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「何を言ったよりも誰が言った」をどうなくす? みんなで考える、職場における「無意識の偏見」

柔軟な働き方で日本人女性の社会進出を支援するプロジェクト「Women Will」を進めているGoogleは25日、六本木にある東京オフィスで職場における「無意識の偏見」を理解するワークショップを開催しました。さまざまな企業の人事開発やダイバーシティ推進担当者ら約50人が集まり、熱心な議論を行いました。

この日は女性だけでなく、多くの男性参加者の姿も目立ちました。ある大手食料品販売会社の男性人事担当者がいわく、「男性としてまさに普段感じていない『無意識の偏見』的なところが多いと思います。会社も女性社員の働き方をよりいい方向に変えたいので、今日は参加しました」

では、「無意識の偏見」は具体的に何を指すのか? なぜ女性社員がその対象になりやすいのか? Googleのダイバーシティ日本統括責任者の山地由里さんが解説してくれました。

「無意識の情報の関連付けとも呼ばれています。職場という何ごとも判断を素早く下す必要がある環境において、人間は無意識にも文化的、組織的思考に従い、過去の経験や見た目的な情報に頼りがちです。その判断の仕方によって、職場の採用面接または昇進・表彰、アイディアの出し合い、プロジェクトの担当・役割決めなど、さまざまなところに影響を及ぼしてしまいます。

有名な実験があります。アメリカでトップを争う大学の科学研究所のマネージャー職の求人に、ひとつは女性、もうひとつは男性の名前を使い、2通りのまったく同じ履歴書を同僚の教授に送りました。審査のデータが戻ってくると、男性のほうが「適応だ」「一緒に働きたい」という回答が多かった上、報酬の基準が高かったのです。ほかの実験にも証明されていますが、同条件で評価される場合、女性のほうの評価が低いのです」

さらに、参加者が入り混じってのワークショップを実施。みんなで「無意識の偏見」を減らす方法を議論しました。そこでわかったのが、大半のグループがこの職場の「何を言ったよりも誰が言った」問題について課題を感じているということ。

例えば、「意思決定者や人選基準、さらに座る位置などの『固定化』に常に疑いを持たなければなりません、全員で」(男性参加者)というような改善策が発表されました。

今年大学3年生で、都内の企業でインターンシップをしている女性は「入社歴が短い女性社員に対して、『すぐの信頼性』ではなく、もっと広い視野と長い目で見てほしい」と発言すると、会場から賛同の拍手が起こりました。

(Keiyuu/マイナビウーマン編集部)

※この記事は2015年05月27日に公開されたものです

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