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【女の嘆き】女は仕事で損をする!? 会社での居心地の悪さから抜け出す方法は?

三吉野愛子

「あの子っていいなぁ! 私なんて……」「今、私ってどう見えてるんだろう」など、他人と比較して自己評価が下がったり、同性・異性の目に自分がどう映っているかを気にしすぎたりすること、ありますよね。心理コーディネーター・三吉野愛子が、そんな複雑な女ゴコロを解説し、嘆きの処方箋を出します。自分らしく輝いて生きるヒントをチェックして!

<今回の嘆き>
営業の仕事をしていますが、最近、私だけが仕事で損しているように感じます。もともと女性が多い職場で、産休・育休中の社員が増えると独身の私にしわ寄せがきます。苦労して契約した大型案件も、なぜか男性リーダーのチームが担当することになり、手柄を横取りされた感じです。上司たちはコソコソと会議室にこもってばかりだし、人が足りない職場はギスギスしているし、誰も本当のことを言わない雰囲気で居心地が悪いです。なにか社内的な陰謀に巻き込まれているのでないかという疑惑や不信感で、毎朝会社にいくのが嫌で仕方がありません。

私たちは、自分の身に起こった出来事をさまざまに解釈し、ほぼ自動的にさまざまな反応をします。この反応の仕方は、大きく次の4つに分かれます。

(1)頭に浮かぶ考え(認知)
(2)心にわき起こる気持ち(感情)
(3)身体にあらわれる生理現象(身体反応)
(4)外からわかる動作や振る舞い(行動

たとえば、「最近、仕事で損してばかりだ(出来事)。これは、なにか私が知らない社内的陰謀があるに違いない(認知)」などと、ある出来事に対してひとつの考え方に固執してしまうと、疎外感や恨み(感情)や、顔がこわばったり血の気が引いたりする(身体反応)、仕事を休みがちになったり同僚を避けたりする(行動)などの反応に長くとどまってしまうことになります。その結果、本当はそれほど大きな問題ではなかったことでも、だんだんこじれてしまうことだってあるのです。いわゆるドツボにはまるという状況です。

認知行動療法の考え方では、出来事に対してほぼ自動的に起こる4つの反応のうち、自分で意識的に変えていけるものは(1)の認知と(4)の行動だと言われています。そして、ストレス状況を客観的に観察し、認知と行動の仕方にバリエーションを持たせて対処していくことを、コーピンク(意図的な対処や工夫)と呼んでいます。それでは、コーピングスキルをどうやって獲得していくか、どのようなコーピングの種類があるのかなどを具体的にご紹介します。

女の嘆きの処方箋

その1 ドツボから抜け出すときには、遠慮なく他者の力を借りる

なんだか最近ネガティブな波がきている。思うように事が運ばない。つくづくツイていない。そういうときは、物事のとらえ方に変化をつけ(認知的コーピング)や、ストレスを感じたときの振る舞い方に幅をもたせて(行動的コーピング)、あの手この手でドツボから自分を救い出しましょう。コーピングスキルを獲得するために有効な方法は、できるだけたくさんの人の生き方を参考にすること。小説やドラマや映画に出てくる登場人物でもいいのです。人の数ほど物事の考え方や振る舞い方があります。自分と似ている人だけではなく、タイプがちがう人の意見や生き方も、ぜひ参考にしてみてください。

その2 認知的コーピングのバリエーションを増やす

・「最近ツイていないけど、そんな中でも私はよくやっているよ」
・「イライラしたり落ち込んだりするのは、生理周期とも関係があるかも」
・「今は試練のときかもしれない、だとしたら踏ん張りどきだ」
・「産休や病気などで、私も誰かに助けてもらうときがくるかもしれない」
・「ツイていないのは私だけ? ほかにもしんどい人がいるかもしれない」
・「本当にうまくいかないことばかり? ひとつでもよいことを探そう」
・あこがれの人、理想の人を思い浮かべて、「あの人ならどうするだろう?」と考える
・「長い仕事人生、不遇の時代もあるさ。粛々となすべきことをしよう」
・「あのお店のケーキセット、おいしかったなぁ。次はいつ行こう」などと想像する

考え方(認知)の選択肢を増やして自分自身を救い出すというのが難しく感じる人は、「大切な人が、今の自分とまったく同じ悩みでドツボにはまっているとき、自分はどんな考え方を提供するだろうか」という視点を持つとやりやすいでしょう。

その3 行動的コーピングのバリエーションを増やす

・信頼できる友人や恋人、カウンセラーなどに話を聞いてもらう
・ホテルでアフタヌーンティーを楽しむなど、自分にご褒美を与える
・ていねいに料理をする。もしくはていねいに作られた食事を味わう
・マッサージやエステ、岩盤浴などで徹底的にデトックスをする
・かわいいもの(ペット、姪っ子、甥っ子)と無邪気に遊ぶ
・ふわふわしたもの、すべすべしたもの、あったかいものに触れる
・自宅や自分のデスクを整理し、断捨離する
・新しいメイク方法を試す。新しい服を買う
・日記を書く、日記を読み返す
・お気に入りの写真集や雑誌を眺める
・山登りをする、自然の多い公園等を散歩する
・夜空を見上げて月や星を眺める
・神社や寺、大自然など、パワースポットをめぐる
・寝る前や、起きてすぐにストレッチをする
・自分の頭の中に浮かぶ考えを、声に出して吐き出す
・自宅でアロマやお香を焚いてくつろぐ
・座禅や瞑想をして雑念を手放す
・泣ける映画、勇気が出る映画、笑える映画を見る
・職場では、つとめて笑顔で自分から挨拶をし続ける

誰でもドツボに入ることはあります。でも、「ツイていない流れを変えたい!」と思ってもがいているうちに、助けてくれる人に出会ったり、思いがけない解決策を得たりして、状況はさして変わらぬままでもネガティブな気持ちから抜け出せることは多いものです。自分なりのコーピング方法をたくさん見つけましょう。もちろん、このやり方で問題や悩みのすべてが解決するわけではないのですが、少なくとも自分のネガティブな考え方や態度で自爆していくことは避けられるのではないでしょうか。

※画像は本文と関係ありません

(心理カウンセラー:三吉野愛子)

※この記事は2015年10月19日に公開されたものです

三吉野愛子

1978年、福岡県生まれ。2001年、東京学芸大学教育学部を卒業し、教育系広告代理店に勤務しながら心理カウンセリングを学ぶ。2005年より心理カウンセラーとして活動するかたわら、TV、ラジオ、雑誌の企画監修などを手がける。著書に『恋愛ダメ子の診療所』(日経ウーマン選書)。現在、東京を拠点に、現在、心理カウンセラーとして活動中。

●三吉野愛子カウンセリングオフィス ブログ
http://blog.goo.ne.jp/dearlife_2015

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