って立ち上がり、もし倒れでもしたら……。かえって周囲の人に迷惑をかけてしまそうです。

簡単なようで、難しいのが「座席の譲り合い」。そこで、マナー講師の平松幹夫先生に、スマートな座席の譲り方について聞いてみました。

「『三辞三譲』という言葉があります。これは『勧められたら三回は辞退して、相手に譲るという心がけが大切』と諭した言葉。私は、三度まではいかなくても、一度は辞退して、二度目にその勧めを受けるかどうかを明確にすることを、マナーのひとつとしてお勧めしています」(平松先生)

この「三辞三譲」、電車などでの席の譲り合いにも、通じるのではないでしょうか。「断られたら気まずい」と思って、つい席を譲ることを躊躇してしまいがちですが、「最初の申し出は断られて当然」かも? 三度までは勧めてみることが、スマートな譲り方と言えそうです。

また、高齢の方に席を譲る場合に、「いかにも『年寄り扱い』するのは良くないでしょう」と平松先生は指摘します。

「人生の大先輩ですから、礼儀作法をわきまえて。『おじいちゃん』『おばあちゃん』と馴れ馴れしく話しかけられると気を悪くする人もいますので、できるだけ丁寧な言葉づかいを心がけましょう。そして、高齢の方と話すときのポイントはとにかく『はっきり』『ゆっくり』です」(平松先生)

恥ずかしさから、早口で席を勧めて、すぐにどこかへ立ち去ってしまいたくなりますが……。これからは「はっきり」「ゆっくり」を心がけたいと思います。

「すべての席が、思いやりの心がある優先席であるべき」と平松先生。いろいろと迷ってしまう場面もありますが、譲らずに後悔するよりは、譲ってから後悔した方がきっと気持ち良いですよね。迷ったら、譲る。そう心に決めて、少し勇気を出してみると良いかもしれません。

(森川ほしの/OFFICE-SANGA)

※『マイナビウーマン』にて2015年9月にWebアンケート。有効回答数173件(22~34歳の働く女性)

※画像は本文と関係ありません

※この記事は2015年10月27日に公開されたものです

森川ほしの/OFFICE-SANGA

大学で美学を学び、「美とは何ぞや」生涯この問いと向き合っていくことを決意。言葉、人、恋愛、社会など、さまざまものの中にある「美」を求め、フリーライターの道へ。マイナビウーマンで恋愛、マナー、話し方などに関するコラムを担当。

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