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旅行中に生まれた赤ちゃんの「出生地」はどこになる?

話題に尽きたときに、なにかと便利なのが地域ネタ。出身地や「むかし住んでいた場所」の話なら当たりさわりもないし、「じつは私も!」なんて発展することも多く、初対面のときに便利なネタだ。

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ところで、旅行中に生まれた赤ちゃんの「出生地」はどこになるのか? 出生届には「生まれたところ」の欄があり、本籍や住所と異なり重要な役割はないのに○丁目□番地まで記載しなければならない。海外で出産した場合はその国のルールによって国籍が決まり、赤ちゃんだけ「アメリカ人」になる可能性もあるのだ。

「生まれたところ」は重要?

国内で出産した場合、14日以内に「出生届」を提出する必要があり、提出できる役所は4つある。
・父母の本籍地
・父または母の住所地
・子の出生地
・滞在地
このうちの住所地、つまり住んでいる自治体の役所に提出するのが一般的だろうが、出産した病院のある地域(=子の出生地)でも構わない。旅行や出張中の出産であれば滞在地でもOKなので、実家でも住所でもない「縁のない」場所で届け出ることも可能だ。

出生届には住所や本籍に加え、「生まれたところ」を記載しなければならない。しかも「東京都練馬区」などの漠然とした表現はNGで、何丁目何番地まで記入しなければならない。新幹線や飛行機に乗っているときに生まれると、出生届を提出するだけでも多大な労力が必要になるのだ。

船や飛行機なら航海日誌やGPSから「その場所」を特定できるだろうが、電車なら時刻と風景から割り出すしか方法がない。ただし、苦労して場所を特定しても、それが記録に残るだけで、本籍や住所ほどの役割は果たさない。

のちに住民票をとっても記載されているわけでもないのだが、住所を「きっちり」記載しないといけないフシギなルールが存在するのだ。

アメリカで生まれた赤ちゃんは「アメリカ人」になる?

海外で生まれた場合はどうなるのか? 出生届の期限は3ヶ月に延長され、郵送でも提出できるので安心だが、「国籍」の手続きをし忘れると赤ちゃんだけが「外国人」になってしまうこともあるのだ。
国籍に関するルールは国によって、
・血統主義 … 親の国籍によって決まる
・生地主義 … 生まれた場所によって決まる
があり、日本は血統主義なので両親またはどちらか一人でも日本人なら、子は生まれた場所を問わず日本人となる。対してアメリカやブラジルは生地主義のため、国内で生まれた赤ちゃんは自動的に国籍が与えられる。つまり、日本人がアメリカで出産すると、赤ちゃんは2つの国籍を持つことになるのだ。

ただし、複数の国籍を持つ重国籍(じゅうこくせき)は許可されていないので、親がどちらかに決めないといけない。日本の場合、3ヶ月以内に「国籍留保(りゅうほ)」の手続きをしないと自動的に国籍を失ってしまうので注意が必要だ。

手続きしないと赤ちゃんが「日本人」ではなくなってしまうので、海外で出産したい!と思っているひとはしっかりと準備しておこう。
どの国にも属さない「公海」上で生まれたらどうなるのか? この場合は飛行機や船が「国扱い」となるので、どの国の航空(または海運)会社によって決まる。
たとえば日本からフランスの船でアメリカに向かうなら、出産した場所と赤ちゃんの国籍は、
・出発時(日本) … 日本
・到着時(アメリカ) … 日本とアメリカ
・公海上 … 日本
となる。フランスも日本と同じ血統主義なので、フランス国籍は発生しないからだ。いずれにせよ、誤った届け出や手続きし忘れは赤ちゃんにとって一生モノのトラブルになるのでご注意を。

まとめ

・出生届は、実家でも住所でもない場所に提出することもできる
・海外で出産した場合、3ヶ月以内に手続きしないと「日本国籍」を失ってしまう!
・アメリカで生まれた赤ちゃんは、アメリカ人になることも可能

※この記事は2015年02月01日に公開されたものです

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