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同じ症状の人に、自分が処方された薬を飲ませても大丈夫?「NG:違法だとは言い切れないが、責任が問われる」

Doctors Me

■ついついやっていませんか?
みなさま、風邪などでご自身に処方された薬を飲みきらず残していたときに、ご家族や近しい方が同じような症状……つい、「この薬で治ったよ。飲んでみたら?」などと言ってしまった経験ありませんか? 実は、その行動……してはNGなんです。では、なぜNGなのか?

3つのNG理由をチェックしましょう。

■NG理由1:危険な薬物アレルギーや副作用
服用した薬でアレルギー反応をおこす可能性があります。もっとも怖いのは、アナフィラキシーショックです。アナフィラキシーショックとは、薬の服用後5~30分以内に起きる急性の過敏反応です。アナフィラキシーショックにより全身に過敏反応が現れ、じんましんやかゆみなどの皮膚症状、吐き気や腹痛などの消化器症状のほか、意識の混濁、喉や気道が腫れることによる呼吸困難、急激な血圧低下などで死にいたることもあります。アナフィラキシーショックは、一刻一秒を争う事態なので速やかに適切な処置を受ける必要があります。

自分が処方された薬を服用した人がアナフィラキシーショックをおこす可能性があると考えたら怖いですね。また、時間が経過してから、胃腸障害、肝障害や腎障害など予期せぬ副作用で健康を害することもあります。薬のアレルギーがあるかどうか知っている家族に与えるのも避けるべきですが、アレルギーなどを知らない友人や恋人にあげるのはもっとリスクが高いのでやめるべきでしょう。

■NG理由2:同じ症状に見えても原因は人それぞれ
同じ症状のようでも、ちがう病気のこともあります。また、同じ病気でも原因が異なる場合もあります。また、医師が診察し、あなたの病状、体質なども含め、あなたのために処方した薬です。たとえ、同じ症状にみえても、ほかの人に適した薬かわかりません。前述したようにアレルギーの可能性や症状を悪化させる可能性もあります。
■NG理由3:違法性は微妙だが、責任が問われる

処方箋について医師法、薬剤師法を引いてみますと、医師は診察に基づき処方箋を発行し、薬剤師が処方箋に基づき調剤しなければいけないという旨が謳われています(医師法第20条、22条、薬剤師法第19条参照)。

処方薬は、医師、薬剤師が責任を持ち、処方された患者が飲むべきものです。いくら善意でも、自分に処方された薬を人に飲ませ、万が一、重い副作用や症状の悪化を招いた場合、やはり、譲った側の責任は重いものになると思います。薬剤師としてみなさまには、ご自分が処方された薬を他人に飲ませることはしないようお願いさせていただきたいと思います。

■まとめ
せっかくの好意でもご自分に処方された薬を人に飲ませることは、決してしてはいけません。まわりに同じ症状の人がいたら、早めの受診を勧めてくださいね。

(文:45歳女性薬剤師/Doctors Me、構成:マイナビウーマン編集部)

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.05.31)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2015年01月03日に公開されたものです

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医師をはじめ、歯科医、薬剤師、介護福祉士、栄養士、獣医、心理カウンセラーの6つの士業・専門従事者を擁する、総合型の健康Q&Aサービス。2013年8月のサービス提供開始以来、『安心をもっと身近に』というサービスコンセプトのもと、医師だけにとどまらず、専門資格を持つ多様な回答者を増やし、場所や時間を気にすることなく、さまざまな悩みを気軽に相談できるサービスを実現。https://doctors-me.com/

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